花のある生活「花をどこに生ける?」

 花のある生活─ flower in life ─

第5回:花をどこに生ける?

水源をピックで取り、シュロ、ジャスミンの葉、ガーベラを軽快に入れる
水源をピックで取り、シュロ、ジャスミンの葉、ガーベラを軽快に入れる

こんにちは。生け花講師をしていますYoshimiです。

南半球のシドニーでは街路樹が色付き始め、秋の装いが感じられます。現在、2年に一度の芸術の祭典ビエンナーレが開催中です。国際的なアートを見ながら、平凡な私でも、こうしたすばらしい世界にどうしたら近付けるかを考えてみました。意外にもそのヒントはすぐ近くにありました。現代の生け花は、場所を選ばずに身近な素材から作れる、親しみやすい芸術なんです。

以前は生け花は床の間に飾るという定席がありました。しかし、生活の場が多様化している現在、生け花はもっと自由な世界に開放されています。私も探してみました。生け花はどこにでも生けられます。台所の流し台の片隅に、自分へのご褒美として置いてみたり、洗面所や浴室の手すりに沿わせて彩りを施したり(この場合、水はピックで飲ませます)、本棚や飾り棚の空きスペースを利用してみたり、少し遊び心を発揮して使用していない引き出しやトランク・ケースに花を盛って、お客様をお迎えして驚かせてみるのも楽しいものです。大切なことは、生ける花をその場とどう関わらせたいか、その場をどのように変化をさせたいかを考えてみることです。

教会の扉を生け花で装飾してみる。雲龍柳で動きを出して明るい色味の花を挿す
教会の扉を生け花で装飾してみる。雲龍柳で動きを出して明るい色味の花を挿す

上の写真の生け花は鍵盤を触らずとも、軽やかなピアノの旋律で音楽が奏でられているような演出を施しています。たくさんの花材を使用してしまうと、どちらが主役が分からなくなってしまいますので、シンプルにグリーンと白だけで、場と対話しつつ生けてあります。右の写真は、教会の扉を利用しています。あまり使用していない暗いイメージの扉に花を添えることで、その場が明るく演出される効果があります。意外な場所に少し遊び心を加えてみると、ご自宅でも気軽にアート感覚を楽しむことができます。そして、ご自身で生けられた花を見てくれた人に楽しんでもらえれば、もっとうれしい気持ちになります。暮らしの身近な空間に花を用いて遊び心を取り入れると、普段とは違う新鮮な生活を感じられるかもしれませんね。私たちの心に潤いを与える花に感謝します。


Yoshimi
草月流華道講師。幼少の頃から花を嗜む。学生の頃、本格的に活動を始め大阪高島屋に出展。兵庫県議会公館迎え花を担当。シンガポール駐在中に趣味の油絵といけばな展をシンガポール高島屋で行う。現在はチャッツウッド駅前で華道教室フラワー・イン・ライフ(www.7elements.me)を開講

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