オーストラリアの教育最新事情①

【留学・教育特集2018】キャリア・アップや夢の実現 新しい自分に出会うためのオーストラリア「留学」

多文化社会であるオーストラリアでは日本と比べ、教育は幼いころから子どもの自主性や個性を尊重する方法が主流で、用意されている選択肢も多い。子どもの成長に応じた最適な学びを提供するためにも、事前に知っておきたいことは多いはず。本特集では、就学前から大学入学前までオーストラリア(NSW州)の最新の教育事情について、課外活動や大学のキャンパス・ツアーの情報も交じえ紹介する。

記事(教育制度)監修=内野尚子(うちのなおこ/Universal Kids)
※当記事の掲載情報は2018年9月時点のもの。

NSW州での子育てと教育制度の概要

教育制度の概要

連邦国家であるオーストラリアでは、教育制度は州ごとに異なっている。NSW州の大学入学までの教育制度は、就学前教育、準備教育(キンダーガーテン。通称キンディー)、初等教育(プライマリー・スクール)、中等教育(ハイ・スクール)に分かれる。就学前教育は日本の幼稚園や保育園に、プライマリー・スクールは日本の小学校に、ハイ・スクールは日本の中学校及び高等学校に相当する。オーストラリアでは日本のように学年が小学校、中学校、高等学校で区切られておらず、初等教育のイヤー(Year)1から中等教育のイヤー12までの12年間を通して「イヤー○」という呼び方をしている。義務教育期間はイヤー1からイヤー10までだ。

学期はタームと呼ばれ、4学期制であり、新学期は1月末から始まる。

親子で勉強

基本的にプライマリー・スクールの就学年齢は、その年の7月31日までに6歳になる子どもが、同年に始まるイヤー1に入学することになっている。また、その1年前にプライマリー・スクールに併設されたキンディーに、義務ではないが、ほとんどの子どもが通う。

もっとも、オーストラリアでは保護者が入学時期を決めることも可能で、子どもの状態によって、早めたり遅らせたりすることができることも覚えておくと良いだろう。

学校の種類

学校は公立校(パブリック・スクール)と私立校(プライベート・スクール)に大きく分かれる。公立校は基本的には、住所によって通う学校が決まる学区制を採用している。私立校には、男子校、女子校、宗教に基づく学校(カトリック、アングリカンなど)、バイリンガル教育を実施する学校(日本人学校など)、モンテッソーリ・メソッドやシュタイナー教育といった著名な教育方法を取り入れた学校など、さまざまな種類がある。人気の私立校の場合、子どもが生まれた時点で入学のウェイティング・リストに名前を載せることも珍しくない。

入学する学校を決める前に実際にその学校の雰囲気を知りたい場合は、オープン・デーやスクール・ツアーと呼ばれる学校見学説明会に参加することが可能だ。公立校、私立校問わず、1年間に複数回開催されるので、校風などを知るのに役に立つ。スケジュールは各学校によって異なるため、直接問い合わせて確認しよう。

就学前教育

NSW州では、3~4歳から就学前の教育を受けることが奨励されている。

就学前の教育には大きく分けてデイ・ケア・センター(Day Care Centre)、オケージョナル・ケア・センター(Occasional Care Centre)、プレスクール(Pre-School)の3つの種類がある。必ずしも日本の保育所や幼稚園などと内容がぴったり重なるわけではないので、英語で理解するのが良いだろう。

それぞれの施設では、先生と子どもの割合が決まっている。2歳未満の場合には、子ども4人につきエデュケーター(Educator)と呼ばれる先生または保育士が1人、2歳以上3歳未満は子ども5人につきエデュケーターが1人、3歳以上の場合には子ども11人につきエデュケーターが1人と決められている。

週に2~3日程度通うのが一般的で、定員20~60人くらいの小規模な所が多いが、中には60人以上の大規模な所もある。

●デイ・ケア・センター

対象は新生児から就学前までではあるが、センターによって受け入れ年齢の設定が異なる。預けられる時間帯はおおむね朝8時~夕方6時が多い。年末年始を除いて、年間48週以上オープンしている。

