【5月】最新BOOKトレンド・チェック「オーストラリア作家の本!」他

読書好き集まれ!
最新BOOKSトレンド・チェック

協力:オーストラリア紀伊國屋書店(Level 2, The Galeries, 500 George St., Sydney)

本好きにとって、トレンドに取り残されてしまうのはつらいところ。本連載では、シドニーCBDに店を構え、KINOと親しまれるオーストラリア紀伊国屋書店協力の下、トレンド・キーワードとともに読み逃せない話題の3冊と、日本のトレンドをキャッチするための最新ランキングをご紹介していきます。

5月12日にNSW州立アート・ギャラリーで、映画『星砂物語』のプレミア上映会が開催されます。監督のロジャー・パルバースさんは原作の著者でもあり、大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』の助監督も務められた多才な方のようです。『戦場のメリークリスマス』の小さな姉妹編と位置付けられた本作は、主題曲の『Star Sand』を長年の友人でもある坂本龍一さんが提供、出演陣も今をときめく俳優、女優たちで、何とも興味を惹かれます。原作もご紹介していますので、ぜひ作品に触れてみてください。

今、売れている本は? ベストセラー・ランキング(2018年4月2~8日)

■文庫ベストセラー

1 ラプラスの魔女 東野圭吾 KADOKAWA
2 羊と鋼の森 宮下奈都 文藝春秋
3 警官の掟 佐々木譲 新潮社
4 魔法科高校の劣等生25 佐島勤 KADOKAWA
5 終わった人 内館牧子 講談社

■新書ベストセラー

1 極上の孤独 下重暁子 幻冬舎
2 自分のことだけ考える。 堀江貴文 ポプラ社
3 逃げる力 百田尚樹 PHP研究所
4 素顔の西郷隆盛 磯田道史 新潮社
5 陰謀の日本中世史 呉座勇一 KADOKAWA

今週のトレンド・キーワード「オーストラリア作家の本!」

過去と現在をつなぐ戦争小説の傑作

『星砂物語』
ロジャー・パルバース
講談社(価格:A$30.85<会員価格:A$27.76>)

1945年、1958年、2011年の3つの物語をつなぐ、沖縄の小島で起きたある出来事。ありがちな甘い人間ドラマとも読めるパート1から、ものの見事に跳躍する物語の力と予想外の結末。あの日あの 島 の 洞 窟 で 本当は何が起きたのか? 13年後に発見された3遺骨はいったい誰の物なのか? そして受け継がれる命脈とも言える存在が目の前に現れる――。

核戦争の恐怖を描く名作

『渚にて 人類最後の日』
ネヴィル・シュート著/佐藤竜雄訳
東京創元社(価格:A$20.85<会員価格:A$18.76>)

第3次世界大戦が勃発、放射能に覆われた北半球の諸国は次々と死滅していった。かろうじて生き残った合衆国の原潜“スコーピオン”は汚染帯を避けてオーストラリアに退避してきた。ここはまだ無事だった。だが放射性物質は確実に南下している。そんな中、合衆国から断片的なモールス信号が届く。生存者がいるのだろうか? 一縷るの望みを胸に、スコーピオンは出航する――。

豪州建国神話の奥に潜む闇とは

『闇の河』
ケイト・グレンヴィル著/一谷智子訳
現代企画室(価格:A$51.55<会員価格:A$46.39>)

19世紀初頭、英国での貧窮生活をくぐり抜け、ウィリアムとサラのソーンヒル夫妻は植民初期のシドニーにたどり着き、やがて隔たった入植地に希望を見出し一家で移り住む。無人の未開地と思われたそこは、先住民が伝統的な暮らしや祭祀を営む地だった――。異文化との出合いと衝突、和解に至る道のりで「記憶」はいかに物語られるのか。

ランキングからPick up!

極上の孤独/下重暁子

「孤独=悪」というイメージが強く、孤独死は「憐れだ」「ああはなりたくない」と忌み嫌われる。一方、周りに自分を合わせるくらいなら1人でいる方が何倍も楽しく充実し、孤独は成熟した人間だけが到達できる境地でもある。「集団の中で本当の自分でいることは難しい」「孤独を味わえるのは選ばれし人」「すてきな人はみな孤独」――。1人をこよなく愛する著者が、孤独の効用を語り尽くす。

KINOKUNIYA便り

「シドニー・ライターズ・フェスティバル」。その名の通り、文学のお祭りで、豪州内外から作家を始めとする出版関係者が集まり、市内各所でイベントを行います。今年の開催は4月30日から5月6日まで。世界的に知名度の高い人も参加し、文学好きにはたまらないようです。ある国を知るための近道はその国の作家の作品を読むこと、というのは数カ国渡り歩いた本好きの体験談。ぜひお試しください。

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