【教育特集2015】シドニー日本人学校の魅力に迫る 三浦昌道校長インタビュー

シドニー日本人学校の魅力に迫る 三浦昌道校長インタビュー

独自のカリキュラムで、世界各地で活躍できる子どもたちを育てる

世界に数ある日本人学校の中でも高い評価を得ているシドニー日本人学校。その最大の特徴は「日本人学級」「国際学級」を併設し2つの文化を横断しながら学校生活を過ごせる点だろう。実際に訪れてみると分かるが子どもたちが日本語、英語を巧みに使い分けながら過ごしている姿は印象的だ。有名進学校への合格率が高い日本人学級はもちろん、現地校と比較しても高いレベルの「国際学級」。双方で高い教育クオリティーを達成している同校の三浦昌道・新校長に話を聞いた。 (インタビュー・写真=編集部)

 

三浦昌道
愛知県名古屋市生まれ、名古屋市育ち。大学卒業後、名古屋市の小学校教員となる。途中、2年間、大学院で学んだ後、再び名古屋市の教員に。名古屋市立植田東小学校長を経てシドニー日本人学校長となる。妻と娘2人の4人家族。シドニーへは夫婦で渡豪。娘2人は名古屋の大学で勉学中。

 

——三浦校長は4月からシドニー日本人学校の新校長に就任されましたが、それ以前は名古屋にいらっしゃったと聞いています。
「名古屋で生まれ育ち、名古屋の教員として仕事をしてきました。名古屋市はシドニーと姉妹都市で、毎年絵画を送りあったり、名古屋の学校ではオーストラリア風の給食が出ることもありました。ですからシドニーへの赴任が決まった時は縁があるものだなと思いました」

 

——来豪から1カ月ほど見てこられていかがですか。
「子どもたちは本当に素敵ですね。高学年の子が低学年の子たちを世話している時に、とても温かい眼差しで見ています。当校では幼稚園~中学3年生の子が一緒に学んでいますが、中学生の子たちは小学生の子たちに対して、下校の際にはバス停できちんとみんなを確認した上で一緒にバスに乗って帰るなど面倒を見ています。朝一緒に来て一緒に帰るという生活を10年間一緒に行うことでつながりはどんどん深まっているようです。また、同学年同士の意見交換の際もお互いをしっかりと受け入れている印象を受けます。これは多文化を知っている強みでしょうね」

 

——互いに自立した関係性を作れているのですね。
「ええ。自分だけが強く出るわけではなく、一方で言われっぱなしにもならない。高学年の子も低学年の子に対して『言う通りにしろ』と強く出るような態度は取りませんし、年齢に関係なくそれぞれの個を尊重して接しているように感じます。学年を重ねるほど、国際人に近づいていると感じます」

 

——なるほど。シドニー日本人学校は世界的に見ても評価が高いと言われていますがどのようなところが強みなのでしょうか。
「子どもたちが国際社会に出て行くために、日本語、英語、ともに学べるということが好まれているのだと思います。学校にいる間、子どもたちは図書室、運動場でなどどこにいても英語と日本語を織り交ぜて話していますよ」

 

——日本人学級、国際学級と2つのカリキュラムがあるそうですが実際にどのように授業が行われているのですか。
「日本人学級は文部科学省から派遣された教員が日本と同等、またはそれ以上の教育を日本の学習指導要領にのっとって教えています。反対に国際学級はオーストラリアの学習要領にのっとって学習を進めています。日本人学級では、中学部中心にほとんどの生徒が第一志望の有名校に進学しており、全国一斉学力テストなどでも全国最優秀の県を上回る結果を残しています。また国際学級では全国学力調査であるNAPLANやよりレベルの高いICASといった学力テストでも、優秀な成績を修めています」

 

——数年内に帰国する駐在員の家庭の場合、帰国時に遅れを取らないよう日本人学級で学ぶケースが多いのでしょうか。
「それぞれの家庭がどういう風に学びを考えているかによって千差万別です。永住予定の家庭でも日本語をしっかり話せるようになってほしいということで日本人学級を選ぶ方は少なくありません。現地校に通っていた生徒が日本人学校に転入するケースもあり、同期間に学ぶ学習の量や深さ、ストレスの少なさなどで本校が見直されているのではと考えております」

 

——学級を途中で変えることは可能なのでしょうか。
「もちろん可能です。低学年は母国語を確立するために大事な時期なので、その時期は日本人学級で学んだ後、国際学級に移るという人が多いですね。どちらの学級でも体育、図工、音楽などは普段から合同で行っているので学級を移るのも違和感はないでしょう。また、毎日1時間、国際学級では日本語、日本人学級では英語のレッスンがそれぞれネイティブの先生によって行われます。英検も2級まで取得できますし、当地のハイスクールを対象にした日本語能力テストでは、国際学級の生徒が5歳以上も年長の現地生徒に混じり高い成績を修めています」

「将来は世界各地で仕事をしてほしい」

——日本人学校の国際学級といわゆるローカルの現地校の違いは、日本語環境があるかないかということだと思いますが、以前は現地校でも日本語を選択するケースが多かったと聞きます。今はどうなのでしょう。
「小学校で第2外国語まで教えている学校自体、多くありません。しかし、その中でも、私立小学校の第2言語としてはフランス語に次いで日本語が2番目と人気ですし、HSCにおいても選択言語2位の結果が出ています」

 

——日本語への適性とインターナショナルな環境の両立となると日本人学校という選択肢になりそうですね。
「言語は読み書きだけでなく友達との毎日の会話など実際に話す環境も大事です。そういった環境を与えられるのはやはり日本人学校だけだと思っています」

 

——駐在員の家族、永住者、生徒の国籍など現在の属性はどのような状況ですか。
「200人以上いる生徒の多くは日系のバックグラウンドを持っています。その中で日系駐在員の家庭と永住者の家庭の割合はちょうど半分ずつですね。またオーストラリアはもちろん、アメリカ、中国、マレーシア、ドイツ、UK、アイルランド、ニュージーランド、ブラジルなど外国籍の生徒もいます」

 

——外国籍の家庭の方が日本人学校に入るきっかけは何なのでしょう。
「以前日本に住んでいたことがあるという人、日本語を学びたいという人もいますが、学校の雰囲気、授業の中身などから判断して来られるという方もいらっしゃいます。最近は中国人の方で、日本の礼儀作法、教育方針を好んで入学される方も増えているようです」

 

——今後、子どもたちにはどのようなことを伝えていきたいとお考えですか。
「自分の気持ちを伝え、人の気持ちを受け入れる。それができる子になるために、まずはしっかりとあいさつのできる子になってほしいと思います。その上で互いが互いの命を思いやる。この2つを私は子どもたちに伝えていきたいと思います。そういう気持ちを持ち続けて、将来は世界各地で活躍してくれれば幸せだなと思います」

 

——最後になりますが、入学を検討されている親御さんに伝えたいことがあればお願いします。
「日本人学級、国際学級、それぞれ良い所があるのでまずはぜひ一度実際に見に来てほしいと思います。子どもたちの様子を見れば『ここに通わせたい!』と思っていただけるはずです」

 

——今後も期待しています。ありがとうございました。

(5月8日、日本人学校で)

シドニー日本人学校
112 Booralie Road, Terrey Hills NSW
Tel: 02-9450-1833
Email: registrar@sjs.nsw.edu.au
Web: www.sjis.nsw.edu.au

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