●オケージョナル・ケア・センター

対象は新生児から就学前までだが、これもセンターによって異なる。1時間から預けることが可能で利用料金も1時間単位で決められている。

●プレスクール

対象は3歳から就学前まで。預けられる時間帯は朝9時~午後3時。学校と同じように4学期制で、夏休みなどのスクール・ホリデーがある。時間的に余裕のある保護者の子どもが多い。

※住んでいる地域にある施設の空き状況やサービスの種類など政府が運営するウェブサイト「MyChild」(Web: www.mychild.gov.au)で検索可能。

キンディー(キンダーガーテン)

5歳前後からは、義務ではないが、キンディーに通う。キンディーでは楽しい時間を過ごしつつ読み書きや算数の基礎が学べるような工夫が施されている。

また、インファント・スクール(InfantSchool)と呼ばれる学校もある。インファント・スクールは、キンディーからプライマリー・スクールのイヤー2までをカバーしており、このスクールが終わるとイヤー3から他のプライマリー・スクールに通うことになる。

プライマリー・スクール

プライマリー・スクールはイヤー1からイヤー6の6年間。プライマリー・スクールで学ぶ主要な教科は、英語(English)、算数(Mathematics)、理科と技術(ScienceandTechnology)、創造芸術(CreativeArts)、社会と環境(HumanSocietyanditsEnvironment、略称HSIE)、心身発育と保健体育(PersonalDevelopment,HealthandPhysicalEducation、略称PDHPE)の6つだ。各教科で学ぶ具体的な内容については、NSW州政府が運営するBOSTESのウェブサイトで確認できる(Web:www.boardofstudies.nsw.edu.au)。 なお、キンディーを含むプライマリー・スクールからハイ・スクール(イヤー1~12)までの一貫校もある。

ハイ・スクール

ハイ・スクールは、日本の中学校・高校に相当するイヤー7~12。イヤー10の修了時には義務教育修了証明書(RoSA)が交付されるが、そのためにはイヤー7から、英語(English)、数学(Mathematics)、科学(Science)、歴史(History)など10の科目を取らなければならない。加えて選択科目もあり、農業技術(AgriculturalTechnology)、商学(Commerce)などがある。

私立校ではもちろんのこと、公立校でも生徒のニーズや関心に合わせた学校があり、例えば、芸術系(Creative andPerforming Arts High School)、技術系(Technology High School)、スポーツ系(Sports High School)などが挙げられる。NSW Educationのウェブサイト内(Web: www.dec.nsw.gov.au)にある「School Finder」からこうした学校を探すことが可能だ。

またハイ・スクールの選択肢には、セレクティブ・スクールと呼ばれる公立の進学校もある。セレクティブ・スクールに入学するためには選考試験に合格することが必要となる(後述)。

プライマリー・スクールもハイ・スクールも公立校の場合、オーストラリア国籍や永住権の保持者は学費が無料。ビザのカテゴリーにもよるが、テンポラリー・ビザ保持者の場合、年間約5,200~6,200ドルかかる。一般的に、私立校は公立校よりも学費が高い。

NSW州と日本の教育制度比較

日本人学校と補習校

●日本人学校

日本国外に住む日本人の子どもを対象に、日本国内の小・中学校と同等の教育を行う全日制の学校。日本の文部科学省から義務教育課程と同等の教育を行う在外教育施設として認可されている学校でもある。

NSW州の教育・地域社会省の認可を受けた私立校として「シドニー日本人学校」がある。将来日本に帰国する予定がある人や、日本の学校と同レベルの日本語を維持したい場合などに、こうした日本人学校に通うという選択肢がある。シドニー日本人学校の特徴として、オーストラリアのカリキュラムで運営される「国際学級(キンディー~イヤー6)」を併設していることも挙げられ、日本人学級と国際学級との交流も行われている。

●日本語補習授業校

週末に開講している補習授業校(略称:補習校)では、日本の教科書やその他の教材を使用して日本語を教えている。日本語環境が少ないオーストラリアで日本語の維持・向上を図り、日本や日本文化の窓口としての重要な役割も果たしている。日本をバックグラウンドに持つ同世代の子どもと一緒に日本の伝統行事や生活習慣を楽しく学ぶ機会にもなる。

