教育特集2017・オーストラリアの「子育て・習い事」最新事情(体験談)

2017年 オーストラリアの「子育て・習い事」最新事情

シドニーでの子育て体験談

慣れない海外での子育てに際し、実際にオーストラリアで子育てをしている家庭の体験談は参考情報として心強いもの。そこで、シドニーで3歳~ハイスクールまでの子どもを持つ4組の家庭にアンケートを実施し、その実態を伺った。

Mさんファミリーの場合

家族構成:妻(日本人/回答者)、夫(イギリス人)、娘(3歳)

♦ロング・デイ・ケア

3歳の娘をロング・デイ・ケアに通わせています。ロング・デイ・ケアは、通常朝7時頃から夜6時半頃まで開いていて便利な分、金額も高めです(シドニー・シティーだと1日180ドル以上する所も)。祝日は休みですが、スクール・ホリデーはありません。
 個人を尊重するのでフリー・プレイ(自由遊び)が主流で、日本と違って意識的に協調性を学ばせるということはほぼ無く、この年齢でも「自分の意見を言える」ということが評価されます。娘のクラスは子ども25人につき先生が3人常駐し、先生は何かを教えるということは少なく、主にスーパーバイザーとして子どもが安全に遊んでいるかを見ている感じです。
 保護者は、思ったことや疑問に感じたことを素直に施設側や先生に訴えるのが普通。特に娘が通う施設ではデイ・ケアは家での生活の延長と考える先生が多いので、先生と保護者との関係はとても密接です。4半期ごとに保護者と先生との合同ミーティングが設けられています。

♦習い事、家庭教育

私の娘は習い事をしていませんが、習い事をさせている家庭が多い印象で、水泳はもはや当たり前。他にはバレエや音楽レッスンが人気のようです。
 家庭でのしつけでは、「Please」や「Thank you」をしっかり言えるよう、マナーに気を付けています。

♦日本語教育

家庭での会話は英語が9割で、日本語をマスターさせるべく日本語学校に入れるべきか考えているところです。日本語で話しかけるように心がけており、7割くらいは理解しているようですが、ほとんど単語でしか話せません。

♦個人を尊重する教育

個人を尊重するという点では「皆が違っていて当たり前」という感覚が自然と身に付くので良いと思います。のんびりした教育環境の中で、個性を伸ばし、才能を発見してあげられるのが子どもにとって良いですね。

Sさんファミリーの場合

家族構成:妻(日本人/回答者)、夫(日本人)、息子(6歳、3歳)

♦プレイグループ

下の息子(3歳)は、近所の複数の教会のプレイグループに参加しています(1ターム10週間で40ドル、または1回2時間で2~3ドルなど)。宗教を問わず参加でき、外遊び、クラフト、ままごと、おもちゃ遊び、英語の童謡を歌うなどします。親の見守りの下、多国籍の子どもたちと一緒に楽しく過ごし、社交性を養えています。
 3歳から入園可能なプレスクールに入れたかったのですが、2月に3歳になったばかりで、2月から新学期となるプレスクールでは空席がなかなかありませんでした。デイ・ケアも考えましたが、永住権保持者でないため政府の給付金が受けられず、保育費の負担が大きいというのもあります。週に数回の幼児教育機関+プレイグループと掛け持ちする親子も多いです。

♦プライマリー・スクール

上の息子(6歳)は公立のプライマリー・スクールのイヤー1(キンディー)が終わったばかりです。入学前、息子は来豪したてで英語があまり話せなかったため、教師・児童間のコミュニケーションを重視して少人数制(1クラス20人、1学年3クラス)の学校を選び、越境通学することに。マルチリンガルが当たり前のような環境ですが、英語を話せない子がいることにも皆が慣れていて、一緒に遊べるように工夫してくれます。
 プライマリー・スクールでは午前中にモーニング・ティー、お昼にランチ、午後にリセスと、学校生活6時間で計3回の軽食と食事タイムがあり、大きなカバンの中はほとんどが食べ物です。

♦保護者の学校ボランティア

学校ではP&Cという親同士のコミュニティーも盛んで、私もクラス内の読み書きアシスタントやキャンティーン(購買)のボランティアに参加し、子どもと共に学校生活を楽しんでいます。
 学校には日々の時間割が無く、子どもが1日何をやってきたのかしばらく分かりませんでした。クラス内のアシスタントをして分かったのは、英語、理科、社会、算数などの科目ごとではなく、1つの事象をいろいろな角度から捉える教育だということ。例えば、昆虫について話を聴き、書き取りをして、絵合わせゲームで単語を学び、クラフトで足が6本の虫を作り、どんな所に住んでいるかを絵で描き、何匹いるか計算する、などです。

