雇用

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明るい兆しが伺える2010年の
日本人労働市場



 オーストラリアの日本人労働市場は2010年、どのようになるか。昨年のこの国の経済状況を踏まえその市場動向の行方を考えてみます。
 09年10月のオーストラリアの失業率は5.8%でした。そしてこの失業率は毎月少しずつ上昇しており、OECDからは2010年には6.3%になるとの予想も出ています。08年まで失業率が4%台前半であったことを考えれば、この失業率はオーストラリアで仕事をする者にとって厳しいものとなっています。

 しかしながら先進国の間では、このオーストラリアの失業率は他国と比較して、オーストラリア政府の迅速かつ的確な景気対策によりたいへん良いものとなっています。09年10〜12月とオーストラリア準備銀行は、公定歩合にあたるキャッシュレートを3カ月連続で0.25%ずつ引き上げ、3.5%としました。このことは、オーストラリア政府の財政政策が個人消費を確実に押し上げ、景気がしっかりしてきた証となっています。
 以上を踏まえ日本人労働市場を考えると、次のような動きが予想されます。
1. 12月初旬に金価格が最高値の1,250ドル台をつけたこともあり、資源関連(資源・エネルギー・食品など)との関連が深い企業(大手商社および食品関連企業)は2010年はしっかりとした事業展開が予想され、求人も堅調に推移するものと予想されます。
2. オーストラリアの景気は堅調に推移するものと予想され、そのため一般消費材関連の企業(および製造業など)は2010年も堅調に業績が推移するものと予想されます。そうなれば物流系の企業の求人も回復する可能性があります。
3. オーストラリア国内における旅行関連会社の景気は、09年はたいへん厳しい年でした。日豪間の飛行機の便数の大幅な減少、新型インフルエンザによる海外旅行への警戒感、そして日本経済の先行き不透明感から海外旅行が減りました。多い時には日本からの旅行客が80万人を超えていたものが現在30万人強まで減ってしまいました。
 しかしながら、09年に大手旅行企業はその日本人旅行客減少に対応したリストラクチャリングを行っており、2010年前半にはその影響は一巡するものと思われます。また、09/10年の年末は日本国内の新型インフルエンザの不安もあり、この時期、夏のオーストラリアには多くの予約が既に入っているようです。
 2010年は米ドル安円高の予想もあり、円が強くなった場合、オーストラリアへの日本人旅行者が増える可能性もあり、そうなれば大手旅行企業で新たな雇用が発生する可能性もあると十分に予想されます。
4. 世界中の日系企業はローカライゼーション(現地化)を基本的な長期戦略と定めています。つまりコストの高い日本からの駐在員を減らし、現地にいる優秀な人材を積極的に登用していく方針になっています。その観点からも、日系企業の管理職ポジションにおいて今後も、在豪の優秀な日本人の方たちにチャンスが与えられることは間違いないと考えられます。
 2010年は日本労働市場のみ考えた場合は、前半は09年と変わらぬぐらい厳しいものの、一部の業界やそのポジションによっては改善してくるものと予想されます。


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日本ブレーン・センター・オーストラリア
代表取締役社長
山口正人
NSW大学オーストラリア経営大学院でMBA(経営学修士号)を取得。投資銀行を経て、日系ビザ・コンサルティング会社(株)日本ブレーン・センター・オーストラリアを設立。豪州におけるビザ取得のためのコンサルティングとのその手続き代行、人材紹介・派遣業、ランゲージ・サービス、教育事業などを、豪州を含め4カ国で手掛ける。著書に「オーストラリア・ビザ・ガイド」(アルク出版)など。

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