【新連載】Editor’s Pick(エディターズ・ピック)「和食器」

優れた日用品からため息の出るようなとっておきの贅沢品まで、スタッフの気になるアイテムを独自の目線でピック・アップしてお届け。日本とオーストラリアを中心に、しかし時にはそのほか世界各国のブランドから、ざっくばらんに紹介する。本当に良いものを愛用して、日々の暮らしを今よりもっと、心豊かに。大人の毎日を完成させよう。(編集・構成=編集部・荒川佳子 写真=馬場一哉)

外国に暮らしているとつい、日本食が恋しくなる。日本で当たり前のように食していたそれは、気づかないうちにどんどんと郷土愛をそそる偉大な力を持ち始め、ついには実に甘美な存在となった。ならばこれを食す時には、それなりの敬意を払うべき。器1つにだって気を使うのが、そんな状況下にある日本人としての礼儀ではないだろうか。

そこで今回紹介するのが、普段の食事を特別なものへと昇華させてくれる上品な和食器だ。染付けの陶磁器やガラス、漆器も捨てがたいが、ここで取り上げるのは木製の品で、北海道在住の作家、瀬戸晋作の小皿とお椀。なめらかな木肌は、見ているだけでもほっと和むが、実際に触れてみると長い年月をかけて陽を浴び風に吹かれた質感を肌で感じることができる。北欧製品によく見るような白木のものとも違う、深みのある味わいをたたえる材質は、ブラック・ウォールナットならでは。ノミの削り跡が絶妙で、そこにうっすらと浮かび上がる優しい木目が、何とも美しい。表面は拭き漆で仕上げてあり、使い込むにつれて自然な艶を纏うので、愛着も増してくる。小ぶりで控えめのシルエットは、薬味などを入れて使っても良いし、少々型破りではあるが、アクセサリー・トレーなどとして活躍させても良い。

これらは編集部スタッフが今年、銀座の並木通りにあるエポカ・ザ・ショップ運営の器のセレクトショップ「日々」で購入。同店で取り扱う商品は点数の限られたものが多いため、まったく同じものに出合える保証はないが、土壁が落ち着く数寄屋造りの店内には、このほかにも加藤委や光籐佐など時代を牽引する作家たちの名作が並ぶので、上質な器が食卓の格を作るという和の心を学びに、日本へ帰国の際には銀ブラついでに訪れてみてはいかがだろうか。月に数回、企画展も開催されているのでお薦めだ。


<店舗情報>
エポカ・ザ・ショップ銀座 日々 ■〒104-0061東京都中央区銀座5-5-13 B1 ■Tel:+81-3-3573-3417 ■Web: www.epoca-the-shop.com/nichinichi ■無休12PM〜7PM(作品展前日〜4PM、作品展最終日〜5PM)

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