日本人スタッフによる高齢者介護「Japan Total Care Servise」

日本人スタッフによる高齢者介護「Japan Total Care Service」

日本人高齢者への介護サービス「ジャパン・トータル・ケア・サービス(Japan Total Care Service)」をシドニーで設立した沼田貴史代表に、開始の経緯やサービスの概要を伺った。

先進国の中でも日本は高齢化率が高いことで知られるが、ここオーストラリアでも、2056年までに日本同様の高齢化社会(総人口に対し65歳以上の人口割合が高い社会)の時代を迎えるとの予測を政府が発表。こうした時代背景を踏まえ、多くの移民を擁する多国籍国家として今「移民高齢者のケア」が課題の1つとされている。

家事支援サービスをシドニーで提供する創生会インターナショナル(SSKI)は10月、日本人による日本人向けの高齢者介護サービス「ジャパン・トータル・ケア・サービス(Japan Total Care Service)」を立ち上げた。同社代表の沼田さんは、「オーストラリアの日本人社会も少しずつ高齢化が進んでいます。この国を永住の地に選んだ日本人でも年を取ると、それまで使っていた英語を話せなくなったり、入居先の介護施設で出されるステーキやミート・パイなどオーストラリア式の食事になじめず日本食を恋しがる方も少なくありません」と話す。

ジャパン・トータル・ケア・サービスでは、高齢者宅の炊事や洗濯などの家事だけでなく、入浴やトイレ介助などのパーソナル・ケア、医療・介護資格者による服薬サポート、家族とのコミュニケーションを含むマネジメントなど、高齢者の暮らし全般を支えるサービスが提供される。

「介護は『人』が相手。その方の体調などにより生活状況や必要なサービスも日々変化します。ご家族でも経験がなければ『今、何のサービスが必要か』を正しく判断できないケースがあります。また、オーストラリアの福祉システムが非常に複雑であるため、実際に利用者がほとんどいらっしゃらないのが現状です」


その問題を解決すべく、ジャパン・トータル・ケア・サービスはシドニーでケア・マネジメントを専門に扱う「National Care Management」社と提携。政府への介護保険申請や病院への連絡、ソーシャル・ワーカーへの相談など、事務的な面も含む包括的なケアを請け負うことで、家族に代わって高齢者ケアの管理をする仕組みを用意した。英語で提供される公的サービスの利用をためらう人も、ジャパン・トータル・ケア・サービスの助けを得ることで、ストレスなく心豊かな老後を送ることが可能になるだろう。

日常的な介護から看取りまで

この日本人高齢者介護サービスは2016年10月に正式にスタートしたが、一部サービスはそれ以前から始まっており、海外在住の家族の依頼を受けシドニーの独居高齢者の最期を看取るケースもあったという。

「体が不自由になると楽しみが減り、生活の基本的なことに大きな喜びを見出すことが多くなります。特に多いご要望は、和食の調理、そして日本語での話し相手になること。家事についても、例えば場所によってふきんを使い分けるなどの日本人の常識が安心につながります。最期を看取った方の例では、病身のため海外のご家族の元へ移ることが困難で、またご家族も頻繁な渡豪が難しい状況にありました。そのためオーストラリアの看護師資格を持つ弊社の日本人スタッフが24時間体制で介護に当たり、服薬サポートなどはもちろん、転んだ、何を食べたなどの医師への報告や生活管理、ご家族への報告も担当。最期までスタッフが見守ることでご家族にも安心して頂き、非常に意義深いサービスを提供できたと思っております」

移民であっても老いても変わらずに自分らしい生活を続けられることは、本人にとって、そして家族にとっても大きな意味を持つ。ジャパン・トータル・ケア・サービスが取り組んだ、この介護から看取りに至るまでの経緯は、オーストラリアにおける新しい介護スタイルの一例として経済紙『ファイナンシャル・レビュー』で取り上げられた。このことからも、高齢者移民ケアが社会的なテーマになりつつあることが伺えるだろう。

心穏やかな老後のために

ジャパン・トータル・ケア・サービスの活動範囲はシドニー北部エリアを中心に、サービス提供地域を順次拡大予定。完全予約制で泊まりを含む24時間の対応が可能だ。スタッフは看護師(Registered Nurse)やAIN(Assistant in Nursing)、エイジド・ケアの有資格者など、医療や介護のバックグラウンドを持つ日本人。

Japan Total Care Service代表の沼田さん
Japan Total Care Service
代表の沼田さん

公的介護保険(Commonwealth Home Support ProgrammeとHome Care Packages)を使ったサービスの利用も可能で、もちろん他の民間会社のサービスとの併用もできる。

なお、同サービスを提供するSSKIは、日本で約5,000床以上の老人ホームを運営するGOOD TIME ALLIANCEの介護ノウハウを継承している。オーストラリアでの利用者が日本の神奈川や仙台などのホームへ移ることを希望した場合にはサポートも可能だという。

医療サービスや社会福祉の利用方法、どのレベルの介護が必要とされるかなど、疑問を感じたらまずはジャパン・トータル・ケア・サービスへ相談してみてはいかがだろうか。

Japan Total Care Service

■所在地:305/37 Bligh St. Sydney ■Tel: (02)8607-8333 ■Web: www.jtcare.com.au ■Email: info@jtcare.com.au

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