13歳の飼い猫の元気がなく体重減。どのような検査を受けるべきですか

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Q

最近13歳の愛猫の元気がなく、食欲にもムラがあり体重が減ってしまいました。血液検査では特に異常がなく、レントゲンの他に超音波検査も勧められました。両方した方が良いのでしょうか。(48歳主婦=女性)

A

当たり前のことですが、動物は具合が悪くても、どこが悪いか自分では言ってくれません。病気によっては、すぐに病気と分かる特徴的な症状もありますが、多くの場合は、意気消沈することや食欲の低下など、多様な病気に共通する症状しか見られません。そこで病気の診断をして、適切な治療をするには1つひとつ順を追って検査をしていかなければなりません。どの検査を選ぶかは、その検査によって得られる情報の多さや重要さだけではなく、検査費用や患畜がどれだけ負担になるかも考慮しなければなりません。

最初にできること

まず、血液検査と尿検査は最低限しておいた方が良いです。そこで病気がはっきりしない場合は画像診断に進みます。

●X線検査(レントゲン)

X線検査の利点は、「早い」「全身麻酔なしでも撮れる」「比較的安価」などの点が挙げられます。骨の状態(骨折、関節炎、骨腫瘍)を見るのに優れていて、胸部(肺や気道)の状態を見るのにも適しています。腸内の異物や膀胱結石などは、その性質によってX線にはっきり写るものもあれば、全く写らないものもあります。内臓の細かい所は分かりません。また、頭蓋骨に覆われている脳を見ることもできません。胸部のX線を撮る時は麻酔なしでも問題はありませんが、背骨や股関節の撮影は少しでも動かれると困るので全身麻酔が必要になります。

●超音波検査

超音波は、肝臓や腎臓の状態、腸壁の厚さや層の変化、リンパ節の大きさなど、X 線では見ることのできない内臓の状態を見ることができます。超音波の欠点は、骨と空気に阻まれるため、胸部の検査には(心臓のエコー検査を除いて)向いていません。また、超音波技師の技量に左右される検査なので、専門医に診てもらうのが良いでしょう。全身麻酔は必要ありませんが、30分程横になっている必要があるので、鎮静剤を与えます。

●CT検査、MRI検査

通常のX線や超音波検査でも異常が見つからない、または見つかって更に精密検査が必要な場合、次のステップとしてCT検査やMRI検査という方法があります。通常のX線に比べると解像度がはるかに優れており、X線では見逃してしまう小さな病変を見つけることができます。また、3D画像として見られるので、病変部位がどこまで及んでいるか、他の臓器とどう関わっているかなどがはっきりと分かります。MRIは、特に脳や脊髄の画像を撮るのに適しています。
 CTやMRIの設備がある病院は、シドニーでは大きな専門病院に限られているので、紹介状が必要となります。検査では全身麻酔を使用します。

今では動物もいろいろな検査を受けられるようになってきました。しかし、検査はあくまで診断をするのに必要な過程であり、治療への入り口でしかありません。難しい病気の場合、診断が得られるまでに幾くつもの検査が必要になることもあるので、主治医としっかり相談しながら進めてください。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。


戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。

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