花のある生活「お正月の花」

 花のある生活─ flower in life ─

第13回:お正月の花

しだれ柳、ダリアと南天を大きく円を描くようにお正月の花をいけた物
しだれ柳、ダリアと南天を大きく円を描くようにお正月の花をいけた物

明けましておめでとうございます。今年も花のある生活のコラムをどうぞ宜しくお願い致します。

お正月のいけばなは、祝い事の花の代表です。伝統的な松や梅や竹を使う点にこだわる必要はないと思いますが、知識として知っておいた方が良いことは、葉先が勢い良く上を向いている常緑樹の松や、寿命が大変長く寒い季節に真っ赤な実を付けることから、おもと(万年青)が祝い事の花によく使われてきたことです。

いずれの花材も形態や葉組みに細かい約束事を設けている流派が多いのですが、どのように使用するとその素材が一番生きてくるかを考えることの方が大事だと私は思います。季節や環境でどんないけばなが求められているのかを感じて、新鮮な花を生き生きと入れてあげることを大切にしたら良いのではないでしょうか。それはいけばなの伝統を無視して奇をてらうようなものを作るというわけではありません。何よりも、素材の特性を生かし、できる限り伸び伸び自由にいけてみるのが良いのではないかと思います。

2年お稽古をした生徒さんの作品。生き生きとし、その場の雰囲気がパッと明るくなるような元気を感じる作品に仕上がっている
2年お稽古をした生徒さんの作品。生き生きとし、その場の雰囲気がパッと明るくなるような元気を感じる作品に仕上がっている

いけばなは昔から、身近なもので誰もが表現できる日本の伝統的な芸術の1つです。けれど特殊な領域に限定されて存在させておくのではなく、植物の持つ多彩な豊かさと美しさを、日常の生活で感じてもらえたらうれしいです。伸び伸びと自由に花をいけて、型にとらわれることから離れ、冒険する気持ちを持っていけてみると植物はその気持ちに応えてくれます。そして新しいものを生むことができる、生きた芸術ではないかと思います。心新たに新年を迎えた喜びや、今年1年を楽しく過ごせるように願う気持ちを、花に託して自宅でいけてみませんか。身近な誰かに喜んでもらいたい気持ちでいけた花であれば、それは全てが美しいと思います。日頃から「人に喜んでもらいたい」と考えて花をいけていれば、自分自身の心も、常に穏やかに過ごしていけるのではないかと思います。2019年が幸多い1年となりますように、お祈り申し上げます。


Yoshimi
草月流華道講師。幼少の頃から花を嗜む。学生の頃、本格的に活動を始め大阪高島屋に出展。兵庫県議会公館迎え花を担当。シンガポール駐在中に趣味の油絵といけばな展をシンガポール高島屋で行う。現在はシドニーのセント・アイビスのスタジオで華道教室フラワー・イン・ライフ(www.7elements.me)を開講

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