学校生活

●規模/授業時間/スクール・ホリデー

学校の規模は、1学年が4クラス以上の大規模な学校から、1~2クラスしかない小規模な学校までさまざまだ。1クラスは25人前後。授業時間は学校によって異なるが、おおむね朝9時~午後3時までとなっている。授業は40~60分単位で、授業時間単位はピリオド(Period)と呼ばれる。また、秋休み、春休み、夏休み、冬休みというスクール・ホリデーがある。

NSW州2018年のタームの日程
Term 区域 日程
ターム4 東部/西部 10月15日(月)~12月21日(金)
NSW州2019年の各タームの日程
Term 区域 日程
ターム1 東部 1月29日(火)~4月12日(金)
西部 2月5日(火)~4月12日(金)
ターム2 東部/西部 4月29日(月)~7月5日(金)
ターム3 東部/西部 7月22日(月)~9月27日(金)
ターム4 東部/西部 10月14日(月)~12月20日(金)
NSW州2018年のスクール・ホリデー
日程
春休み(東部/西部) 10月1日(月)~10月12日(金)
夏休み(東部) 12月24日(月)~2019年1月28日(金)
夏休み(西部) 12月24日(月)~2019年2月4日(月)
NSW州2019年のスクール・ホリデー
日程
秋休み(東部/西部) 4月15日(月)~4月26日(金)
冬休み(東部/西部) 7月8日(月)~7月19日(金)
春休み(東部/西部) 9月30日(月)~10月11日(金)
夏休み(東部) 12月23日(月)~2020年1月27日(月)
夏休み(西部) 12月23日(月)~2020年2月3日(月)

出展:NSW州教育省ウェブサイト(Web: education.nsw.gov.au/going-to-a-public-school/calendars

●制服

公立校には制服があるが、私立校には制服がない学校もある。制服には夏服と冬服があり、帽子、カバン、ズボン、スカートなどが含まれる。靴はひもが付いた黒がベースの物を薦めらていれるが、自分で靴ひもを結べない場合は、マジック・テープを使った物でも可。また体操着と運動靴も用意する必要がある。

制服はローカルの販売店で購入、あるいは販売所が学校内にある場合も多い。新品の販売だけでなく、多くの学校では寄付されたセカンド・ハンドの制服も販売される。カバンは、私立校では学校指定品を用意するのが基本だが、公立校はその限りではない。

●「No Hat, No Play Policy」

オーストラリアは1年を通じて紫外線量が多い。そのため紫外線対策の1つとして「ノー・ハット、ノー・プレイ」を基本方針とし、帽子を着用しない子どもは日陰のない場所での外遊びをさせないようになっている。帽子が制服の一部となっているのもこのためだ。太陽の光から目を守るためのサングラスの着用や、毎朝登校前に日焼け止めを塗ることも推奨されている。

●アセンブリー(Assembly)

各学校によって実施状況は異なるものの、プライマリー・スクールでは週に一度、ハイ・スクールでは2週に一度ぐらいの割合で集会が行われる。校長先生の話、教師からの伝達事項に続いて、勉強やスポーツで活躍した生徒への賞の授与、生徒たちによる歌やダンスなどのパフォーマンスなどが行われ、これを「アセンブリー」と呼ぶ。アセンブリーには、保護者が招待されることもある。

●アスレチック・カーニバル、スイミング・カーニバル

アスレチック・カーニバルは日本語で言う運動会、スイミング・カーニバルは水泳大会。しかし趣は日本とかなり異なる。公立校の場合を例に挙げると、アスレチック・カーニバルは平日に行われ、イベントというより運動能力を測定するようなイメージである。スイミング・カーニバルは、公共のプール施設で行われる。オーストラリアではほとんどの学校にプールがなく、水泳の授業は公共のプール施設で毎年2週間ほど行われる。

●保護者による送迎

初等教育では保護者が子どもの送迎をする。また、学校もしくは学校付近のコミュニティー・ホールなどで学校の就業時間外に有料で子どもを預かる、日本の「学童保育」のようなサービス(OutsideSchool Hours Care)もあり、前述の「MyChild」サイトで検索できる。

