第6回 猫の飼い主さん注目 ! ユリ中毒

教えて!獣医さん
草木にじゃれる猫

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大切なペットを病気や危険から守る方法

 記念日などにプレゼントとして花を贈ることが多いオーストラリア。人気の花の1つにユリが挙げられます。しかしそのユリが、猫に重篤な腎臓疾患を引き起こすことを知っている人はあまりいないのではないでしょうか ?


 好奇心旺盛な猫は、草木に体をすり寄せたり噛んだりして遊ぶ習性があります。もしそれがユリの花だとしたら大変なことになりかねませんが、飼い主がうっかり見過ごすのはよくあることです。
 ユリの中のどの成分が重篤な腎臓疾患を引き起こすのかはまだ発見されていません。しかしほんの少量、例えば体に付いた花粉を舐めただけでも、重篤な腎臓疾患に発展する例が多々あります。
 症状には3段階あり、まず2~12時間の間に嘔吐や食欲不振などが見られるでしょう。次の24~72時間の間に急性腎疾患に発展します。この時期に猫は通常よりも多く飲水し、脱水症状も認められます。
 それでも治療をしなかった場合は、その後3~7日以内に死亡するという最終段階に至るケースがほとんどです。また、たとえ治療をしたとしても、時に助からないことがあります。
 ユリ毒を摂取した猫の多くは集中治療が必要ですが、動物病院では「腎臓疾患」であることは診断できても、「ユリを摂取したかどうか」を診断する方法がありません。もし飼っている猫がユリに接触した可能性がある場合は、必ず獣医師に伝えましょう。診断の大きな助けとなります。
 何はともあれ、最も大切なのは予防です。摂取してしまってから治療を試みるより、摂取させないように気を付けてあげることが一番。ユリ科の植物をできる限り家の中に持ち込まないようにし、家の外に生えているユリ科の植物にも気を配っておきましょう。


教えて!獣医さん
PROFILE
足立理良(あだちりら)●馬と小動物の獣医師として日本で2年半の臨床経験後、ワーキング・ホリデーで来豪。飛び込みで地元の動物病院の門を叩きワーク・エクスペリエンスで経験を積んだ後、ブリスベンやゴールドコーストの動物専門医センターで麻酔師として勤務。一般の相談にも個人的に対応している。Tel: 0433-445-813

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