【QLD】すてきに年を重ねよう!リタイアメントに備えて今できること③

すてきに年を重ねよう!リタイアメントに備えて今できること

介護 取材協力=在豪邦人コミュニティー·サポート(JASIC)/沼田貴史さん、小島直美さん

必要に応じて利用すべき介護サービス

自身または身内に介護の必要性を感じた時には、積極的に介護サービスを利用していこう。経験のあるスタッフによる介護は安心を得られると同時に、心身共に負担を軽減することができる。オーストラリアも日本と同様に、どの程度の介護の必要性があるかという介護認定を受けてから、そのレベルに応じたサービスを受けることができる。

オーストラリア政府の運営する「マイ・エイジド・ケア(My Aged Care)」では、介護の度合いに応じてさまざまなサービスを提供している。介護認定を受けるには、介護を受ける本人または家族がマイ・エイジド・ケアに電話をかけて登録することから始まる。英語でのコミュニケーションに不安がある場合は、無料通訳サービス(TIS/Tel: 13 14 50)を利用しマイ・エイジド・ケアへの登録、手続きを進めることが可能だ。

電話で登録を行う際、質問される項目は主に以下の通りとなっており、登録は5~10分で完了する。

  • ●氏名
  • ●現住所
  • ●メディケア番号
  • ●生年月日
  • ●居住形態(一人暮らし、家族同居、居住に経済的援助を受けているかなど)
  • ●出生国
  • ●母国語
  • ●電話番号

登録が完了すると、その場でマイ・エイジド・ケアのID番号が電話口で交付される。マイ・エイジド・ケアのID番号はカードや書類として発行されないため、必ず申請者自身で控えておく必要がある。すぐに介護サービスを利用したい場合は引き続き、電話で以下の簡単なアセスメント(約10~20分)を受ける流れとなっている。以下が、そのアセスメントでの主な質問項目となっている。

  • ●どのようなサポートが必要か
  • ●現在の健康状態
  • ●他にエイジド・ケア・サービスを受けているか
  • ●政府から受けている援助があるかどうか
  • ●買い物は1人で行くことができるか
  • ●歩く際に補助器具を使用しているか
  • ●薬局に1人で薬を取りに行くことができるか
  • ●生活をする上で体のどこかに不自由は感じるか

その後3~6週間以内にマイ・エイジド・ケアから自宅への訪問アセスメント日時の連絡がくる。その指定日時に政府から委託されている地域団体より、軽度の介護度を認定する認定者(Regional Assessment Service/RAS)、または中度・重度の介護度を認定する(Aged Care Assessment Team/ACAT)認定者が来訪し、実際に介護を受ける人と面会、会話を通して介護レベルの認定が行われる。その際に、GPやその他の専門医からの診断書や紹介状(referral)、担当医師の連絡先を用意しておくと認定作業がスムーズに進む。この訪問認定の結果により、提供されるサービスが分かれる仕組みとなっている。

24時間生活サポートをしてくれる施設

もし自宅での自活に限界を感じたり、在宅での介護が難しい状況になれば、エイジド・ケアの施設への引っ越しを検討しよう。一般的に「エイジド・ケア・ホーム」と呼ばれる24時間毎日の生活をサポートしてくれる施設だが、「レジデンシャル・エイジド・ケア・ファシリティー(Residential Aged Care Facility)」や「ナーシング・ホーム」とも呼ばれ、以前は要介護度により区分されていた。だが、近年では、同じ施設内で段階に応じた介護サポートを受けることができるようになってきているため、これらの違いはほとんどなくなっている。「レジデンシャル・レスパイト・ケア」と呼ばれる短期間の滞在型のケアもある。

では、国の介護施設でのサービスを受けることを希望する場合、実際に施設入居までの流れはどのようになるのか見てみよう。介護サービスの認定の場合と同様、マイ・エイジド・ケアに連絡をすることから始まる。

  1. ①マイ・エイジド・ケアに連絡をする。
  2. ②介護度のアセスメントを受け、介護度を認定してもらう。
  3. ③センターリンクで施設入居のための年収と資産の認定を受ける。
  4. ④希望する介護施設に連絡し、部屋の空き状況を確認する。
  5. ⑤空きがあれば、入居日、必要費用、部屋など詳細について調整する。
  6. ⑥調整して双方が合意すれば入居へ。

想定される施設入居費用

介護施設への入居を考えた際、一番気になるのが必要となる費用ではないだろうか。入居金や住居費といった費用は、入居希望の施設の内容、そこで受けるサービスによって金額が異なるため、一概に費用を算出して明記することはできない。しかし、基本の生活費を含むデイリー・フィーは、マイ・エイジド・ケアのサイトで入居者本人の年収と資産の概算を入力すれば試算することできる。

デイリー・フィーとは主に食事、ランドリー、清掃、電気代や通信費用などを含む基本の生活費用だ。しかし、ある規定以上の収入と財産がある場合は、それとは別に、ケア・フィーやアコモデーション・フィーが追加加算される。覚えておくこととして、入居者本人の年収と資産が多ければ多いほど、支払う費用も高くなるということだ。年収と資産が十分にない場合は、基本のデイリー・フィーだけの支払いとなり、老齢年金の支給額85パーセント以上に掛かることはない。

将来を見据えて下調べと準備を始めよう

いつの日か介護を必要とする時が来ることを予測して、今から事前にリサーチを進め準備をしておけば、より良いリタイアメント生活を全うすることができるはずだ。

自分の余生をどのような場所でどのように過ごしたいのか、そこではどのようなケアを受けることができるのか。前もって資料を取り寄せたり、インターネットで調べたりして情報収集しておこう。オーストラリアは年々平均寿命が延びており、この先さまざまなニーズに応じた介護サービスが発達すると期待されているので、催されるセミナーや勉強会に参加すれば、介護の仕組みや掛かるコストなども理解できる他、新しい情報なども得ることができる。

自分の家族やパートナーとも話し合いの時間を持ちながら、理解を深めることも忘れてはならない大切なことである。

マイ・エイジド・ケア(My Aged Care)
 Tel: 1800-200-422

エイジド・ケア(101 Aged Care 101)
 Web: www.agedcare101.com.au


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