第2回 「アート・メルボルン08」の巻

メルボルンの街に息づくアートたち アートの時間ですよ !
第2回 「アート・メルボルン08」の巻
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多くの来場者で賑わったアート・メルボルン

文:たかぎ まさひこ
 アート・メルボルンは、以前はアフォーダブル・アート・ショー(affordable art show)とも呼ばれていた展示会で、言葉通り購入しやすい作品が出展される。ゆえに何よりも販売が目的なのだが、この不景気に加え今夏の大火事、さらに開催時期がスクール・ホリデーの最中で旅行中の人も多く、悪条件が整いすぎていた。この時期にいったいアートなんて売れるのかという疑問が誰にでもあっただろう。もちろん私自身、そのアートの世界で仕事をしているわけで誰よりも不安だった(苦笑)。


 しかし、ふたを開けてみると、売り上げ自体は最悪とは言えず、初めて参加した2004年とさほど変わらない結果に胸をなでおろした。もちろん過去最高の売り上げを記録した去年とは全く違ったが、いろいろな状況を考えるとまずまずだ。やはり、メルボルンはオーストラリアのアートの中心的な街であり、アートを愛する人たちが多く住む都市である。
 とはいえ、2月にシドニーで開催した日本人ゲイ・アーティストの展覧会では50点以上が2週間で完売。メルボルンに負けず劣らずのシドニーを見ると、オーストラリアのアートの世界も捨てたものじゃない。
 アート・メルボルンへの参加ギャラリーは、半分以上が新しくなっていた。数多く売れていたギャラリーは、平均300~500ドルの作品を扱っていたり、1,000ドル以上ではあるが価格の割にサイズが大きいものを扱っていたりと、経済に見合った作品の市場価格を提示していた。何よりも景気に影響されやすいアートではあるが、だからといって売れないわけではない。
 10月にはアート・シドニーが控えているが、あるギャラリーのオーナー曰く、ここ数年はギャラリー関係者は耐え忍ぶ年だそうだ。アートの世界にも氷河期到来であるのは間違いないが、だからこそ、ギャラリー関係者だけではなく、アート・ファンおよびコレクター、そしてアーティストがそれぞれ支え合い、活性化させていかなくてはいけない。
■Art Melbourne 09
Web: www.artmelbourne09.com.au/am09/
■Art Sydney 09
Web: www.artsydney09.com.au/as09/


たかぎまさひこ プロフィル
メルボルンを拠点にアート・マネジメントを手がける、マユミ・インターナショナル社のオペレーション・マネジャー。1995年より美術系出版社営業・編集、画商などとして芸術分野で活動している。

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