通信

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2010年はインターネットの光ファイバー元年に



 2007年、11年間続いた保守連合党に代わり政権を握ったラッド首相。同首相の選挙中キャンペーンの公約には「Broadband Revolution – National Broadband Network Project(全豪ブロードバンド敷設計画)」が盛り込まれています。通信に携わる者や、日本と比べ格段に劣るインターネット環境に不満な日本人コミュニティーにとってはたいへんな朗報でした。このプロジェクトで重要とされているのが、①オーストラリアの90%を毎秒100メガビットの高速光ファイバーでカバーする②光ファイバー敷設が不可と考えられる残り10%に対しては次世代ワイヤレス(最低でも毎秒12メガビット)サービスでカバーする③09年を皮切りに、向こう8年間でこれらの整備を達成するという点です。これらは、さほどインターネットに興味のない人にもかなりエキサイティングな内容だったことでしょう。この高速光ファイバー網のインフラ整備が完了するまでに、8年もかかるのが少し気になるところではありますが、国土の大きさを鑑みればいた仕方ないのかもしれません。
 公約に基づき政府は、このプロジェクトにおける民間起業の入札を公募しました。08年11月の締め切り時点ではテルストラ、オプタス、ほか数社による合弁会社が名乗りを挙げましたが、どこも政府のお眼鏡にはかなわず、同時期に提案書提出形式に変更しました。立案段階でのつまずきに「ここオーストラリアでは、そう簡単には事が進まない」と半ば諦めモードになったものでした。
 ところがその後、うれしい誤算となる出来事が起こりました。政府が積極的に取り組み、09年4月には、政府51%、民間49%出資による政府主導の合弁プロジェクトを開始することが発表されました。7月にはTAS州政府による具体的なプランも公表され、即刻着工に漕ぎつけました。これにより、10年の第2四半期(4〜6月)には、オーストラリア初の“光ファイバーを利用したインターネット”が可能となります。最終的にはTAS州内で20万戸の家庭・ビジネスが毎秒100メガビットの高速光インターネットを利用することになる予定です。
 このタスマニアのプロジェクトを布石として、いよいよオーストラリアにも高速の光ファイバーが導入されていくことになります。そういった意味で、今年は「オーストラリア・ブロードバンド夜明けの年」と言えるかもしれません。タスマニアのプロジェクトの状況が今後、オーストラリア全土に展開していく際の明暗を分けることになるので、注目されています。願わくば、プロジェクトがスムーズに進み、1日でも早く我々の家庭で光ファイバーを通じた高速インターネットが利用できるようになって欲しいものです。


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KDDIオーストラリア
テクニカル・サポート・マネジャー
成田陽介
日本の大学卒業後観光業などの経験を経て03年来豪。ワーキング・ホリデーを経て学生ビザを取得し、オーストラリア在学中にITを本格的に専攻、各種資格を取得し、2007年4月KDDIオーストラリア入社。

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