未知の自分に賭ける

福島先生の教育指導

福島先生の人生日々勉強
未知の自分に賭ける

頑張って努力しているのに、なかなか成果につながらないことがあります。進めば進むほど、ゴールが遠ざかっていく感覚。試行錯誤を繰り返しているうちに、自分はこれでいいのだろうか、このままで本当にいいのだろうか、とさえ思えてくる。そういうときは、自分が持っているおびただしい数の部品を磨いているところだと想像してみてください。毎日、こつこつとただひたすらに磨いている段階では、それはまるで評価されることもなく、無駄な作業にも思えます。近い将来の完成形が見えるなら、磨く意義もわかりますが、完成形も見えず、今磨いている部品が何の役割を果たすのかも分からない状態では、磨く意欲も萎えてきます。しかし、そのような状況にあってもなお、無心に磨き続けることができれば、ある日、突然ひとつにまとまって、素晴らしい完成形になるのです。

部品磨きは、ひたすら基礎練習を積んでいくということ。どんなにつらくても、とりあえずは取り組んでみる。この基礎練習が確かな技術を培っていくのです。一見、無駄に思える勉強や経験こそ、進んでたくさんやるべきです。ここでもし、「こんなことをやって何の意味があるのだろう」「時間の無駄ではないのか」などと疑ってかかったら、たちまち練習に身が入らなくなります。

基礎練習は大事だとわかっていても、つらいものです。しかし、これを虚心坦懐に続ければ、素晴らしい完成形を生み出せるのです。ところが、あとひとつ、部品を磨けば仕上がるというところで諦めてしまう人がなんと多いことか。努力すればするほど、才能に限界を感じ、自信が持てなくなってしまうということもあります。しかし、ここまで積み上げてきたものは確かに存在しているのですから、そういうときは、少しのんびり構えてみてください。ただし、歩き続けること。「芽が出ない自分」と名付けて基礎練習を怠ったり、安易に人まねをしたりしないことです。目先の結果を求めて小さくまとまることはありません。苦しいときの努力は、頑丈な礎石となり、ゆくゆくはその上に、自分だけの素晴らしい作品をつくることができるでしょう。

どんなに苦しくても、また、どんな窮地に陥ろうとも、歩くことだけはやめてはいけません。先が見えなくても、目標がつかめなくても、とにかく立ち止まってはいけません。逆境につぶされたら、また立ち上がって歩き出せばよいのです。この苦しさを乗り切れるかどうか、自分の未知の力に賭けてみる、という心意気が、素晴らしい結果につながるのです。困難を乗り越えて、強く、美しい人になりましょう。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。29年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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