第1回「KAZARI」の巻

アートの時間ですよ!

「日本×アート」をテーマにメルボルン街歩き
アートの時間ですよ !
第1回「KAZARI」の巻

文:たかぎ まさひこ
 メルボルンはオーストラリア随一の文化都市。そして「アートの中心地」でもある。ビクトリア国立ギャラリー(NGV)では世界的規模の美術展が、ロイヤル・エキシビション・センターでは国内外のギャラリーが一堂に会する大規模なアート・イベントが常に開催されている。また、視点を市民レベルに移してみると、市内・近郊の至るところにギャラリーが存在し、人口に対するその数はほかの都市と比較してもかなり多いはずだ。


(写真)ジョーさんは誰よりも早く、日本文化に注目してきた


 メルボルンの人々にとって、アートとは「高尚な芸術作品」ではなく、地元のギャラリーや、アート・フェア、マーケットなどで、身近に触れられるもの。このコラムでは、そんな街の中、暮らしの中に息づくアートについて、中でも日本に関連、あるいは日本人の興味を惹くものを中心に紹介しようと思う。
 今回紹介するのは、日本人や中国人アーティストの作品を中心に扱うギャラリー「KAZARI Collector」ほか、市内に全3軒の店を持つ「KAZARI」。オーナー兼ディレクターのジョー・メインドナルドさんは、近年の日本ブームの火付け役となったとされる人物だ。まだ日本食レストランが市内に1~2店ほどしかなかった約30年前、ジョーさんは日本家具、雑貨、日本のデザイナーズ・ブランドの服などを扱う店「MADE IN JAPAN」を立ち上げた。当時としてはかなり斬新な店で、その後チェーン展開し他都市にも事業を拡大、成功を収めた。ジョーさん自身は、一通りの成功を収めた80年代後半にビジネスを手放したが、この店が日本文化をメルボルンに紹介する足がかりとなったことは間違いない。
 その後、彼女は新たなステップとして、日本・中国の骨董品や東洋的な要素を持ったアーティストの発掘に情熱を傾け、より芸術的なアンティーク家具中心の店「KAZARI Decorator」、続いて美術作品中心の「KAZARI Collector」の開店へとつなげていった。「KAZARI」にはさらにもう1軒、日本の着物や和布地、雑貨を扱う「Warehouse + ZIGUZAGU」がある。
 日本のものを扱う店では、一般的に日本人が経営に携わっていないと違和感を持ってしまうものだが、この「KAZARI」は例外だ。その質の高さ、目の確かさでオーストラリアにおける日本文化発信の拠点となりつつあると言える。
KAZARI Collector
■住所:450 Malvern Rd., Prahran
■Tel : (03)9510-2528
■Email : info@kazari.com.au
■Web : www.kazari.com.au
たかぎまさひこ プロフィル
 メルボルンを拠点にアート・マネジメントを手がける、マユミ・インターナショナル社のオペレーション・マネジャー。1995年より美術系出版社営業・編集、画商など芸術分野で活動。現在はアート・マネジメントのほか、美術系出版物の編集・監修、評論、芸術に関わる著名人へのインタビューやDVDの解説文執筆なども行う。

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