12歳の飼い猫が高いところに飛び乗らなくなってしまいました

Q うちの猫は今年で12歳になります。以前はとても活発な猫でしたが、最近は寝ていることが多くなり、足が痛いのか高い所に飛び乗ることも減りました。年相応かとも思うのですが、何かできることはないでしょうか。
(25歳会社員=女性)

 

A 高齢の猫で意外と多いのが関節炎です。関節の疾患は犬ではよく知られていますが、実は多くの猫も関節のトラブルを抱えています。しかし猫は痛がる姿を見せようとしない習性があるので、飼い主が気付かないことも多く、治療を受けることができないままの猫がたくさんいると思われます。

原因

関節炎は骨と骨をつなぐ関節部分に炎症が起こることで、クッションの役割である軟骨がすり減って変形したり、周りの骨が増殖して突起ができたりして、関節が正常に動かなくなります。関節を動かすたびに痛みを伴う、慢性的かつ進行性の疾患です。
 猫で一番発生しやすい個所は体重の負荷が一番かかる前脚の肘関節、続いて股関節です。腰のあたりを痛がる猫も多くいます。

症状

犬の場合と違い、猫の関節炎ではびっこを引く歩き方はあまり見られません。気を付けたいのは、日常的な行動や動作の変化です。

おもちゃで遊びたがらなくなった
寝ていることが多くなった
高い場所から/高い場所へジャンプしなくなった
動作がゆっくりになった
毛づくろいや伸びをあまりしなくなった
関節の周りをよく舐める
ブラッシングを嫌がるようになった
トイレの粗相をするようになった
診断

レントゲンで関節に変性があることが確認できますが、必ずしも症状に比例するわけではありません。多くの場合では、飼い主が気付いた症状と、診察時の触診と合わせて判断します。
 それでもレントゲンはほかの病気(骨腫瘍など)を調べるのには有効です。また、血液検査もほかの病気の有無と肝臓と腎臓の機能を確かめるためにした方が良いでしょう。

治療

残念ながら、関節炎そのものを完治させることはできません。しかし、痛みを取り除くことで日々の暮らしをずっと楽で元気に過ごせるようになります。改善に役立つ薬や方法の例は、下記の通りです。

鎮痛剤:非ステロイド系消炎剤は猫の腎臓に負担をかけるからと長く嫌遠されていましたが、最近では安全性の高いものを少量使用しても腎臓に悪影響はないということが分かっています。毎日、または一日置きに服用します。
肥満の改善:関節にかかる負荷を減らす一番の方法は減量です。

飼い猫の動きが鈍くなった、または足腰が弱くなったと感じた場合、まず関節炎を患っていないかどうか調べてください。治療を始め症状が改善されて初めて、猫が苦しんでいたのだと分かる人が大勢います。


戸塚 遊喜(とつか ゆき)
Chatswood Veterinary Clinic

シドニーの現地校を卒業後、シドニー大学の獣医学部を卒業。現在、シドニーのノースショアにある小動物専門病院「チャッツウッド・ベタリナリー・クリニック」に勤務。動物の鍼灸師の資格を保持している。

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