【11月】最新BOOKトレンド・チェック

読書好き集まれ!
最新BOOKSトレンド・チェック
協力:オーストラリア紀伊國屋書店(Level 2, The Galeries, 500 George St., Sydney)

 本好きにとって、トレンドに取り残されてしまうのはつらいところ。本連載では、シドニーCBDに店を構え、KINOと親しまれるオーストラリア紀伊国屋書店協力の下、トレンド・キーワードとともに読み逃せない話題の3冊と、日本のトレンドをキャッチするための最新ランキングをご紹介していきます。

「倍返しだ!」が流行語大賞になり社会現象ともなった「半沢直樹」。2014年春ドラマの「花咲舞が黙ってない」。いずれも池井戸潤が原作の、銀行を舞台とした小説です。銀行というのはとても身近な存在でありながら、お金を扱うということで、その舞台裏はいろいろと複雑そう。銀行小説が人気を集め続けるのは、そうしたところにも秘密があるのかもしれません。面白い銀行小説はこれだけではありません。今回はお薦めの銀行小説、ベスト3をご紹介します。

今、売れている本は?ベストセラー・ランキング(10月9日〜10月15日集計)

■文庫ベストセラー

1 ロスジェネの逆襲 池井戸潤 文藝春秋
2 天空の蜂 東野圭吾 講談社
3 ふくわらい 西加奈子 朝日新聞出版
4 母性 湊かなえ 新潮社
5 飛躍 佐伯泰英 講談社

 

■新書ベストセラー

1 人間の分際 曽野綾子 幻冬舎
2 大放言 百田尚樹 新潮社
3 海から何かがやってくる 田中芳樹 祥伝社
4 下流老人 藤田孝典 朝日新聞出版
5 2016年世界の真実   長谷川慶太郎 ワック

今週のトレンド・キーワード『面白い銀行小説』

緻密な取材に基づくリアルな小説

『華麗なる一族(上)』
山崎豊子

新潮社(価格:A$21.30<会員価格A$19.17>)

業界ランク第10位の阪神銀行の頭取、万俵大介は、都市銀行再編の動きを前にして、上位銀行への吸収合併の阻止に必死になっている。長女一子の夫である大蔵省主計局次長を通じ、上位銀行の経営内容を極秘裏に入手、小が大を飲み込む企みを画策するが、その一方で、阪神特殊鋼の専務である長男鉄平からの融資依頼をなぜか冷たく拒否する。不気味で巨大な権力機構「銀行」を徹底的に取材して作られた物語。上・中・下全3巻。

大銀行の舞台裏を描く衝撃作

『金融腐敗列島(上)』
高杉良

角川書店(価格:A$14.12<会員価格A$12.71>)

大手都銀・協立銀行の竹中治夫は、上層部からの特命を帯び、総会屋対策に奔走する。その過程で、竹中自らが心ならずも不正融資に手を貸してしまう。組織と個人の狭間で葛藤しながら、闇の勢力との交渉に苦しむ。ダーティーな融資、預金者の信用を喪失する銀行の、泥まみれな実態に鋭いメスを入れ、日本の大銀行の内実を明らかにしたとして世に衝撃を与えた力作。現在でもこのようなことが行われているのか、そんな疑問が頭をよぎる。上下2巻。

誰もが思う、「もし、あの時…」

『あの日にドライブ』
萩原浩

光文社(価格:A$14.81 <会員価格A$13.33>)

牧村伸郎、43歳。元銀行員にして現在、タクシー運転手。あるきっかけで銀行を辞めてしまった伸郎は、仕方なくタクシー運転手になるが、営業成績は上がらず、希望する転職もままならない。そんな折、偶然、青春を過ごした街を通りかかる。もう一度、人生をやり直すことができたら。伸郎は自分が送るはずだった、もう1つの人生に思いを巡らせ始めるのだが……。読み進めるうちに主人公に共感したり、思わず叱咤激励したくなったりしてしまう。

ランキングからPick up!

『ロスジェネの逆襲』池井戸潤/文藝春秋

子会社・東京セントラル証券に出向した半沢直樹に、IT企業買収の案件が転がり込んだ。巨額の収益が見込まれたが、親会社・東京中央銀行が卑劣な手段で横取り。社内での立場を失った半沢は、バブル世代に反発する若い部下・森山とともに「倍返し」を狙う。一発逆転はあるのか? ロスジェネ、バブル、団塊世代間の特徴描写も相変わらずユニーク。

KINOKUNIYA便り

「いちごスイカ・ケーキ」を作っている「ブラック・スター・ぺイストリー/BlackStar Pastry」が11月に紀伊國屋書店でオープンします。見た目はただのいちごケーキなのですが、クリームの間にスライスしたスイカが。口の中で、イチゴの酸味、クリームのこってり感、それにジューシーなスイカが見事なハーモニーを醸し出します! 美味しいデザートの後、ぜひ書店にも足をお運びください。

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