【10月】最新BOOKトレンドチェック

読書好き集まれ!
最新BOOKSトレンド・チェック
協力:オーストラリア紀伊國屋書店(Level 2, The Galeries, 500 George St., Sydney)

 本好きにとって、トレンドに取り残されてしまうのはつらいところ。本連載では、シドニーCBDに店を構え、KINOと親しまれるオーストラリア紀伊国屋書店協力の下、トレンド・キーワードとともに読み逃せない話題の3冊と、日本のトレンドをキャッチするための最新ランキングをご紹介していきます。

芥川龍之介賞、通称芥川賞は大正時代を代表する小説家の1人・芥川龍之介の業績を記念して、友人であった菊池寛が1935年に直木三十五賞(直木賞)とともに創設したもの。以降、毎年2回ずつ発表されています。対象となるのは新人作家による発表済みの短編・中編作品で、選考委員の合議によって受賞作が決定されます。今年の受賞作品は又吉直樹の「火花」と羽田圭介の「スクラップ・アンド・ビルド」。これ以前の受賞作品を改めて読み返してみるのもお勧めです。

今、売れている本は?ベストセラー・ランキング(9月9日~9月15日集計)

■文庫ベストセラー

1 ソードアート・オンライン (16) 川原礫 KADOKAWA
2 母性 湊かなえ 新潮社
3 桜吹雪 佐伯泰英 文藝春秋
4 魔法科高校の劣等生 (17) 佐島勤 KADOKAWA
5 禁断の魔術 東野圭吾 文藝春秋

 

■新書ベストセラー

1 人間の分際 曽野綾子 幻冬舎
2 大放言 百田尚樹 新潮社
3 家族という病 下重暁子 幻冬舎
4 下流老人 藤田孝典 朝日新聞出版
5 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる エマニュエル・トッド/堀茂樹 文藝春秋

今週のトレンド・キーワード『芥川賞受賞作品』

史上初の大増刷に至った話題作

『火花』
又吉直樹

文藝春秋(価格:A$25.03<会員価格A$22.53>)

奇想の天才である一方で人間味あふれる神谷と、彼を師と慕う後輩の徳永。ある日、神谷は徳永を弟子にすることを承諾する代わりに自分の伝記を書くよう彼に命令する。以降2人は頻繁に会い、さまざまな経験を分かち合い、神谷は徳永に笑いの哲学を伝授する。しかしやがて、徳永の方だけが少しずつ売れていき、2人の歩む道は異なっていくーー。お笑い界の周辺で生きる女性たちや、芸人の世界の厳しさも描きながら、驚くべきストーリー展開を見せる。

現代の若者文化を鮮烈に描く

『蛇にピアス』
金原ひとみ

集英社(価格:A$9.99<会員価格A$8.99>)

「スプリットタンって知ってる?」そう言って、男は蛇のように2つに割れた舌を出した。その男、アマと同棲しながらサディストの彫り師シバとも関係を持つ、主人公ルイ。彼女は自らも舌にピアスを入れ、刺青を彫り、次第に「身体改造」にはまっていく。痛みと快楽、暴力と死、激しい愛と絶望といった、今を生きる者たちの生の本質を鮮烈に描き、すばる文学賞と芥川賞をダブル受賞した、金原ひとみの衝撃のデビュー作。

他人だから始まる恋、その設定に親近感

『パーク・ライフ』
吉田修一

文藝春秋(価格:A$10.03<会員価格A$9.03>)

日比谷公園を舞台に、会社員である「ぼく」を語り手にした小説。人違いから地下鉄で話しかけてしまった女との偶然の再会が、主人公の好奇心に火を付けるという設定で、男と女の微妙な距離感を絶妙に表現しながら、恋愛模様をリアルに描く。スターバックスのコーヒーを片手に、春風に乱れる髪を押さえていた彼女との再会シーンが印象的で、以降、それまで主人公にとってなんとなく見えていた景色が、切ないほどリアルに動き始める。

ランキングからPick up!

『下流老人』藤田孝典/朝日新聞出版

日本の高齢者の9割が間もなく下流化すると言われている。本書でいう下流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」。年収400万の人でも、将来生活保護が必要なレベルとされており、現在も既に約600万人の老人が1人暮らし、うち半数は生活保護レベルだ。この存在が日本に与えるインパクトは計り知れない。

KINOKUNIYA便り

紀伊國屋では10月、「料理本キャンペーン」を開催します。グルメ大国のオーストラリアとあって、当店でも普段から人気の料理本ですが、今回はさらなる充実を図り、今話題の「日本一のレシピ」シリーズをはじめとする数多くの料理本がずらりと並ぶ予定です。お料理が得意な人はもちろんのこと、苦手だけどこれをきっかけに始めようと思っている人も、ぜひ当店まで足をお運びください。

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