花のある生活「春の便り」

 花のある生活─ flower in life ─

第9回:春の便り

オーストラリアの国花であるゴールデン・ワトル(同国では700種類以上ある)と季節の花アネモネ
オーストラリアの国花であるゴールデン・ワトル(同国では700種類以上ある)と季節の花アネモネ

春の訪れを告げるように、小さな黄金色の花が一斉に咲き始め、季節の華やぎを感じさせてくれるようになりました。こんにちは、いけばな講師をしていますYoshimiです。

日本でミモザアカシアの愛称で知られるゴールデン・ワトルは、オーストラリアの国花です。紙幣や切手の図柄であったり、国の紋章にもエミューやカンガルーと共に描かれてます。銀白色や深緑色の葉と、柔らかな質感を持つ鮮やかな花との色の対比は、息を飲むほどに美しく、日本での春の訪れを祝う桜花爛漫(らんまん)な慣習と相等しいものがあるように思います。

ブッシュの奥深くに入らなくても、手の届く所にゴールデン・ワトルは咲いていますが、いけてみようと切ってみても、残念なことに花は水揚げがあまり良くなく、1日ほどで変色してしまいます。花は少しドライ気味になりますが、葉はフレッシュな状態を保てます。この木の枝は自然で緩やかな曲がりがあるので、柔らかな曲線を生かして、大地に包み込まれるように大きく両枝を広げて、鑑賞するごとに優しい気持ちになれるようにいけてみることにチャレンジしてみると良いのではないでしょうか。

シドニー・ゴールデン・ワトル(花が細長いブラシ状)にストックの花をあしらう
シドニー・ゴールデン・ワトル(花が細長いブラシ状)にストックの花をあしらう

上の写真は右側と左側とのボリュームをあえて変えてあります。花材のボリュームを左右対称にせず、強弱を付けることで葉や花がより生き生きと見える効果があります。花器の中には、こみと言って小枝を十文字に入れて仕切りを付けることで、主枝が花器の中で回転しないよう技巧が施されています。花器の口元を引き締めて、大きく伸び上がるゴールデン・ワトルの枝はオーストラリアそのものです。右の写真はシドニー・ゴールデン・ワトルというネーミングで、花の形状が細いブラシのようになっています。オーストラリアに生育するワトルの種類は実に700種類を超え、たくさんの種類のゴールデンワ・トルが咲き誇る様子は春の風物詩と言えます。

雄大な自然をご自宅の中で表現し、これからの季節、次々と咲き誇る花々を心待ちに過ごしてみませんか。春はもうすぐそこまで来ています。


Yoshimi
草月流華道講師。幼少の頃から花を嗜む。学生の頃、本格的に活動を始め大阪高島屋に出展。兵庫県議会公館迎え花を担当。シンガポール駐在中に趣味の油絵といけばな展をシンガポール高島屋で行う。現在はチャッツウッド駅前で華道教室フラワー・イン・ライフ(www.7elements.me)を開講

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