身を任せる

福島先生の教育指導

福島先生の人生日々勉強
身を任せる

不幸や混乱は不意にやって来るもの。そういう時にじたばたすると深みにはまり、暗い闇の奥へと進んで行ってしまいます。では、自分が何をすれば良いか分からなくなったらどうしたら良いのでしょう。

それは、何もしないことです。必死になって解決しようとしないことです。不幸や混乱というのは多くの近因遠因によって生まれた状況です。自分や誰かのせいでこうなったと思っているかもしれませんが、そうではありません。悩んでも仕方のないことを悩んでも苦しいだけですし、やみくもにエネルギーを注いでも迷いは強まるばかりです。

初めは戸惑うかもしれませんが、何もしないでいれば、そのうちに自然とニュートラルに戻ります。起きていることを眺めるということは大切です。自分と問題とをひとくくりにせず、ただ受け入れて見定めるのです。しかし、自分の役割はここまで。今のこの不幸や混乱に対しては答えが出ないと知ることです。現実は自分が作っているのだから自分を変えれば何とかなるという考えに囚われるのはやめましょう。森羅万象すべては無常であって自分の思い通りにはなりません。心も体も、弱っている時には回復することに専念したほうが良いに決まっています。弱体に鞭打って頑張るから倒れてしまうのです。諦めて潔く休んだほうが結局は気力が出ますし、周囲の状況も人との出会いも変わります。自信を持って諦めてください。

「諦める」というと聞こえが悪いかもしれません。しかし、上手に諦めることができるというのは大変得難い能力です。たとえば、「なりたい自分」に固執しないこと。人間には本来、より良いものを作り出そうとする性質が備わっています。人間にとって、創造することは喜びです。よって、どんどん新しいものを生み出していけば良いのですが、それは決して義務ではありません。完璧にしようとしないこと。

「なりたい自分」を作った瞬間から同時に「なれない自分」がスタートします。なりたい自分になることが義務化してしまうと、毎日が苦しいですし、「なりたい自分」は常に上を目指しますからゴールがありません。いつまで経っても満足は得られず、また、実績を失いたくないという思いも生まれてきます。しかし、それはもはや「創造」とは離れたところにある、ただの自己主張です。

こうありたいという思いが義務化すると人間関係もぎくしゃくします。たとえば、パートナーにこうあってもらいたいのにそうでないから喧嘩になるというようなことは、諦めるのが上手くないから起きるのです。諦める力は、人間力。いつもそこから新しく始めることができるという強さです。


教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。29年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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