暑さに弱い愛犬、夏が始まる前に熱中症対策を教えて!

Q うちの犬は暑さに弱いみたいで、少し暑くなるとすぐハアハアしてしまいます。これからの夏に向けての熱中症対策、また応急手当の仕方などを教えて下さい。
(24歳学生=女性)

 

A 熱中症(heat stroke)は急激な体温の上昇によって体の中でさまざまな機能障害を起こし、治療が遅れると命にかかわる危険な病気です。犬はほとんど汗をかかないため体温調節が人間に比べて難しく、熱中症になりやすい傾向にあります。真夏だけでなく、急に気温が上がる春先から気をつける必要があります。

原因

犬は暑くなると舌を出しハアハアと浅く速い呼吸をし、唾液の蒸散による気化熱で体温を下げます。熱の発散が追いつかなくなり、体温が40~41度以上になると熱中症を起こします。

熱中症を起こしやすいケース・原因

1.高温多湿の環境
2.水分補給の不足
3.急な環境の変化による順応不足
4.パグやブルドッグなどの短頭種
5.病気や肥満による心肺機能の低下
6.体力のない子犬や老犬

症状

熱中症の初期症状は、浅く速い呼吸、落ち着かない態度、舌や目の充血などです。症状が進むと虚脱や意識の混濁、嘔吐や下痢、それに痙攣(けいれん)などがみられます。治療が遅れると多臓器不全で死に至ります。

治療

熱中症は応急処置を要する緊急事態です。症状が見られたら、病院に連れて行くよりも先に、一刻も早く体温を下げる必要があります。体全体に水をかけ、意識があって水が飲める場合は水分補給をさせ、布に包んだ保冷剤を脇や鼠径部に当て冷やします。冷やし過ぎによる低体温を防ぐため、体温が39度まで下がったら冷やすのを止めます。 意識がない場合は、応急処置を行いすぐ病院に連れて行きます。熱中症は腎臓、胃腸、肝臓、脳など多くの臓器や器官にダメージを与えます。助かるかどうかは高体温の状態が続いた時間と、臓器の損傷の度合いによります。

予防

1.車内での留守番はさせない
 真夏日はもちろん、外気が22度前後の過ごしやすい日でも車内は50度近くに達します。窓を少し開けておいても大して変わりません。(NSW州では、車内に放置したことでペットが健康を害した場合、罰金または禁固の対象になります)

 

2.閉め切った暑い室内での留守番を避ける
 日当たりのよい室内ではエアコンをつけ、飲み水を数カ所に用意しておきます。外飼いの場合は、十分な日よけがあることを確認し、猛暑日は涼しい室内に避難させましょう。

 

3.暑い日の外出を控える
 犬は体の位置が地面に近いため、アスファルトやコンクリートの照り返しを強く受けてしまうので、芝生を選んで歩かせます。

 

4.暑い日は運動を控える
 公園などで興奮して延々と遊び続けてしまうような犬は気を付けましょう。散歩は朝夕の涼しい時間帯を選んで下さい。


戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。

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