今を生きる

福島先生の教育指導

Teacher’s Advice

福島先生の教育指導


今を生きる


なぜか私は、幼少期から「死」について考えることが多かったようです。小学校の卒業アルバムの作文も、死についての考察でした。活発で、日暮れまで外で遊んでいるような子どもであったのにもかかわらず、その一方で、死について考えるような一面もあったのかと、自分でも不思議でした。今さらながら、その理由について考えてみると、近親者の死に触れる機会が少なからずあったということに加え、毎日のほとんどを自然の中で過ごしていたということが、大きく影響したのではないかと思われます。

自然界においては、どこを見ても何であっても、死に至らないものは1つもありません。森羅万象の一切が、死を繰り返しています。朝起きて、顔を洗って、朝食をいただいて、と日々の生活を変わりなく始めて1日を送り出していくうちには、皆自分が死にゆく運命であることをまるで忘れていますが、永遠に生きていくことは誰にもできません。

この世は「有」と「無」の世界であり、「有」とは、命のことです。「有」は、「有」である時には、それ以外の世界には意味がないように思われますが、実のところ、「有」は「無」から生まれてきます。そして、これこそが宇宙の原理です。時間も空間も結局は同じ。時間がなければ空間はあり得ませんし、空間がなければ時間もあり得ません。それか宇宙であって、無限であるということなのです。宇宙の行いというのはとてもうまくできていて、皆1つの生き物で、1つ1つに一生があって、その中にそれぞれの生き様があるわけですが、命そのものの尊さには寸分の違いもありません。生きるということは、、等しく「生かされている」ということなのです。

幼い子どもにとって、生きることは楽しいことです。それは、子どもたちが過去を生きていないからです。子どもたちは、次に何をしようかと変化を喜び、新しく学ぶことを喜びます。今を生き、未来を待ち遠しく思っているのです。ところが、大人になり、年を取り、体の自由が利かなくなってくると、悲しかったり、わびしかったり、苦しかったりという日々が増えていきます。私たちは、知らぬ間に、あの幼き日の喜びを忘れてしまうのです。今を生きること、未来を見ることを忘れて、過去ばかり見て生きるようになってしまうのです。

今を生きても過去を生きても、いずれは終える人生です。どのような困難の中にあっても、それでも、今をしっかり生きないと、もったいないと思います。今日を思う存分に生きて、明日への準備をしておくことです。幸いにも、宇宙は無限であり、この世は分からないことだらけです。私たちには、最期まで、無限に学ぶチャンスを与えられているのです。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。25年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である

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