【特集】新たな可能性を目指してオーストラリアで「学ぶ」2017 ⑤

新たな可能性を目指してオーストラリアで「学ぶ」2017

IELTS完全攻略

◆IELTS基本情報◆

IELTSとは

IELTSは、International English Language Testing Systemの略で、オーストラリアを始めイギリス、カナダ、ニュージーランドなどへの海外留学や研修、移住申請のための英語力検定試験の1つ。日本ではTOEIC、TOEFL、英語検定などが有名で認知度は高くないかもしれないが、現在、世界では140カ国の1,000以上の会場で受験ができる、英語力証明のための国際基準のテストとなっている。

IELTSの試験は、用途別に2通りに分かれる。1つは、英語で授業を行う大学や大学院への入学、英語圏での看護師や医師登録申請に当たり適用される「アカデミック・モジュール」。もう1つは、移住申請など学業以外の目的で必要な「ジェネラル・トレーニング・モジュール」だ。オーストラリアでの進学の場合、大学・大学院への入学にはアカデミック・モジュール、専門学校やTAFE(職業訓練校)入学の場合はジェネラル・トレーニング・モジュールで取得した点数の利用も可能となっている。

試験は平均して月に2回実施されるが、受験費用は363ドル(GST込み)と決して安くはないので、しっかり計画的に準備することが必要だ。

テスト内容

上記の両モジュールとも、IELTSのテストはリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのパートで構成され、テストの合計所要時間は約2時間45分となっている。そして、上記4パートのうちリーディングとライティングに関しては、出題内容がモジュールによって異なる仕組みとなっている。

また、スピーキング・テストの実施については、筆記テストと同日または別日と日程が2通りに分かれる。ただし、スピーキング・テストが別日になったとしても、世界的な規定により筆記テストの前後6日以内に行われるようスケジュールが決められている。

各パートの試験時間、出題数など概要は以下の通り。

リスニング

● 試験時間は60分
● 問題数は40問前後
● トピックは日常会話から場内アナウンス、セミナーなどさまざま
● 音声の放送は1回、試験中の問題用紙へのメモ書きは許可されている
● 話される英語の地域性は特に指定なし(英、米、豪、カナダ、ニュージーランド、アイルランドなどさまざま)

リーディング

● 試験時間は60分
● 3つの文章(各2,500~3,000ワード)と、各文章に対する設問40問が出題
● 問題は新聞、説明書、書籍などから出題
● アカデミック・モジュールでは、学術文などからも出題されるが専門知識は要求されない

ライティング

● 試験時間は60分
● 問題数は2つ(タスク1、タスク2)
● タスク1は150ワード程度、タスク2は250ワード程度で執筆を行う
● ジェネラル・トレーニング・モジュールの場合、タスク1は手紙の執筆など
● アカデミック・モジュールでは、タスク1はグラフ・図の読み取り、タスク2は社会問題への意見を論理的に説明

スピーキング

● 試験時間は約15分
● 全3パートから構成
● パート1:自己紹介(受験者の仕事、休日の過ごし方などの質問への応答)
● パート2:指定のトピックについて約2分間のスピーチ
● パート3:パート2の内容に関する試験官からの詳細な質問への応答)
● 回答内容はレコーダーで録音

試験結果


試験結果は、合格・不合格ではなく、0~9.0のスコアで表示される。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各パートのスコアが表示される他、総合評価のスコアが与えられる。

オーストラリアで進学に当たり必要なスコアは、専門学校で5.5~(ジェネラル・トレーニング・モジュール)、大学・大学院で7.0~(アカデミック・モジュール)となっている。


◆IELTS攻略法

取材協力=ラ・リングア・ランゲージ・スクール/坂井田智子さん

IELTSは、TOEICと異なり、問題を解き進めるテクニックだけでは高得点取得には限界があり、「普段の英語力そのものが試される」試験と言えます。そのため、模擬問題を解くという勉強法だけではリーディングやリスニングのパートには効果があるかもしれませんが、普段の英語力自体の向上にはつながってくれません。

IELTS攻略に必要なのはずばり「語彙力の増強」、「語彙を制する者がIELTSを制する」のです。

そして、この語彙力が関係し、日本人がIELTSのスコア・アップで伸び悩むのがライティングとスピーキングです。

特に、ライティングのパートでは、動物、IT、福祉など時事問題や専門的な内容から問題が出題されます。「3つの問題の中から1つを選びなさい」といった出題形式の試験ではないので、得意分野であれば問題ないかもしれませんが、出題問題が自分の不得意分野からであれば好スコアにつながらない可能性が高くなるでしょう。そうならないための効果的な勉強法を紹介します。

