世界遺産の砂の島でのキャンプと釣り

世界遺産の砂の島でのキャンプと釣りLet’s 豪 Fishing ! 
第152回

世界遺産の砂の島でのキャンプと釣り
フィッシング・ライター
金園 泰秀
 「タイヤの空気圧を減らしてください ! 」。フェリーのアナウンスが流れた。運転席から降りたドライバーたちが自分の4WDのタイヤから空気を抜く音が船内のあちらこちらから聞こえてくる。船の前方の砂浜には、我々が乗って来たフェリーに折り返し乗り込んで陸地に戻る4WDが何台も待機している。
(写真)テントの前のビーチでも大物賞を狙えるチャンスはある


4WDはビーチにもトレイラーボートを牽引できる(写真)4WDはビーチにもトレイラーボートを牽引できる
最近は手ごろな4WDのキャンパーも街角で見かける(写真)最近は手ごろな4WDのキャンパーも街角で見かける
 ここはブリスベンから北へ250キロほどの地点。世界遺産に指定されている、砂で構成された島としては世界最大のフレイザー島である。この島に車で上陸するには、4WD車を使ってフェリーに乗リ込むのが一般的な方法だ。
 島には舗装道路がなく、砂の未舗装路や干潮時にはビーチを走破しなければならないので、4WD車のタイヤの空気圧を減らしてタイヤが砂に埋まるのを防がなくてはならない。前に走った車が掘った砂の轍(わだち)にハンドルを取られながら、道を横断する小川を渡る時に車に水が入ってこないか、水流で流されないかと内心ビクビクしながらの運転は、子どものころに戻ったようなアドベンチャー的なおもしろさがある。
 この島では毎年5月になると「TOYOTA Fraser Island Fishing Expo」が開催される。今年25回目を迎えるメジャーなイベントで、4WD車と釣り、ボート、キャンプを複合させた釣り大会として長い歴史を持つ。ビーチからの投げ釣りで狙うキスやクロダイ、ボートから狙うタイやジューフィッシュ(大ニベ)やサワラなど、魚種別にカテゴリーを分けて大物を競い合う。
 入賞賞品がトヨタの4WD車をはじめ、メジャー・スポンサーのヤマハからの船外機付きボート、釣りメーカーのシマノやタイヤメーカーのダンロップ製品など豪華なことでも有名で、このイベントの特色とも言える。
 大会時期になると、島の対岸に位置し、フェリー乗り場があるHervey Bayや島の南端の陸地のRainbow Beachに、キャンパー・トレイラーやボートを牽引した4WDが続々と集まり、その光景は壮観である。
 この島へアクセスするには一般観光客向けに各種ある1~2泊のパッケージになっているツアーに参加するか、または自分で島に渡って何件かあるリゾートに泊まるか、あるいは砂のビーチでキャンプをすることになる。ところどころにあるキャンプ場では、冷水シャワーとピット・トイレがあればいい方という不便なものなので、キャンプ初心者には不向きかもしれない。
 ただ、キャンプが大好きなファミリーにとっては、この大自然の中の不便な場所は魅力的なようで、ガスやカー・バッテリーで作動する冷蔵庫に、生鮮食料品はもちろんのこと、トレイラーに大量の水を積み込み、電源として小型発電機も用意して、1週間以上も滞在するキャンパーたちが大勢やって来るから驚きだ。陸地にある電気やシャワーなどが完備されて快適なキャラバン・パークやキャンプ場では味わえない、ロビンソンクルーソー冒険記のようなサバイバル的な要素を求めているのかもしれない。
 また、今年7月には、同島南端の陸地側にあるRainbow Beachで、「MITSUBISHI Rainbow Beach Family Fishing Classic」も開催される。これも魚種別に大物賞を競い、賞金も部門別に最大1万ドルという豪華なものだ。
 さて、ビーチでキャンピングしながら釣り大会の競技に参加する方法として、沖釣りをする場合はトレイラー・ボートを4WD車で牽引してビーチからボートを海に降ろし沖に向かうチームとして参加。または、大勢の参加者で争うことになるが、テントの目の前のビーチから投げ竿で遠投して釣るサーフ・キャスティングの部門で参加できる。ボートを持っていないキャンパーたちも老若男女問わず、一発ラッキーの大物賞で4WD車や1万ドルを手にすることも可能だ。
 QLD州南部付近に在住している人には、このフレイザー島やブリスベン沖のモートン島などでワイルドなキャンプが簡単に体験できるが、そのほかの州の国立公園でも4WD車でアクセスできて、隣接する場所でキャンプが可能なところが何ケ所かある。また、最近は手ごろな値段の中古キャンピング・カーも市場に出ているので、ぜひ大自然と接することができる本格的なビーチ・キャンプをこの夏休みに体験してみてほしい。
「オーストラリアの釣り情報」
www.fujimaru.com.au

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