●スクール・カウンセラーの配備

多くの学校にはスクール・カウンセラーがいる。学校や家庭で問題を抱える生徒たちの相談に乗ったり援助を行う。

●成績表

成績表はスクール・レポートと呼ばれ、通常ターム2と4の終わりに保護者宛に送られる。同じころ、ほとんどの学校で、保護者と教師が子どもの学習状況について話し合う面接が夕方から夜にかけて開かれる。

学力評価、特別授業

オーストラリアでは、子どもたちの学年などに応じて、さまざまな目的を持った学力評価試験が定期的に行われている(試験の名称は州により異なる)。また、スキル・アップやフォロー・アップのための実習や補習も用意されている。

●Best Start Kindergarten Assessment

キンディーでは新入生に対して「BestStart Kindergarten Assessment」と呼ばれる能力評価が実施される。教師は子どもたちの初歩的な読み書き能力や他人とのコミュニケーション能力、数字や図形に対する認識力などを把握する。これは決して子どもの能力の優劣を測るためのものではなく、教師が子どもの指導をする上で個々に合った有効な計画を立てるためのものである。キンディー入学までに、読み書きや算数のスキルを身に着けておく必要はない。

●NAPLAN

「National Assessment Program–Literacy and Numeracy(NAPLAN/全国評価プログラム―読み書き能力と計算能力)」と呼ばれるテストが、公立校、私立校問わず、イヤー3、イヤー5、イヤー7、イヤー9の生徒を対象に毎年5月に実施される。これは主に教師が生徒の基礎学力を測り、授業の計画を立てたり、カリキュラムの見直しをするために行うものだ。

●Opportunity Class Placement Test

「Opportunity Class(OC)」とは、イヤー5及びイヤー6の学力が優秀な生徒を対象とした、知的欲求を満たす教育の場を提供するクラス。OCに入るための試験は「Opportunity Class PlacementTest」と呼ばれる。このテストに合格した場合、OCは必ずしも全ての公立小学校に設置されているわけではないため、自分が通う小学校になければ、設置されている学校に転校することになる。永住権または市民権保持者であることが受験資格となる。

●Selective High School Test

「Selective High School(通称:セレクティブ・スクール)」は、OCと同様に学力が優秀な生徒を対象に教育の場を提供する公立校である。進学志望者は、イヤー5の10月ごろ願書を入手し、11月半ばに提出。翌3月半ばにテストが行われ、7月に結果発表となる。OC同様、通っている私立校・公立校に関係なく受験できるが、永住権または市民権保持者であることが受験資格となる。

●Essential Secondary Science Assessment(ESSA)

イヤー8では、「Essential Secondary Science Assessment(ESSA)」という学力テストが毎年11月末に行われる。生徒が科学の知識をどれだけ理解し、応用できるかを評価するもの。

●Record of School Achievement(RoSA)

イヤー10を修了後、またはHSC前に学校を離れ就職などする生徒には、成績証明・義務教育修了証明書(Record ofSchool Achievement/RoSA)が授与される。

●Higher School Certificate Examination(HSC)

イヤー12卒業時に行われるNSW州の高等学校卒業認定試験(州により異なる名称で実施)。このHSCの結果に学校の成績や評価を加味して算出される「Australian Tertiary Admission Rank(略称ATAR)」と呼ばれる評価点によって、どこの大学に進学できるかが決まる。オーストラリアの大学は、実技試験が必要なものなどを除き、基本的に大学別の入学試験は実施していない。

●International Competitions and Assessments for Schools(ICAS)

希望者のみが 参加するテスト。世界20カ国以上の国で行われている国際教育到達度比較調査で、NSW州立大学(UNSW)が主催している。近年では、生徒全員の参加を奨励している学校も増えている。

●Work Studies/Work Experience/Work Placement

イヤー9またはイヤー10で行われる職場実習である。学校によってはイヤー11またはイヤー12で行う場合もある。興味関心がある職場や会社にアポイントメントを取ることから始め、通常1週間、授業に出席する代わりに職場に出勤し職場体験をする。