日本人特有の弱点克服法

ライティングのパートの試験時間は60分でタスク1とタスク2の2題が出題され、タスク2の方に配点の約3分の2が割り当てられるため、前者に20分、後者に40分を掛けることが良い時間配分とされています。

タスク1は、ジェネラル・トレーニング・モジュールでは、お礼や苦情、問い合わせの手紙の執筆、アカデミック・モジュールではグラフや図の読み取りが問題として出題されます。

先述の内容と矛盾するようですが、このタスク1攻略に必要なことは「とにかく問題をこなす」こと。模擬問題集などで問題の数を多くこなすことで、自ずと頻出の表現や単語が自分の中に定着し、試験には丸暗記に似た状況で臨めるはずです。

問題は、タスク2です。ここでは、個人の知識や経験を基に論理的に意見を展開することが求められますが、この「意見を書く」ということが日本人にとっては実はとても苦手な作業です。というのも、日本で生まれ育った人は、「察する」ことが良しとされる社会の中にいたため、自分の意見を主張するという必要性がオーストラリアなどの外国と比べて少なく、意見を持つに至るまでの思考の壁が存在します。

ライティング・パートのタスク2では、250ワード程度で意見を展開しなければならず、上記のワード数に達するためにはイントロ(書き出し)・本文・結論でエッセイ全体を構成し、そのうち本文が3つの以上の段落(意見・理由)で構成されるのが望ましいです。ちなみに、IELTSのライティングのパートでは、書かれている内容よりも、上記の形式がきちんとフォローされているかが得点の対象となります。

意見を書くことが苦手な日本人にとっては、試験の際に頑張って意見を書き出してみますが、アイデア不足から手が止まってしまい、その結果、時間が足りなくなることがよくあります。

その意見をコンスタントに出せるようになるために、推奨したいのが「日記をつける」という勉強法です。具体的な方法としては、1日の出来事を書くのではなく、「自分の考え」を書くことです。例えば、まずは好きな食べ物、好きな色など「好きなもの」でトピックを1つ決めて、その理由を3つ述べるといったトレーニングから始めてください。3つというのは、上記の通り実際の試験で本文の構成を最低3つ作れるようになるためです。理由が3つ思いつかない場合でも、とにかく何かひねり出さなければなりません。


次にこの作業に慣れてきたら、例えば「受動喫煙」問題など、時事問題から何かトピックを1つ取り上げてそれに対して賛成、反対のブレイン・ストーミングを行い、考えを可能な限りたくさん出すようにすることをお勧めします。そうすることで、普段のこうしたトレーニングを試験で応用した際に、多く意見が出た方で構成を考え、すぐに書き進めていけるようになるからです。試験では、ブレイン・ストーミングと理由の整理に10分を使うことが非常に重要です。40分の試験時間のうち、この最初の10分で焦らずアイデアをうまく整理できるかできないかが、タスク2の出来を大きく左右します。

上記で述べたトレーニングを普段から継続することによって、幅広い分野から語彙が身に着くだけでなく、実際の試験で日記として書き溜めたアイデアが効果的な「ネタ帳」となり効果を発揮してくれるはずです。

スピーキング・パートにも効果あり

この「日記」の勉強法は、ライティングだけでなく、スピーキングでも効果的です。それは、先に述べた「意見を持つに至るまでの思考の壁が存在」するために、日本人は英語を話せないのではなく、話すネタがないという状況に試験でも陥るからです。

そこで、もし海外で現在生活しているのであれば、できる限り新聞、雑誌などから幅広く情報を収集し、何か1つのトピックに対し賛成・反対両面の意見を数多く持てるトレーニングを継続してもらえればと思います。

ここで述べた「日記(ネタ帳)」勉強法は、IELTSで少なくとも6.0以上を目指すのであれば必須の習慣と言えるでしょう。


こちらもクリック▶▶▶ ①学生ビザ取得
②シドニーで人気の 留学・資格取得コース・ランキング ③留学活用法 ④「ジャパセン」利用者の直撃
⑤IELTS完全攻略 ⑥オーストラリアン・ラーニング・グループ ⑦King’s Own Institute(KOI)

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る