Bass to Barra Trail

Let's 豪 Fishing !Let’s 豪 Fishing ! 
第159回

フィッシング・ライター
金園 泰秀
Bass to Barra Trail
 QLD州環境局が今年の2月に、「Bass to Barra Trail Fishing Guide」という36ページのガイド・ブックをリリースした。
 これはQLD州南東〜中東部に位置する、世界遺産に指定された世界最大の砂の島、フレーザー島とホエール・ウォッチングで世界的に有名なハービー・ベイ地区からスタートし、バンディという名前のラム酒で有名なバンダバーグ地区、鉄鋼の積み出し港として栄えているグラッドストーンの各山間部にある9つのダム湖の釣り場、交通、宿泊施設などに関する情報誌である。
(写真)ダム湖のバスは産卵しないので太って巨大化する


 世界的に有名なオーストラリアの淡水や汽水域でのスポーツ・フィッシング対象魚は、バラマンディ、マーレイコッド、オーストラリアン・バスが有名。上記の9つのダム湖のいずれかで、これらの魚が釣れるので、地元の観光産業とQLD州観光局がタイアップして豪州国内や海外からの釣り人を誘致しようと乗り出したものだ。
 例えば、隣国ニュージーランドは、トラウト・フィッシング(特に、大きなブラウン・トラウト)に最高の場所として世界的に有名だが、資源のない国が国を挙げて海外にセールス活動を続けた結果であることはあまり知られていない。もともとトラウトが棲息していなかった同国だが、トラウトを放流して世界に売り込み有名になったのだ。同国の爪の垢を、オーストラリアに煎じて飲ませたいと思っているのは私だけではないだろう。
 せっかく有名なスポーツ・フィッシング対象魚が生息している原産国なのに、貴重な観光資源として売り出さないのは、もったいないし、情けない話だ。

Let's 豪 Fishing !
日本のバスフィッシング協会とオーストラリアの同協会との合同トーナメントの1コマ

 これらの湖に棲息する魚たちは、地元の釣りクラブや自治体、水産庁などが継続的に放流事業を続けているので、資源が枯渇する心配はない。パース沖の南カンパチ(サムソン・フィッシュ)やグレート・バリア・リーフのリーフ・フィッシュ、ジャンアント・トレバリーなどは天然の釣り魚なので、大物釣りの趣味としての無意味な殺戮は、環境破壊に直結してしまうが、人造湖に放流したターゲットを相手にするスポーツ・フィッシングなら環境破壊も少ないだろう。
 もともと汽水や海水域で産卵するバラマンディやオーストラリアン・バスなどは、淡水のダム湖では産卵できずに体脂肪として蓄積する。必然的に魚も巨大化し、釣れ上がるバラマンディの大きさが平均10〜15キロという湖もあるから釣り人たちも興奮する。
 数年前に、日本のバス・フィッシング協会とオーストラリアの同協会との合同のバス・トーナメントを上記のダムの1つで開催した。また、その翌年には、1つの大会でバスとバラマンディの両方を狙うというバス・バラ・トーナメントも船外機メーカーのヤマハやマーキュリー、釣具メーカーのダイワやデコイ、イマカツ、地元ボート・メーカーやQLD州観光局からのスポンサーを受け、前出の1つのダムで開催することができた。
 それから、さまざまな釣り団体もこれらのダムで盛んにトーナメントを行うようになった。従来のアルミ製バス・ボートから比較すると排気量の多いトーナメント・ボートや大物魚向けの高級釣具が少しずつ普及し、それらを使う釣り人も多く見られるようになってきたことは、トーナメント大会の関係者として動いていた私にとってもうれしい光景かもしれない。

Let's 豪 Fishing !
バラ・バス・トーナメントの1コマ

 釣った魚をおいしく食べることも大好きだが、スポーツ・フィッシングとして自分自身の釣りのテクニックと道具(釣り具やボート)を駆使して魚とファイトし、魚をなるべく傷付けないようにキャッチ&リリースしながら自然との造詣を深めることも楽しいもの。オーストラリア在住の皆さんも、話の種に「Bass to Barra Trail」へとぜひ遊びに来ていただきたい。
オーストラリアの釣り情報
www.fujimaru.com.au

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る