●English as a Second Language(ESL)

NSW州の公立校では、英語を母国語としない生徒のために、「ESL(English asa Second Language)」クラスを設けている。一般的に「取り出し授業」と呼ばれる形式で行われることが多い。クラスの規模や実施頻度は、該当する生徒の数や対応できる教師の数により学校ごとに異なる。

●International Baccalaureate(IB)

スイスのジュネーブに本部を置くIBO(International BaccalaureateOrganization/国際バカロレア機構)が提供しているプログラムで、この専用カリキュラムを履修し、最終試験を受けて一定レベル以上の成績を収めると、国際的に認められた大学入学資格(国際バカロレア資格)を取得することができる。これは、日本を含む世界の約1,800の大学が認める入学資格で、オックスフォード大学やハーバード大学など世界の名門大学でも利用が認められている。

IBは生徒の年齢に応じて、3~12歳までのプライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)、11~16歳までのミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)、そして16~19歳を対象としたディプロマ・プログラム(DP)があり、現在NSW州では16校がこのディプロマ・プログラムを提供している。日本では2017年時点で54大学がIBを受け入れている。

■国際バカロレア機構Web: www.ibo.org(英語)
■文部科学省/国際バカロレアWeb: www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/index.htm(日本語)


オーストラリアでの課外活動

初等教育におけるクラブ活動や中等教育以降の部活動、これらも教育・学校生活の一部だが、日本と比べオーストラリアではどのように行われているのだろうか。本紙コラム「AUS教育システムのしくみ」でおなじみのUniversal KIDSの内野尚子先生に解説してもらった。

まず、日本で言う「部活」に当てはまるものがオーストラリアにはないことを前提に、分かりやすくするためにあえて「クラブ」という表現を使い、お話しします。

小学校、ハイ・スクールとも、スポーツ系やアート、チェス、音楽系など日本の部活とは違いますが、どの学校にも授業以外のクラブや活動はあります。日本のように高学年から全員参加というわけではなく、参加したい生徒が参加するものです。また、学期ごとに申し込まなければならないクラブもあります。

大体どの学校にもあるのがブラス・バンドやオーケストラです。練習や活動は週1~2回朝の授業前やお昼休み、放課後にします。何日も残って5時~6時まで練習というクラブはほとんどないでしょう。

個人の練習は日本のように学校で先生に教わるのではなく、プロの先生に学校に来てもらって学校の時間内にレッスン、または学外でレッスンをしてもらいます。

みんなで勉強

上の高いレベルを目指す児童・生徒は、学校とは別に地域やプライベートのクラブに入って練習します。もちろん学校をあげて力を入れている活動もありますが、そういう場合は恐らく専門の先生やコーチがいる学校ではないかと思います。

ハイ・スクールでも小学校同様、日本のように学校の先生が放課後残って週に何度も練習するということはあまりありません。ただ、学校をあげて力を入れている所はその限りではありません。そういった学校は海外遠征や世界大会に出場したりしている所もあり、個人のスキルについては専門の先生から学んでいます。いずれも学校のウェブサイトで詳しく調べたり問い合わせるのが良いでしょう。

小学校もハイ・スクールもスポーツの試合は、土曜日に行われることもあり、スポーツ・センターや各地域にあるオーバルなどで行われます。必ずしも最寄りの場所で行われるとは限らないので、時には家から1時間以上も掛かるような場所に保護者が子どもを連れて行かなければならないこともあります。

学校見学 UTSのキャンパス・ツアーで大学の雰囲気を味わおう!

