【新連載】和やか園芸レッスン「ガーデニング・ライフを始めよう!」

和やか園芸レッスン

毎日の暮らしを潤してくれる花や緑の草木。自宅の庭やバルコニーで植物を育ててみたい人も多いのでは。そこで、日本とは気候や植生の異なるオーストラリアでも上手に植物を育てるために、まずは、必要な園芸用品や土、植木鉢などの基本を詳しく解説。また次回からは連載として、毎回違った季節の草花とその育て方も紹介する。この春、優雅なガーデニング・ライフを始めよう!取材協力=イナ・スミス(フラワー・パワー・エンフィールド店)

新連載

どこで何を手に入れる?

オーストラリア国内であれば至る所に店舗がある、ホーム・センターのバニングス(Bunnings)やマスターズ(Masters)、またはNSW州内に10店舗を構える園芸専門店のフラワー・パワー(Flower Power)などで必要な園芸用品は全てそろえることができる。スーパー・マーケットのウールワース(Woolworths)などでも簡単な園芸用品を販売している他、個人経営店も郊外には多くある。最近では、オンラインで道具や苗を購入する人も多くなってきているようだ。

さて、草花を育てるためには準備が不可欠。今回はフラワー・パワー・エンフィールド店に勤めるイナ・スミスさんに、初心者のための必需品を伺った。必要となる園芸用品は以下の通り。

● 道具(ホースまたはジョウロ、シャベル、園芸ばさみ、手袋)
● 植木鉢(プランター)、鉢底石
● 土と肥料

道具は目で見て、手に取ろう

園芸を始めるに当たって必要となるのは、水やりのホース(またはジョウロ)、シャベル、園芸ばさみと手袋だ。「園芸用品は店頭で自分の目で確かめて、できるだけ手になじむ道具を見つけて」とイナさんは話す。特にシャベルは重すぎたり、丈夫でない物を購入してしまうと手首や腕に負担が掛かってしまう。またシャベルを足にかけて深く穴を掘る作業がある場合は、幅の広い物を選ばなくてはならないのでしっかりと吟味しよう。

長く愛用できる園芸用品を吟味しよう
長く愛用できる園芸用品を吟味しよう

夏場、毎日のように行う水やりには、巻き取り式のホースやジョウロがあると大変便利。選ぶ基準はホースをスムーズに巻き取ることができるハンドル付きの物や、ヘッド部分の取り外しが可能な物、またストレートやシャワーなど噴射タイプが切り替えられる物だと、庭の広さや草花の種類に応じて水量や噴射タイプなどを調整でき重宝する。

はさみは、キッチンばさみを園芸用として代用する人もいるが、歯が折れたり、植物を傷つける原因にもなり得るので、園芸ばさみの使用が望ましい。サビに強く、グリップ部分がゴム素材などで、手が濡れていても滑りにくいものが安全だ。園芸用品店では、安いものだと10ドル前後で購入することができる。

植木鉢(プランター)、鉢底石の機能

草花の“家”となる植木鉢やプランター。選ぶ時にデザインや素材で悩むこともあるだろう。プラスチック製の鉢か素焼き鉢か、または化粧鉢(表面に光沢がありさまざまな色・形にデザインされたもの)か木製の鉢かなど、デザインだけで決めるのではなく、それぞれの素材の機能性にも注目して欲しい。素材ごとの特徴は以下の通り。

鉢の種類 価格 重さ 通気性 特徴
プラスチック製の鉢 $5~ 軽い 悪い 根腐れを防ぐ水やりと置き場所が肝心
素焼き鉢 $18~ 重い 良い 通気性が良く根には快適だが、乾燥しやすい
化粧鉢 $24~ 重い 悪い おしゃれだが、水はけが悪い傾向がある
木製の鉢 $30~ 重い 良い 置き場所によっては、木が腐る可能性がある

注:価格はバニングスのウェブサイトから、直径28~37センチの植木鉢価格を参照(8月25日時点)

