村上春樹訳『恋しくて』─シドニー紀伊國屋おすすめBOOK

読書好き集まれ!

最新BOOKSトレンド・チェック

協力:オーストラリア紀伊國屋書店(Level 2, The Galeries, 500 George St., Sydney)

 

 本好きにとって、海外生活でつらいのは日本の本のトレンドに取り残されてしまうことではないだろうか。当連載ではシドニーCBDに店を構え、ローカルの間ではKINOの愛称で親しまれているオーストラリア紀伊國屋書店協力の下、今の日本の本のトレンドやランキング、お薦めの本を紹介していこう。お薦めの洋書も併せて毎月1冊、英語でご紹介。

11月以降、日本国内では戦国時代が舞台の映画・ドラマの公開が続きます。書籍紹介で取り上げた「清須会議」のほか、12月7日に「利休にたずねよ」、1月には大河ドラマ「軍師官兵衛」。3作には共通する戦国武将が登場。関連本が注目されそうです。

14日から24日までシドニーで開催される国際交流基金主催イベント「17th Japan Film Festival」ではベストセラー・タイトルの映画化作品が一挙に上映されます。紀伊國屋書店では関連映画原作を店頭展開します。「舟を編む」のほか、「奇跡のリンゴ」「風立ちぬ」「県庁おもてなし課」「クロユリ団地」「図書館戦争」「少年H」「プラチナデータ」「脳男」「横道世之介」「藁の盾」「人類資金」「くじけないで」など話題作品が目白押し。映画と併せてどうぞ。和書売場では和雑誌バック・ナンバーのバーゲンを10月下旬より開催中。在庫がなくなり次第終了です。 大田光穂(和書担当マネジャー)

 

今、売れている本は?ベストセラー・ランキング(集計10月1日〜16日)

■文庫ベストセラー

1  小暮写眞館 上/下  宮部みゆき  講談社文庫
2  陽だまりの彼女  越谷オサム  新潮文庫
3  マリアビートル  伊坂幸太郎  角川文庫
4  真夜中のパン屋さん<午前3時の眠り姫>  大沼紀子  ポプラ文庫
5  そして父になる  是枝 裕和/佐野晶  宝島社文庫

ひょんなことから心霊写真の謎を解くことに…。宮部みゆきの現代ミステリー上下巻が1位を独占。是枝裕和監督の映画ノベライズが第5位に。
 

■新書ベストセラー

1  人間にとって成熟とは何か  曽野綾子  幻冬舎
2  住んでみたドイツ8勝2敗で日本の勝ち  エミ・カワグチ・マ−ン  講談社
3  日本人はいつ日本が好きになったのか  竹田恒泰  PHP研究所
4  人に強くなる極意  佐藤優  青春出版社
5  そして日本経済が世界の希望になる  ポ−ル・R.クル−グマン、山形浩生(監修・解説)  PHP文庫

愛国的タイトルが売れています。アベノミクスの理論的支柱であるノーベル賞経済学者が「ロールモデルとしての日本」の可能性を語る本が5位に。自分らしく生き抜くコツ、現代を“図太く”生き残るための処世術なども堅調です。

KINOスタッフ、オススメの3冊

『恋しくて』 村上春樹編訳 中央公論社(価格:A$37.54、メンバー価格:A$30.03)

2013年ノーベル文学賞を惜しくも逃した村上春樹。受賞者アリス・マンローの短編「ジャック・ランダ・ホテル」を村上春樹の翻訳で読んでみてはいかがでしょうか。主人公の女性が生活をともにしていた男が若い娘と恋に落ち、主人公を捨ててオーストラリアに駆け落ちをする。彼女は経営していた店を売り、男を追いかけて、オーストラリアに渡る。そしてそこに部屋を借り、別人になりすまし、逃げた恋人を相手に奇妙な文通を始める。本書は村上春樹選りすぐりラブ・ストーリー10編のアンソロジー。短編小説の名手マンローの単行本には『林檎の木の下で』『イラクサ』もあります。

 

『舟を編む』 三浦しをん 光文社(価格:A$31.28、メンバー価格:$A25.02)

2012年本屋大賞1位受賞作「舟を編む」。4月に松田龍平、宮崎あおい主演で映画化された大作がJapanese FilmFestivalでも上映されます。不器用な人間たちが辞書編集部を舞台に、恋に仕事に右往左往。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく—。新しい辞書『大渡海』は編み上がるのか? 当面文庫化はされませんので紀伊國屋書店では単行本で会員向けに20%OFFで販売中です。

 

『清須会議』 三谷幸喜 幻冬舎文庫(価格:A$12.89、メンバー価格:A$11.60)

脚本家三谷幸喜の笑いとドラマに満ちた傑作時代小説、11月9日映画化。信長亡き後、清須城を舞台に、歴史を動かす心理戦が始まった。猪突猛進な柴田勝家、用意周到な羽柴秀吉。情と利の間で揺れる丹羽長秀、池田恒興ら武将たち。愛憎を抱え、陰でじっと見守るお市、寧、松姫ら女たち。キャスティング・ボートを握るのは誰なのか? 織田信長亡き後の跡継ぎ問題と領地分配に関する会議、5日間の攻防を「現代語訳」で綴る。信長の将来性を見抜き、秀吉の天下取りを演出する「天才軍師」黒田官兵衛の歴史小説「黒田如水」もどうぞ。

 
 

洋書コーナー担当 今月のイチオシ!

『1913: The Year Before the Storm』
Illies, Florian (A$27.99, Members A$25.19)

Superbly written with much wit and humour, Florian Illies weaves together the lives of various inhabitants of a doomed civilization: Europe 1913, on the brink of a World War which would destroy their world as it was known forever. Going month by month, an ominous countdown, this book features a variegated cast of characters including amongst others: a down-andout Hitler makes a living painting kitsch landscapes while Duchamp contemplates the bicycle; Stalin travels across the continent incognito, the Mona Lisa goes AWOL and Picasso is called into question; and Dr. Sigmund Freud has a strange visitor. An intriguing little book, whose lively and irreverent narration is tinted with a bittersweet nostalgia.

Jay

 

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