遠出のドライブによる愛犬の車酔いを防ぐ対応策

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Q

我が家の犬(3歳のダックスフント)は車が苦手で、遠出のドライブはもちろん、近くの病院に連れて行く時でも吐いてしまうことがよくあります。何か対策はありませんか。(30代主婦=女性)

A

犬を飼っていれば、車で犬を連れて移動する機会は必ずあります。しかし残念ながら、車に酔ってしまう犬は意外と多くいます。猫も例外ではありません。

ペットの車酔いの引き金は、車の揺れや振動による物理的な刺激に加え、車に乗ること自体への不安や恐怖心による精神的な刺激もあります。

原因

車酔いのメカニズムは人間と同様、乗り物の揺れで耳の奥にある三半規管が刺激されることで自律神経系や平衡感覚の乱れを引き起こし、吐き気や嘔吐(おうと)といった症状を引き起こします。

動物にとっては、車の揺れだけでなく、慣れない車内の臭いや、いつも以上に速く動く景色、ストレスや不安なども、乗り物酔いを引き起こす原因となります。

症状

車酔いで見られる代表的な症状には、以下のようなものが挙げられます。

  • そわそわする、落ち着きがなくなる
  • 大量のヨダレが出る
  • あくびの回数が多くなる
  • 震える
  • 嘔吐
  • 尿や糞の排泄(主に猫)

対処法

車酔いをしてしまったら、できるだけ早く車を止めて休憩を取るようにしましょう。

外に出て歩かせると気分転換になります。車から降りられない場合は窓を開けて空気を入れ替えてあげます。もし吐いたり排泄をしてしまった場合は、素早く片付けてあげるようにしましょう。

予防

動物の車酔いは、車に乗ると気持ちが悪くなる、または具合が悪い時に車に乗って病院に行く、といった負の関連付けに起因することが多いので、「車に乗ると良いことがある」と思えるよう、日頃から公園など楽しい場所にも車で行き、一緒に遊ぶと良いでしょう。

子犬や子猫の場合、まずは車に乗ることから始め、車の中で遊んだりおやつを与えたりして、車内が安全な場所だと覚えさせましょう。車内にいる時間を徐々に伸ばしながらエンジンをかけたりし、車の雰囲気に慣れさせます。慣れてきたら家の周りを1周する程度から車を動かし、徐々に車に乗っている時間と距離を伸ばしていきましょう。既に車が苦手な場合も、このやり方で時間を掛けて少しずつ慣れさせることができます。

物理的な酔いを抑えるためだけなら、吐き気止めの薬だけでも十分効果があります。「セレニア」は24時間効果がある強い吐き気止め薬で、安全性も高く、乗り物酔いに対し、とても有効な薬です。

車に対して恐怖心がある場合は、抗不安剤の「アルプラゾラム」や「トラゾドン」などを使います。ただの吐き気止めと違い、これらは鎮静作用もあります。必要量に個体差があるので、何度か試して適量を調べる必要があります。

長距離の移動の場合はこまめに休憩を取る、窓を開けて換気を良くする、急発進や急ブレーキを避けるなどに気を付けてあげましょう。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。


戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。

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