大学入学や編入に当たって、大切になってくるのが大学の雰囲気を知っておくことではないだろうか。これから学生になる人たちにその雰囲気をつかんでもらうために、多くの大学が実施しているイベントの1つに「キャンパス・ツアー」が挙げられる。今回は、シドニー・シティー中心部に位置し、新しい取り組みに挑戦し続けるUTSのキャンパス・ツアーについて紹介する。

(取材・文=高坂信也)

シドニーには幾つもの大学があるが、そのうちの1つ、シドニー・シティー中心部に複数のキャンパスを持ち、科学・テクノロジー分野で先端を走るのがシドニー工科大学(University of Technology Sydney/UTS)。その中にあって、留学生が多数在籍するのがUTSのパスウェイ・カレッジである「UTS Insearch」だ。今回は、キャンパス・ツアーを始めとした、これから大学生になる人たちのためにイベントなどを取り仕切るUTSInsearchの、日本を含むアジア・エリアを担当するヘレン・ファンさんにUTSのキャンパスを紹介してもらった。

ユニークな学部棟

独特のデザインで目を引くビジネス学部棟

独特のデザインで目を引くビジネス学部棟

キャンパス・ツアーは、同市ヘイマーケットにあるUTS Insearchのオフィスからスタートする。まずは、同大学近くの道路ダーリング・ドライブ上にある遊歩道、グッズ・ライン(TheGoodsLine)からアクセスするビジネス学部棟へ。ユニークな形から「ショッピング・バッグ」などとも呼ばれ、多くの人の目を引く建造物だが、これは慈善家であるチャウ・チャク・ウィング博士の寄付金を基に、建築家・フランク・ゲーリー氏によって2014年に建てられたものだ。同学部棟は見る角度によって外装が異なり、周りの住宅街などの景観を崩さないような造りとなっている。湾側はそれらが反射して見られるよう一面ガラス張りになっているなどの工夫が施されている。

膨大な量の書籍類

UTSメイン・キャンパス敷地内の中庭

UTSメイン・キャンパス敷地内の中庭

ビジネス学部棟を出ると、ハリス・ストリート及びジョージ・ストリートに面する大学敷地内へと移動。中央にある広場を通りながら来年新しく完成する図書館のエリアを抜け、建物の地下へと入っていく。20mもの深さがあるその地下スペースには、2年以上借りられていない本やUTSの蔵書が保管されており、その保管には書籍管理システム(LRS)を利用し、約1,200個のコンテナに約44万1,000冊が収納されているという。

学生は、地下に保管されている本やDVDなどを借りることができる。貸し出しの申請をすると図書館職員が2時間に1回の頻度でピック・アップし、図書館に届けられると学生に通知が行くという仕組みとなっている。また、地下内はAIセンサーによって温度湿度共に適温に保たれているという。

最先端の科学の世界

最大で220人を収容できる「Super Lab」

最大で220人を収容できる「Super Lab」

続いて訪れたのが理学部。同学部では、オーストラリア国内で唯一の「Super Lab」が備え付けられている。1,000万ドルの予算が投じられた同施設では、「より実践的な時間を少しでも設けることができるように最高で220人が授業を受けることができる」とヘレンさんは語る。また、「同時に12の講義を実施することもできるようになっており、それによって他学年や他コースの授業を見られるので、早い段階から自分の進路について考えやすくなる」という。

また、UTSには世界でも珍しい法医学部「CSIラボ」が設置されている。ある部屋では犯行現場が再現されており、キッチンやリビング、浴室などさまざまな所に模擬人体が置かれ、犯罪解決のための血液や指紋の検出方法を学ぶことができる。また、昨今のサイバー犯罪にも対応できるよう、サーバーを追跡するような授業もあるという。

興味のポイントを見つける

ダミーの死体から事件現場での対応を学べる

ダミーの死体から事件現場での対応を学べる

最後に、政府関係者も利用するという「ダーターアリーナ」で360度の3D映像を見ることができたり、シドニー・ハーバー・ブリッジのシステムを整備するための機械があるIT・エンジニアリング学部棟を見学させてもらい、キャンパス・ツアーは終了した。

「大学へ行く目的や、それぞれの学部の中のどこに興味を持ったのかを見つけて欲しい。利益ではなく、目的を見つけてもらうための場所を提供したい」とヘレンさんは言う。UTSInsearchのキャンパス・ツアーは主に高校生を対象としているが、一般の人の受け付けも行っているので興味がある人は、まず問い合わせてみてはどうだろうか。

UTS Insearch

■住所:Level 9, 187 Thomas St., Sydney NSW

■Web:www.insearch.edu.au


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