猫が膀胱炎だと言われました。

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Q: 今年12歳になる猫を飼っています。先日血尿が出たので、病院に連れて行ったら膀胱炎だと言われました。今までになったことがなかったのでビックリしました。何か気を付けた方がいいことがあったら教えてください。

(18歳学生=男性)

A: 膀胱炎は膀胱に炎症が起こる病気で、猫と犬両方に比較的よく見られる疾患の1つです。

 

症状

トイレに行く回数が増える、尿がなかなか出ない、または少量しか出ない、排尿時に痛そうに鳴くことがある、尿に血が混じる、などです。食欲減退や多飲の症状を伴うこともあります。

 

原因

一番多いのが細菌感染か、尿結晶や尿結石による膀胱炎です。両方が混在することも珍しくありません。猫では尿結晶がよく見られますが、10歳以上の猫で膀胱炎になる場合は、半数以上が細菌感染によるものです。

 

(1) 細菌感染 ─ 通常、膀胱内は定期的な排尿と尿の濃度によって無菌状態が保たれています。したがってトイレを我慢する状況が続いたり(例えば猫砂が汚れていてトイレの使用を嫌がる、雨が続いて外に出ないなど)、腎臓疾患で尿濃度が薄まったりすると細菌の侵入を許し、感染を起こしてしまいます。細菌感染は尿道が短くて太いメスによく見られます。
 
(2) 尿結晶/結石 ─ 尿に含まれるミネラル分が尿の濃度やpHによって結晶化し、結晶が集まり大きくなると結石ができ、膀胱粘膜を傷つけて炎症を起こします。オスは尿道が長くて細いため、尿結石ができると、尿道が詰まって危険な状態になることもあります。
 
(3) 猫の突発性膀胱炎 ─ 若い猫の場合、原因がないにもかかわらず炎症を起こす泌尿器疾患があります。ストレスや水分補給の不足などとの関連と見られますが、ハッキリとした原因は分かっていません。
 

診断

膀胱炎を起こしていることはたいていその症状で分かりますが、原因は尿検査をしないと分かりません。見た目には普通の尿でも検査すると血液が混じっていることもよくあります。高齢の場合はほかの内臓疾患がないかを調べるため、血液検査もします。

 

治療

細菌感染が原因の膀胱炎では抗生物質を投与します。単純な感染症なら10日から2週間ほどで治るはずです。尿結石の場合は尿のpHを変える食事療法で溶かすこともできますが、結石の大きさや種類によっては外科手術が必要になることもあります。もし腎臓疾患などが原因で感染症を起こしている場合はその治療も必要になります。

 

予防

猫で大切なのは飲水量を増やすことです。水分をちゃんと取ることで、定期的な排尿で細菌感染を防げ、また尿濃度が上がり過ぎないようにして結石ができるのを防ぎます。ドライ・フードばかりではなく、水分を多く含むウエット・フードも与え、飲み水を絶やさないようにします。トイレは猫が好む砂のタイプや、設置場所を考慮し、常に清潔にしておくことが大事です。1匹以上飼っている場合はトイレの数を増やすことも忘れないでください。 

尿結石を予防する処方食は結晶の材料になる成分の制限や、結石化しづらい尿pHに調整する効果、飲水を促す工夫がされています。結石が原因で膀胱炎を患ったことがある猫は、処方食を継続して与えることが再発予防として有効です。


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戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。

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