観光

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大自然、体験、交流文化で観光王国復活を



 2009年を振り返ると、観光業界は大きくダメージを被った「3つの大地震」があった年です。1つは日本からの旅行客にとって最大の人気デスティネーションであるケアンズへの直行便の大幅減便です。関西空港、セントレア(中部国際空港)からの直行便が全面撤退となりました(2010年4月より関空­—ケアンズ間で週4便が運行再開)。2つ目は航空運賃に付随した燃油サーチャージ。09年当初、日本から豪州への往復で最高4万4,000円となり、豪州旅行の割高感がほかの旅行先(バリ島、タイ、シンガポール、香港など)と比べ大きなインパクトを与えました。3つ目は、新型インフルエンザ。業界動向に少し明るさが見え始めたゴールデン・ウィークの時期に、この問題が全世界を駆け巡り、豪州でも一般ツアーや日本の学校関係の語学研修、修学旅行に大きな影響が出ました。
 そんな中、日本および豪州国内の旅行者数増加につながった明るい話題もありました。1つ目は、ハミルトン島管理人プロモーションが話題を集め、特にハネムーンの旅行客に人気だったグレートバリアリーフの、島々に宿泊するツアーが復活の兆しを見せてきました。
 2つ目は、ゴールドコースト・マラソン、また今年マラソン親善大使となった高橋尚子さんをスターターに起用したシドニー・マラソンなど「マラソン」というキーワードが、新型インフルエンザ騒動を吹き飛ばすほどの結果をもたらしました。3つ目は、豪州との交流継続の強いニーズが存在する教育旅行関係です。生徒たちにファームステイ体験やオーストラリア人との交流を実現させてあげたいという願いから、他校がキャンセルする中でも、予定通り旅行を実施した学校もありました。
 2010年の動向としては、今年は11年以降の飛躍につなげる年と位置付けています。09年の「観光業界3大地震」の影響が引き続き残ると想定される中、復活の兆しを見せた要素を十分に考慮すれば、オーストラリア観光復活の道が見えてきます。
 そのキーワードは「大自然(世界遺産)」「体験」「交流文化」。この要素を再認識し、旅行スタイルに盛り込み、新しい旅の提案がなされていくことが肝要です。
 まず 「大自然」では、何と言っても豪州の17の世界遺産に改めてスポットが当たるべきです。レンジャーや専門ガイドなど「語り部」を上手に活用することで日本人旅行者の知的好奇心を刺激できるのではと思います。「体験」では、スポーツ大国オーストラリアの環境に合った旅行をうまく紹介し、豪州の旅行を楽しむためのきっかけ作りが重要となるでしょう。最後に「交流文化」ですが、気さくでフレンドリーなオーストラリア人との交流、またその文化や英語の学習機会などを通じ、大人の方にも楽しんでもらえるようにするべきだと考えています。
 以上、3つのキーワードを軸とした新しい旅のスタイルによって、観光大国オーストラリア完全復活の道が今年、来年とつながること祈念しています。


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JTBオーストラリア
取締役社長
中島節郎
1982年明治大学卒業、同年日本交通公社(現JTB)入社。93年シドニー支店駐在、04年、JTBオーストラリア・ケアンズ支店長、06年同シドニー支店長、07年同取締役インバウンド営業推進担当、08年JTBオセアニア・インターナショナル設立、同時に取締役社長就任。

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