番外編 「写真家/ルーク・ハディー(Luke Hardy)」の巻

メルボルンの街に息づくアートたち アートの時間ですよ !
番外編 「写真家/ルーク・ハディー(Luke Hardy)」の巻
Yuki Onna V [2009] by Luke HardyYuki Onna V [2009] by Luke Hardy

文:たかぎ まさひこ
 今回ご紹介するのはシドニー在住の写真家で私の友人でもあるルーク・ハディーである。私事だが、先日から日本の某雑誌でオーストラリアの生活やアートなどについての連載を始めたこともあり、彼に改めてインタビューをさせてもらったところ、日本の雑誌だけに紹介するのはもったいないと思い立ち、日本より一足先に紹介しようということに相成った。

 親日家である彼の自宅には日本式の風呂がある。夜、風呂の窓から見える庭園を眺めていると彼の家がシドニーの街中にあることを忘れるくらい風情があり、日本にいるのではとふと錯覚するほどだ。しかも、家の中で鯉を飼っている。それもなかなか趣があり、日本人である私は彼の自宅に行くと、かなりの居心地の良さを感じる(苦笑)。 
 そんな彼は、過去に日本猿な日本男子など日本をテーマにした作品を多数発表している。変な言い方かもしれないが、「もしかして今時の日本人写真家よりも繊細で情緒のある日本人的写真を撮る写真家なのでは」と感じさせる作品群だ。近作は何と「雪女」というテーマで、とても興味深い。ちなみに雪女といえば小泉八雲の怪談が有名だが、妖艶で何とも言えない神秘さを兼ね備えた伝説の存在を、まさに写真芸術という枠の中で見事に表現しきっている。
 この作品群は、6月から7月にかけてシドニーのMEYERギャラリーで開催された、彼の個展で発表された。彼によると、この展覧会は今までで最高の成功を収めたという。オープニング・パーティーには、オーストラリアのデザイナーである五十川明さんも特別ゲストとして駆けつけたそうだ。帰国中だった私は個展に足を運べなかったが、事前に彼の自宅で見せてもらった作品は息を飲むほど美しく、緊張感を感じる素晴らしいものだった。
 今後は、どのような作品を発表するのか ? 友人という枠を超え、芸術家として目の離せない存在である写真家ルーク・ハディー。日本のオーストラリア大使館での展示の話などもあり、今後ますますの活躍が期待できる。日本人ではないけれど、日本の美を世界にアピールできる稀な存在の芸術家であり、数少ないオーストラリア人であることは間違いない。
Web: www.lukehardy.com


たかぎまさひこ プロフィル
メルボルンを拠点にアート・マネジメントを手がける、マユミ・インターナショナル社のオペレーション・マネジャー。1995年より美術系出版社営業・編集、画商などとして芸術分野で活動している。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る