鉢底石は形もサイズもさまざまある
鉢底石は形もサイズもさまざまある

鉢はデザインだけでなく機能性も重視したい

鉢はデザインだけでなく機能性も重視したい

多くの人はまずは試しにプラスチック製の鉢を購入して、園芸を始めてみるそう。その際は、上記で触れたプラスチックの特徴を十分に考慮して、根腐れしないような水やりを心がけよう。また、直射日光の下で素材が劣化してしまわないよう、購入前に自宅のバルコニーや庭を眺めて日差しの強くないポイントを見つけておくのも良い。

また、植木鉢のサイズは苗が成長することを予想して、購入する苗のポットよりひと回り大きな物がベストだそう。大きく育てたいからといって、大き過ぎる鉢に苗を植えてしまうと、苗が健康に成長しない原因にもなるので注意が必要だ。

実際に植え付け作業を始めた時に、植木鉢の一番下に敷き詰める鉢底石は、土の水はけを良くすると共に、鉢底の穴から土が抜け落ちるのを防ぐ働きをする。どれを買おうか迷ったら、鉢底にある穴のサイズを確認して、抜け落ちてしまわない大きさの石を選択しよう。

成長の“要”である土・肥料

今回紹介したホーム・センターなどでは、観葉植物用や花用、樹木用などさまざまな土(培養土)が開封してすぐに使えるパック状態で販売されている。これらの商品のパッケージには、どの植物に使用できるのかがひと目で分かる写真や、特徴などが説明されているので、購入する際には参考にしよう。

また、植物の健やかな成長に欠かせないのが肥料。人間が成長したり、健康を維持するのに栄養が必要なように、草花にとってもそれは同じ。特に大きく成長する時期、花を咲かせる時期、実を付ける時期には多くのエネルギーを消費するため、十分な栄養が必要となる。自然界では動物の排泄物や死骸、落ち葉などが腐って養分となり植物が育つが、きれいに掃除された環境では人間が肥料を与えることでそれを補うことが大切だ。

種類豊富な土は、開けてそのまま使用できる
種類豊富な土は、開けてそのまま使用できる

固形の肥料は頻繁に与える必要がなく簡単

固形の肥料は頻繁に与える必要がなく簡単

その他にも、まざまな品種を掛け合わせて作られたり、実が大きく味良く育つように改良が繰り返された品種は、原種よりもデリケートで、育ちにくいこともあるそう。そのため植え付けの時(元肥)と、それ以降(追肥)に定期的に肥料与えることが重要となる。

店頭でよく見かける肥料には固形タイプ(Controlled Release Fertilizer)と、液体タイプ(Quick-acting Fertiliser)がある。液体タイプは水に混ぜて与えると、草花がすぐに根から栄養を吸収し速効性があるのに対し、固形のものは長期間にわたって栄養を少しずつ根に与え続けるという違いがある。

与え方の特徴として、液体タイプの肥料は持続性がないため、週に1回など回数を多く与えなくてはならない。一方、固形タイプの肥料は1回肥料を与えると4カ月または半年後などに再度与えれば良く、液体タイプと比べて手間が少ないと言える。どの肥料を購入した場合も製品によって使用頻度が異なるので、購入した製品の表示をよく確認しよう。

植え付け作業は半日以上直射日光の射す、日当りの良い屋外で行うのが理想的。土を触る時は、爪の間に土が入って真っ黒になってしまわないよう、園芸用手袋を使用するのがお勧めだ。

1

土を入れたら、手で軽く押すようにして空気を抜く

土を入れたら、手で軽く押すようにして空気を抜く
2

ポットを逆さまにして苗を取り出す。始めに少し揉むと苗がポットから出やすくなる

ポットを逆さまにして苗を取り出す。始めに少し揉むと苗がポットから出やすくなる
3

絡まっている根を手で軽くほぐす。この作業によって、根が広がって健康的に成長するようになる

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4

苗を土の上に置いてみて、鉢のふちから根元が2~3センチくらい下になるよう土を追加

苗を土の上に置いてみて、鉢のふちから根元が2~3センチくらい下になるよう土を追加
5

肥料を根の周りに回し入れる。2回目以降は土の表面にまくようにして与える

肥料を根の周りに回し入れる。2回目以降は土の表面にまくようにして与える
6

すき間部分に更に土を加えて完成。苗の根元から水をやる。鉢底穴から水が滴るくらいたっぷりとあげよう

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