♦学校教育と英語学習

学年の最後に子どもがやっと持ち帰ってきた1年間分のノートを見たら、キンディーで簡単な掛け算までやっていたことに驚きました。本人たちは掛け算と思っていないようで、暗記ではなく考え方を学んだようです。
 英語力は、ESL教育のお陰もあってずいぶん伸びました。週1回「ニュース」という1~2分のプレゼンテーションの時間もあり、決められたトピックに応じて発表し、フリップの見やすさ、表現態度、話すスピードや声の大きさなどが評価されます。また、宿題として週3回リーディング用の本を持ち帰ってきますが、薄い本ならフォニックスを駆使して自分で読めるようになりました。

♦日本語教育と気になる日本の学習進度

週1回、日本語補習校(1ターム10週150ドル)に通っており、日本の季節行事なども体験できます。英語・日本語は共に第一言語レベルでキープして欲しいので、自宅では英語と日本語のドリル、日本の文章題を理解できるよう算数ドリルも日本語のものを使用。
 オーストラリア滞在期間の長さが未定なので、日本の教育体系や学習進度との差が気になっています。就学年齢の浅いうちに帰国した場合、日本は教科ごとに縦割りで学ぶので、どこに照準を合わせて差を埋めていくか考える必要がありそうです。

♦習い事

日本語で指導してくれるサッカー・クラブ(1回1時間15ドル)や水泳教室(月25ドル)、地域のボーイ・スカウト(1ターム10週50ドル)に参加しています。サッカーで団体競技を経験できたり、水泳を始めたことで風邪をひかなくなったりと充実。学校でも親でもない第三者から教わり認めてもらうという体験が本人にとってうれしいようです。

Bさんファミリーの場合

家族構成:妻(日本人/回答者)、夫(オーストラリア人)、娘(11歳、14歳)

♦ハイスクールとプライマリー・スクール

長女は公立のハイスクールのイヤー10に通っています。本人の希望する専門課程がある学校だったので選びました。次女はカトリック系のプライマリー・スクールのイヤー6で、長女が通っていた学校です。
 学校では、1つの課題がその学年だけでなく進級してからも違う形で出題されることがあります。これには、学習する範囲を単純に積み重ねていくというより、学習の幅を広げていくという印象を受けます。

♦学校の宿題と家庭での過ごし方

平日は宿題がありますが、週末、そしてスクール・ホリデー期間とその前後には出されないので、自宅で勉強以外のことに使える時間が日本より多い気がします。宿題がない日は、子どもたちは読書、ゲーム、電話やインターネットで友人とおしゃべりするなどして時間を過ごしています。
 長女は日本語も少し使えますが、家庭内は英語のみを使う環境で、本人たち次第で好きな言語を学ぶのが良いと思っています。

♦オーストラリアの教育の特徴

人の前でしゃべるということを、キンディーの頃からいろいろな方法を使って定期的に行います。これは日本と異なる点ですね。
 また、個人の習熟度に応じた教育制度も特徴で、できる生徒は1科目だけ上級のクラスに入って授業を受けることが可能ですが、習得できない場合はキンディーから留年になることもあります。伸ばせるところは伸ばし、できないところはできるまで留まらせてじっくり取り組むというやり方に好感を持っています。

♦学校と保護者の関わり

学校に限らずオーストラリアの一般社会にも言えることですが、その人の立場や役割にとらわれず、親と先生との間の線引きがあまりない印象です。学校ではさまざまな行事が催され、保護者も積極的に参加しています。

♦習い事

長女、次女ともにダンスを習っています。元々、長女が自分から習いたいと言い出したのがきっかけで、次女もそれを見て興味を持ったようです。週8時間で、年間のレッスン費用は1人1,980ドルです。

Oさんファミリーの場合

家族構成:妻(日本人/回答者)、夫(オーストラリア人)、娘(17歳)

♦ハイスクール

娘はイヤー12で、シドニーで最も古く伝統のある女子校に通っています。授業、宿題、テストともに自主性を重んじる課題が出されることが特徴で、自分でトピックを決め、リサーチし、自分の意見や考えを探求していくという学習方法です。

♦学校生活と家庭生活

1人ひとりの個性を大切にする、という教育を幼少の頃から受けているので、学校も自由でリラックスした雰囲気です。その分、自己責任を追求するという側面も。保護者も学校も含め、社会全体で1人の人間を育てていくというチームメイトのような考え方・関わり方が感じられます。
 学校の後は図書館で勉強、ビーチで散歩、友人とチャット、家事の手伝いなどをしています。家庭でのしつけは、あいさつをきちんとすることや目上の人を敬うことなどを大切にしています。
 現地校に通わせているので学校では全て英語、家庭では全て日本語で会話しています。他に、イタリア語も勉強しています。

♦習い事

公文で英語と数学を学び、毎日必ず勉強する習慣が身に付きました(1教科122ドル/月)。またピアノのレッスンもやっています(1時間60ドル)。

♦オーストラリアでの子育て

多国籍国家なので、他の文化や人、意見を尊重するのが一般的。そんな中で、自分の子どもであっても所有物ではなく1人の人間として、年齢に関係なく本人の個性や意思を尊重すべきだと感じています。

※「シドニーの子育て体験談」は全て個人の体験・感想です。


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