BBKダイエット「ダイエット生活完全崩壊、敵は1ミリのあいつ」編

 BBKのガチンコ・体当たりダイエット企画

第11回
「ダイエット生活完全崩壊、敵は1ミリのあいつ」編


※毎朝起床時、ベッドから出てすぐに計測。グラフの数字は週頭の月曜日のもの

開始からそろそろ1年というこのタイミングでついにダイエット生活が破たんしてしまった。結果的には前回のリポートから体重1.25キロ増、体脂肪率1.1%増だが一時期は最大2.2キロ、最大1.8%増までいった。このような結果のため今回は直接的な有益情報が少ない回になってしまい心苦しいが、思わぬ落とし穴でダイエット生活が崩壊したいちエピソードとして読んでいただければ幸いだ。

黒い粒と白い粉

「なんか家のテーブルの上が黒い粒でざらざらしてるんだよね」

3月下旬日本出張中、携帯電話に妻からこのようなメッセージとともに画像が送られて来た。

「なにこれ、土?」
「分からない」
「とりあえず掃除しなよ」

出張中で多忙だったこともあり、多少気になりながらもやり取りはこれだけで終了した。帰国10日前というタイミングだったが、この時に真実に気付いて対策を指示できていればひどい目に合うこともなく、今ごろは目標体重に迫っていたかもしれない。そう考えると悔やまれる。

4月7日早朝、シドニー空港着。その日は休みを取っていたため空港から直接自宅へ帰ったが、帰るや否や家の異変に気付いた。本棚、衣装棚、ベッド、ソファーと家中いたるところに土のような粒、加えて白いざらざらした粉のようなものが点在していたのである。職場に出勤している妻に電話をかける。

「家の中がすごく汚いんだけどちゃんと掃除してた?」

元来きれい好きな僕は多少怒り口調で聞く。「やってたよ!」と妻は心外だという口調で答える。なるほど。だとするとこれはいったいなんだ?その日はひたすら掃除機がけと拭き掃除に時間を費やす。だが迎えた翌朝、またしてもその黒い土と白い粉がいたるところに出現していたのである。

調べた結果判明したのがこれはノミの仕業らしいということ。黒い粒はノミの糞、白い粉はノミの卵だった。わが家に2匹いる猫たちに何らかの経緯でノミが付いてしまい(一般的に家猫にノミはつかないが今回は心当たりがある)、彼らが移動するたびに卵が巻き散らされ結果家中にノミが大量発生してしまったというわけだ。これまで約30年間猫と共に暮らしながらノミ経験ゼロの僕はこの時まだノミの恐ろしさを知らなかった。ノミが人を噛むことも知らず、更に性質(たち)の悪いことに数日間は症状があまり出ないため、僕は帰国後の数日間、家の中で足をむき出しで過ごしてしまった。これが運の尽きだった。

もぐらならぬ、イクラ叩き

ノミ騒動とは別問題として実は帰国時から体調を崩しておりその後約10日間異変が続いた。その間は体調の回復を最優先にダイエットは棚上げとしていたが体調が徐々に戻り、そろそろジムに行かねばと思っていたころ、次なる不幸に見舞われた。膝下を中心にノミの食い跡が次々出現し(ノミは地面から数十センチの高さまで飛び上がりその範囲内の皮膚を何度も噛む)、それが日を追うごとに大きくなりついに巨大なイクラのような水ぶくれ(以下イクラ)になったのである。もともと肌が敏感であることに加え免疫力が低下していたのもあるのだろう。その症状は一般的なそれよりもはるかにひどいものとなった。脚に現れたイクラの数は両脚合わせて最終的にはおよそ250を数えた。

寝る時は足元はもちろん、上半身、手、首、頭などあらゆる皮膚をガードした。幸いにも顔は1カ所噛まれただけで済んだ
寝る時は足元はもちろん、上半身、手、首、頭などあらゆる皮膚をガードした。幸いにも顔は1カ所噛まれただけで済んだ

下半身を完全防護するようになると今度はほかの箇所を狙われた。睡眠中であろう、最終的に腕、首、胸、腰回り、頭と全部で100カ所ほど噛まれてしまった。全身に現れた総計350のイクラ群は見た目のグロテスクさもさることながらその痒さたるや、筆舌に尽くしがたいレベル。肌は常に何かがうごめいているような感覚で落ち着かず、ひどい時には新しいイクラが数分ごとに出現した。潰さないほうがいいというアドバイスになど従えるわけがない。何もかもがどうでもよくなるほどの痒さに精神が崩壊しそうだった。

