優しくするだけで いいのです

福島先生の教育指導

Teacher’s Advice
福島先生の教育指導


優しくするだけで いいのです

何かと気に障り腹が立つ時は、どこかの具合が悪いものです。頭痛や腹痛があったり、女性であれば心身のバランスが崩れがちな時期だったりと、たまたま心身の状態が思わしくなかっただけということがほとんどです。または、ただ寝不足なだけかもしれません。そういった心身の不具合の上に不都合なことが重なった時、通常とは異なる判断や感情が生まれ、葛藤や喧嘩につながってしまいます。

仕事での失敗や人間関係のこじれなどの問題がよく見られますが、それより重大な問題は、自己評価が下がってしまうことです。人は物事を無意識に評価し、その評価に沿って行動を決めますが、「こんな些細なことに腹を立てるなんて情けない」「しなければいけないことをまたやらなかった。自分は本当にダメな人間だ」と自己評価が下がると、立ち直るまでに時間がかかりますし、自分へのいら立ちを他者に向け、精神的あるいは物理的に傷つけてしまうこともあります。

自己評価は、その時の気持ちの在り方によく左右されるので、良くも悪くも正しくないことが多いもの。それを知っておけば問題そのものが減り、ずっと楽に生きられます。昨今は、内外問わず評価が厳しく、生きにくい世の中になりました。増え続ける離婚の原因も、評価の厳しさにあるような気がしてなりません。

例えば、ある夫婦が子どもの教育のことで「お前がちゃんとしつけないからこんなことになるんだ」「あなたが甘やかすからでしょう」などと言い争う時、論点がより良い教育方針についてではなく、どちらが悪いかという話にすり替わっています。相手が間違っていて自分が正しいということでなければ、自己評価が下がってストレスを感じます。だから必死で勝とうとするのです。また日常の些細なやり方が自分の好まないものであるというだけで腹が立つのは、相手に対していらぬ評価を下しているからに過ぎません。

問題点を見出すことはより良い生活のために必要かもしれませんが、度を越すと自分や他者、物事にも厳しくなり、いつも心がざわざわして落ち着かない生活を送ることになります。何だか疲れたなあ、イライラするなあと思った時は、評価することをやめ、優しくすることだけを心掛けてみましょう。赤ちゃんに接するように、慈しみの気持ちを持ち、優しい言葉をかけるだけで、心はすっきりと浄化されます。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。26年間、教育に携わ り、教育カウンセリング・海外帰 国子女指導を主に手がける。1992 年に来豪。シドニーに私塾『福島 塾』を開き、社会に奉仕する創造 的な人間を育てることを使命とし て、幼児から大学生までの指導を 行う。2005年10月より拠点を日本 へ移し、日々活動の幅を広げてい く一方で、オーストラリア在住者 に対する情報提供やカウンセリン グ指導も継続中である

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