ダニから愛犬を守る新薬について教えてください

何でも相談

Q 犬を2匹と猫1匹を飼っています。家の裏庭がブッシュとつながっているので、暖かくなってくるとダニがよく付いてしまいます。最近ダニ予防の新しい薬があると聞きましたが、効果はどうなんでしょう。ノミにも効きますか? また猫にも使えるのでしょうか?
(32歳会社員=女性)

A ノミとダニは犬猫を飼っている人には、とても身近で厄介な寄生虫です。発生率はノミの方が高いかもしれませんが、危険なのはダニの方です。オーストラリアの東海岸には、吸血する時に神経性の毒を出すダニが生息しています。通常は野生動物に寄生しており、彼らは毒への耐性がありますが、犬や猫では1匹寄生しただけで致死量になります。ペットの毒ダニによる致死率は治療をしても5~10パーセントといわれています。

以前ダニは春夏の暖かい季節だけに限られていましたが、気候の変動によるものか、ここ数年では秋を過ぎてもダニの被害が見られるようになってきました。そのため、ダニが多いブッシュやビーチの近くでは1年を通じて予防をすることが大切になってきています。

ダニの症状

ダニが付いた部分のかゆみや腫れ
足のふらつき、歩行困難
嘔吐
呼吸困難

治療

 まずダニを取り除き、解毒作用のある血清を点滴で投与します。この血清は一度神経と結びついてしまった毒素には効果がないので、少しでも早く治療を始めることが肝心です。後は毒が自然に抜けるまで安静を徹底し、点滴などの支持療法を続けます。呼吸困難を起こしている場合は酸素吸入も必要です。回復は症状の進行具合や年齢などで大きく変わります。
 ダニの毒は進行が遅く、ダニが付いてから2~3日しないと全身症状は出ません。ですので、付いてしまっても24時間以内に取り除けば治療が必要になることはまずありません。

予防法

 予防薬は今までは首輪か皮膚に塗るタイプに限られていて、一般的なものは首の後ろに塗るFrontline PlusやAdvantixといったノミとダニの混合予防薬でした。しかしこれは2週間おきに使用しないとダニへの予防効果がなく、またシャンプーをしたり泳いだりすると薬が洗い流されることも考慮する必要がありました。
 2014年から豪州で認可された新しい予防薬は2つあり、両方とも飲み薬です。

1. Nexgardは一度の投与で、1カ月間ノミとダニの両方に効果があります。
2. Bravectoはノミに対して3カ月間、ダニには4カ月間の効果があります。

両方とも味付きなので、苦労なく飲ませることができ、8週齢から使用できます。当クリニックではどちらもまだ使用し始めてから1年足らずですが、ノミとダニ両方の予防効果を大いに実感しています。副作用として投与後まれに嘔吐もみられるようですが、食事と一緒に与えるとそれも軽減できます。またFrontline PlusやAdvantixを2週おきに使うのに比べ、費用もずっと安くなります。
 残念なことに両方とも犬専用で、猫には従来のFrontline Plusしかダニ予防の薬はありません。

*Advantixは猫には有毒なので使用しないで下さい。


戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。

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