僕は次々と出現し続けるイクラを仕事中でも歩行中でもズボン越しにビニールのプチプチを押す要領でつぶし続けた(びしょびしょになるため足全体に包帯を巻いていた)。まるでイクラ版もぐら叩きだ。そんな状況を続けるうち、僕は正直ダイエットなんてどうでもいいという精神状態に追い込まれた。カップ麺、スナック菓子、もともと食べないようなものにまでどんどん手が伸び暴飲暴食をするようになった。またジムにも行かなくなった。僕の生活はすさんだ。

ぶつぶつが人目につかぬよう手足にサポーターを付けるなどして温泉に入ったりした(写真は再現)
ぶつぶつが人目につかぬよう手足にサポーターを付けるなどして温泉に入ったりした(写真は再現)
できた運動は動きを伴わない静的な筋力トレーニングのみとなってしまった
できた運動は動きを伴わない静的な筋力トレーニングのみとなってしまった
海水が効くと聞き、夜中に足を塩水につけに行ったりもした。そこでもコンディショニング・トレーニングを行った
海水が効くと聞き、夜中に足を塩水につけに行ったりもした。そこでもコンディショニング・トレーニングを行った

ダイエットは健康な状態あってこそ

5月上旬、傷と化したイクラの跡は熱を持ちはじめ、足全体がパンパンに腫れ痛みを伴うようになった。ただ、たまたまこの時期休暇でメルボルンに行くことになっていたのが功を奏した。虫刺されに温泉成分が効くという情報を得てこれ幸いと温泉で有名なモーニントン・ペニンシュラ・ホットスプリングスを訪れることにしたのだ。皮膚が人から見えないようにサポーターを付けるなど不便もあったがゆっくりと温泉につかったことが肉体的にも精神的にも良い影響を及ぼした。人間つらい時は休息せねばとしみじみ嘆息した。

休暇を経て少し状態がよくなったことでダイエット生活再開に向けてのモチベーションも少しずつ戻ってきた。ジムにも何とか行かねばと足を隠すためのスポーツ用のタイツを購入し通い始めた。イクラの跡はまだグロテスクではあるがかゆみは強めの蚊ぐらいまで収まっており、精神状態もだいぶ回復した。

今回の教訓として言えることはダイエットも心身ともに健康な状態でなければできないということ。まさに「健康第一」を痛感したこの1カ月半であった。痒みよ、早く収まれ。

P.S. ノミは1カ月半かけてほぼすべて撲滅できたことを念のため報告しておく。

ぽっちゃり王子 今月のつぶやき

 今回のリポートはただノミに苦しんだだけの話になってしまい恐縮しきりだが、この際なのでノミ尽くしで。ノミ事件で強いられていた犠牲の1つにファッションがある。イクラのメンテのため日に何度もズボンを脱ぎ履きすることに加え、足がパンパンに腫れ、さらに包帯でぐるぐる巻きにしていたので細身のパンツを履けなくなった。またノミの噛み跡の痛みで硬めの革靴が履けず、やむなく妻が「おじいちゃん靴」と呼ぶ柔らかく高さのないダサイ革靴で通勤することに。しょぼいビジネス・ファッションでいろいろな方とお会いするのが地味に嫌だった。そしてもう1点気になっているのがこの1か月半の光熱費。いくら体をガードしても服にノミが付いていたら意味がないので、僕は毎日欠かさずすべての服を洗濯機で洗い(ノミは水に弱い)、その後乾燥機でドライしていた(高熱でノミを撲滅する目的もあった)。請求書を見るのが恐ろしい。そしてノミとは関係ないが、今月半ばこれまで何度か登場してきた僕の相棒のウェアラブル・デバイスがいきなり壊れてしまった。泣きっ面に蜂とはまさにこのこと。やれやれ。


<プロフィル>
BBK/30代後半♂。身長177cm。趣味ダイエット、特技リバウンドを公言し、20歳ごろから激しい体重の増減を繰り返すも2011年の来豪後は増える一方、気づけば20キロ増。日本から持ってきたサーフィン用のフルスーツも膝までしか入らなくなりいよいよダイエットを決意。スキー、バスケ、サーフィンと体型に似合わずスポーツ好きな俊敏系ぽっちゃり。妻からはぽっちゃり王子と呼ばれている。また、飼い猫のトビー、アビーに次いでチャビー(Chubby)と呼ばれることも。日豪プレス編集長

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