猫が便秘気味です。

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Q: 15歳の猫を飼っています(雑種、雄、去勢ずみ)。最近、便秘気味で、なかなか便が出ないようで見ていて可哀想です。どうしてあげたらいいでしょうか。
(18歳女性=学生)

A: 猫はもともと骨盤が狭く小さいことから、犬に比べ便秘(Constipation)になりやすい動物です。1、2度便の通りが悪かったからといって過剰に心配することはありませんが、もし繰り返し便秘になるようでしたら対処をする必要があります。また高齢の猫の場合、便秘がほかの病気の初期症状であるかもしれないので、早めに病院で診てもらった方がいいでしょう。

症状

トイレで何度も排便の姿勢をするがなかなか便が出ない、排便時に痛みで鳴き声を上げる、トイレに行く回数が減るなどです。重度の便秘になると食欲が落ち、嘔吐、体重減少も見られます。

重度な便秘が慢性化すると腸内に停滞した大量の便が大きな塊となり、結腸部分が伸びきって機能しなくなってしまう「巨大結腸症」(Megacolon)につながる恐れがあります。

原因

猫が便秘になる原因はいくつもありますが、高齢猫が便秘になる理由として主に以下のことが考えられます。

(1) 過去に交通事故などで骨盤を骨折したことによる骨盤狭窄で便が通りにくくなる。または神経を損傷したことで排便が困難になる。
(2) 慢性腎不全による脱水で便が乾燥して硬くなる。
(3) 関節炎のために排便の姿勢が取りにくい。
(4)肛門の周りや腸内に疾患がある。

ほかにトイレが汚れている、新しいペットを迎え入れた、引っ越しをした、などのストレスが要因になることもあります。

治療

軽度の便秘は「Cat Lax」や「Lactulose」といった緩下剤や軟化剤を飲ませるだけで解消できます。

便秘が何日も続くと、肛門付近の便はとても硬くなってしまっています。その場合、輸液療法で水分を補い、浣腸と手指で直腸と結腸内を空にする処置をとりますが、たいていは全身麻酔が必要になります。

巨大結腸症を起こしている場合は外科手術で弱っている結腸部分を切除します。

予防

犬と違い、猫(特に外で排泄をすませる猫)の排便の有無は見落としがちです。普段から便や尿を含めた健康状態をしっかりと把握しておくことで早めの対処が可能になり、重症化を防ぐことができます。便秘は肥満体形の高齢の雄に多いので、肥満の予防と改善も大切です。

便秘になりやすい猫や、重度の便秘症を患ったことのある猫は継続的な投薬や食事療法で再発を防ぎます。内服薬では先に述べた緩下剤や軟化剤のほかに、腸の動きを促すぜん動促進剤も使います。食事は水溶性の繊維質が多く含まれている「Hill’s r/d」や「Eukanuba Intestinal Plus」といった処方食を与えるか、食事にオオバコ種皮(Psyllium husk)の粉を加えます。

十分に水分を取ることも大事なのでウエット・フードに替えるか、ドライ・フードを水でふやかしてやるといいでしょう。

またほかの疾患が理由で便秘を併発していることも多いので、原因を突き止めその治療をしっかりとすることが大事です。


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戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。

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