花のある生活「花をいかす」

 花のある生活─ flower in life ─

第12回:花をいかす

お稽古を始めて2年半の生徒さんの作品。水仙だけのシンプルな物
お稽古を始めて2年半の生徒さんの作品。水仙だけのシンプルな物

こんにちは。いけばな講師をしていますYoshimiです。

ジャカランダの花が咲き、街には紫の絨毯(じゅうたん)が敷き詰められたような風景が広がる、この街の風物詩とも言える良い季節となりました。

今月のテーマは「花をいかす」ことについてです。花をいかすということは、自然の美と、それをいけた人の感性で人の心に潤いをもたらすということです。生徒さんがいけばなを勉強している際、基本を学んでいる時のその気持ちを忘れないでねと、よく話します。普段のお稽古の時に使った残りの花材で、家の空間を彩ってみましょうとか、玄関や食卓や洗面所などいろいろな場にお花をいけてみましょうとお伝えしています。

本コラムの5月号「花をどこにいける?」でも書かせて頂きましたが、その場に合わせた形を工夫して花を置くと、その場の空気がすっかりリフレッシュされることに気付き、きっと家族の皆さんにも喜んでもらえるはずです。それがいけばなの力です。

やしの葉を小さく裂いてカーネーションと合わせた作品。左の写真の作品と同じ生徒さんによる物
やしの葉を小さく裂いてカーネーションと合わせた作品。左の写真の作品と同じ生徒さんによる物

今回掲載させて頂きました写真は、2年半いけばなを習った生徒さんの作品です。シンプルながらも、花に対する優しさが出ているように思います。植物を最期まで大事に扱うという気持ちも大切にしてもらいたいです。いけた物がしおれたからといって、すぐに捨ててしまうのではなく、もう一度水揚げをしてみるとか、正気を保っている部分を使って別のスタイルでいけ直してみるとか、花や葉の部分を浮き花にするとか、葉で箸置きを作ってみるなど、最期の一輪、ひと枝まで十分に活用して楽しんでもらいたいと思います。

私たちは毎日、再び来ない尊い瞬間を生きているのと同じように、どの瞬間にも美しさのある花をいかして、花に触れることを楽しんで頂けたらと思います。今年も年の瀬となりました。1年を通してご愛読者の方々からたくさんのご意見を頂きありがとうございました。来年も皆様のご意見を取り入れ、より良いコラムを書いていきますので、よろしくお願い致します。

皆様、どうか良いお年をお迎えください。



Yoshimi
草月流華道講師。幼少の頃から花を嗜む。学生の頃、本格的に活動を始め大阪高島屋に出展。兵庫県議会公館迎え花を担当。シンガポール駐在中に趣味の油絵といけばな展をシンガポール高島屋で行う。現在はシドニーのセントレナーズのスタジオで華道教室フラワー・イン・ライフ(www.7elements.me)を開講

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る