「Ross Watson」の巻

Yアートの時間ですよ
Untitled #19-09 (after Carravaggio, 1604)
メルボルンの街に息づくアートたち 
アートの時間ですよ !
「Ross Watson」の巻

文:たかぎ まさひこ

 今回はメルボルンのアーティスト、ロス・ワトソンをご紹介する。先日行われたミッドサマに合わせて開催された展覧会は、カールトン・ノースにある彼のギャラリーで開かれた。その後すぐにシドニーでも、2月に行われるマルディ・グラに合わせて展覧会を開催する(ちょうどこのコラムが掲載されるころには残念ながら終了していると思うが…)。

 ミッドサマやマルディ・グラなどのゲイ関係のイベントに公式参加している点からもお分かりいただけるように、彼自身もゲイであり、ゲイをターゲットにしていることは明らか。しかし、彼にインタビューしたところ「ゲイとしてスタート地点にいたわけではない」とのこと。自分自身が描く中で必然的に主題が男性像になり、そして表現していく中で今のスタイルが確立されていったようだ。彼の描く世界観には何か意図するものがあるのか ? との問いには、意図的にはあいまいなものなのだそうだ。作品に描かれたものは、完成した後は自分の手を離れている。あくまでもそれを観る人に、それぞれの感覚で受け止めて解釈してほしいとのこと。なかなか、自分自身の作品に自信があるからこその発言だと思う。
 現在、彼の作品のコレクターにはイギリスの大スターでもあるエルトン・ジョン卿やオーストラリアのゲイとしても有名なラグビー選手のイアン・ロバーツなどがいる。そのほかにも著名な収集家のコレクションに入っており、オーストラリア国立美術館、ビクトリア州立美術館にも収蔵されている。ゲイ・アーティストという枠を超えて、1人のアーティストとして成功を手にしていると言っても過言ではない。
 近年の作品は、北京オリンピックのメダリスト、マシュー・ミッチャムやシザー・シスターズのボーカリスト、ジェイク・シアーズなどがいる。話題にも事欠かないので、いつも多くの雑誌などで取り上げられている。昨年はドイツでの個展なども開催され、国内からさらに国外へとステージを広げている。ますます目が離せないアーティストの1人ではないだろうか。
Ross Watson HP
Web: www.rosswatson.com
面白いアーティストがいたらぜひご紹介ください。
Email: masahiko@mayumiinternational.com


たかぎまさひこ プロフィル
メルボルンを拠点にアート・マネジメントを手がける、マユミ・インターナショナル社のオペレーション・マネジャー。1995年より美術系出版社営業・編集、画商などとして芸術分野で活動している。

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