
Q: うちの犬は毎年夏になると皮膚炎を起こ してしまいます。気が付くとあっという間 に化膿していたりすることもあるので、こ れからの季節が心配です。原因、予防法、 治療法などを教えてください。
(42歳女性=主婦))
A: 昨年に続き今年も湿度の高い夏にな りそうです。皮膚病は犬猫ともに年間 を通して見られますが、蒸し暑い季節 になると特に多いのが “ホット・スポッ ト”と言われる急性湿疹です。化膿性創 傷性皮膚炎とも呼ばれ、部分的に急性 に激しい炎症を起こす皮膚病です。
症状:
猫より犬に多く、突然に発症するの が特徴です。発症部位の皮膚は被毛が 抜け、赤く腫れ、多くの場合浸出液が 見られます。ひどい場合は膿で黄色く 変色し、じくじくと濡れ、周りの毛は カサブタ状にこびり付いていることが あります。強い痛みをともなうので飼 主が触るのを拒みます。炎症を起こし ている病変部は、数センチから次の日 には十数センチまで広がることもあり ます。
原因:
単一の原因はなく、皮膚にかゆみを 起こすものなら何でも引き金になり ます。虫さされ、アレルギー、アト ピー、水泳やシャンプー後の乾燥不 足、毛のもつれなどです。皮膚を舐めたり引っ掻いたりすることによって炎 症が進み、傷付いた皮膚に細菌が感染 して化膿します。
夏の時季に多く見られるのは、高い 気温と湿度によって毛の根元が蒸れて そこに細菌感染が起こりやすくなるか らです。そのため、毛が密生している レトリーバーやラブラドールなどの犬 種によく見られます。アレルギーやア トピーが原因である場合は再発するこ とが多く、夏の間に何度も患ったり、 気候が涼しくなってからも発症したり します。
治療:
病変部が小さく症状が軽い場合 は、毛を刈って皮膚を洗浄した後、 消炎剤と化膿止めの抗菌剤が入った 外用薬で治療します。感染が進み病 変部が大きく、膿も多く出ていたら 内服薬も必要になります。抗生物質 に加え、炎症とかゆみを抑えるため にステロイドも併用します。それ以 上患部を咬んだり引っ掻いたりしな いよう、エリザベス・カラーの装着も します。
治療を始めたら数日で症状は良くなりますが、完治まで2週間ほどかか ります。
予防:
皮膚がかゆくなる原因を見つけ、そ れを防ぐことが第一です。中でも皮膚 のかゆみの最大の原因であるノミの予 防は一番重要です。特にノミ・アレル ギーのペットは1年を通じてしっかり と予防するようにしてください。
原因が分からず、毎年のように再発 してしまう場合は、外用薬を病院でも らっておき、症状が軽いうちに早期治 療をすれば悪化させずにすみます。レ トリーバーのように長毛の犬は夏の間 短く毛を刈ってやると湿気と熱が抜け やすく、また皮膚疾患の発見も楽にな ります。
皮膚病にかかりやすい場合、シャン プーは暑過ぎず乾燥した日を選んで、 薬用のものを使用することをお 勧めします。 洗った後はしっ かりと乾かすこ とも忘れないで ください。

戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic
シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シ ドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリ ナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。
