豪州、新生活のはじめ方

♦初めて暮らすオーストラリア♦
新生活ガイド

入学、卒業、就職など心機一転の時を迎えることの多い日本の4月。オーストラリアでも、この時期に日本から来て、新生活をスタートさせたばかりという人も多くいるのでは。そこで本特集では、オーストラリアで初めて暮らすという人を対象に、日本とは異なるオーストラリア生活のいろはをご紹介する。

1. 銀行口座

オーストラリアに来てまず最初にやっておきたいのは、銀行口座の開設。

オーストラリアは日本よりもカード社会化が進んでいるため、多くの人が現金をあまり持たずに生活している。ほとんどのレストランや小売店では、エフトポス(EFTPOS)と呼ばれる日本のデビット・カード決済に相当するシステムを導入しているため、支払いはクレジット・カードだけではなく、バンク・カードで自分の銀行の普通預金口座(Savings Account)から直接支払うことができる。

また、水道代などの公共料金もインターネットを利用して自分の口座から支払うビーペイ(BPAY)というシステムで簡単に支払うことができる。日本ではあまり馴染みのない小切手も、公共料金や家賃の支払いに利用されている。

定期預金は日本より利率がかなり高いので、開設の際は各銀行の利率をよく見比べて賢く選びたいところ。普通口座の場合は、毎月の手数料がかかる場合もあるので、各サービスを吟味してから開設しよう。また、利息に多額の税金がかかるのを防ぐためにも、タックス・ファイル・ナンバー(後述)を登録しておくことも忘れずに。

2. 働くならタックス・ファイル・ナンバー取得

オーストラリアで働く、銀行の利息を受け取るなど収入が少しでもある場合は、タックス・ファイル・ナンバー(TFN)を取得する必要がある。申請は、オーストラリア国税庁(ATO)のウェブサイトか、最寄のATOオフィスで手続きできる。TFNを持っていないと、課税率が高くなるので注意しよう。

年度末(6月末)を過ぎると、会社員でも会計報告や確定申告に当たるタックス・リターンをする義務が生じる。ウェブサイトでの申告も可能だが、トラブルを未然に防ぐためにも税理士に依頼することが一番安全と言える。前年度のタックス・リターンの個人での申告は、毎年10月31日まで。

■ATOウェブサイト Web: www.ato.gov.au

3. 住まいはシェアも人気

家賃の上昇が続いているオーストラリアでは、賃貸・住宅購入のほか、特に若い人を中心に、マンションや一軒屋を数人でシェアするケースが多い。

住宅探しで地元オーストラリア人によく利用されているのが、「realestate.com.au」「Domain」といった情報サイト。気になるエリア名や住宅タイプ、部屋数、家賃などを検索条件に入れると、該当物件の詳細を見ることができる。また、地元紙(シドニー・モーニング・ヘラルド、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、デイリー・テレグラフなど)の住宅情報ページも情報量が充実している。このほか、専門家である不動産屋で直接情報を入手するのも手だ。

シェアの際は、気になるエリアのショッピング・センターの掲示板のほか、日本語での情報なら、本紙日豪プレスのウェブ版のクラシファイドを活用しよう。

4. 仕事探しはウェブや人材紹介会社で

オーストラリアの仕事探しで多くの人が利用しているのが「Seek.com.au」「Career One」などの求人サイト。働きたいエリアや職種などを選択することで、人材募集の情報を検索することができる。また、派遣会社や人材紹介会社に登録するのも一手だ。

さらに場所によっては、履歴書を持参して直接問い合わせることができる場合があるので、「ここだ!」と思う職場には訪ねてみるのもいいかもしれない。

ローカル企業への就職の際、応募に至った経緯などについて記入する「カバー・レター」と英語での履歴書(CV)を提出することになる。ちなみに履歴書には、前職の上司などの連絡先3つを書き込むのが一般的だ。

5. 来豪後はすぐに在留届を

旅券法第16条により、海外に3カ月以上滞在する日本人は、在外公館に在留届を提出することが義務付けられている。在留届は、領事館に直接提出するか、郵送、FAX、インターネットでも提出することができる。

在留届を提出しておくと、万が一の事件や事故、災害などに遭った時、安否の確認や緊急連絡、救援活動の連絡などに利用される。また緊急時にはメールで情報などが送られてくるサービスもある。

オーストラリア国内での引っ越しで、住所が変更になった時や、帰国する時にも、必ず変更届を出しておこう。

6. 教育システムは州ごとに異なるので注意

小さな子どもがいる人は、託児所や保育所、幼稚園などのシステムを確認。

通常、永住権保持者以外は、託児料や学費は全額負担する必要があるが、学校や園によっては短期留学者を積極的に受け入れているところもあるので、直接問い合わせてみよう。

託児所「デー・ケア」(またはチャイルド・ケアとも呼ばれる)や、保育所、幼稚園、小学校などは、午前7時ごろ~午後6時ごろまで預けることが可能。夏休み中などの休暇中も預けられる所が多い。また、家庭で子どもの面倒を見てくれるベビー・シッターの業者も多くあり、忙しい家族には家事代行のサービスも提供するなど、フレキシブルに対応してくれる。

オーストラリアの学校は4学期制で、1月下旬が新年度となる。週によって休暇の時期や学校のシステムが異なるので、該当する州の詳細を確認しておくことが必要。NSW州、VIC州では、日本の幼稚園の年長組に当たる年齢(5歳)から、小学校の「キンダーガーテン(Kindergarten、NSW州)」または「プレップ(Prep、VIC州)」という学年があり、プレップ~イヤー6がプライマリー・スクール、イヤー7~12がセカンダリー・スクールと区分けされている。

7. もしもの時に備えて保険に入っておこう

オーストラリアでは、体に不調を感じたらまず一般開業医(GP)を訪れることになる。そこで診察してもらい、症状が深刻な場合は各専門家に紹介状を書いてもらうシステムになっている。各専門医や検査機関での結果もすべてGPに結果が共有され、GPは各患者の病気を総合的に把握できるので、「かかりつけ医」のような感覚で病院を決めておくと便利。

緊急の場合は、昼夜を問わず日本と同じように各総合病院の救急へ飛び込むことも可能。また各州に、GPが夜間や休日に自宅訪問してくれるサービスもある。どのGPが来てくれるのか分からないので、主治医としては利用できないが、日本の国民保険証にあたる「メディケア*」保持者は無料で利用できる(Bulk Bill)。

メディケア保持者は公立の医療機関をほぼ無料で利用できるが、通常は待ち時間が長く、手術まで数カ月も待たなければならないことも。

私立の医療機関では、私費負担が大きいが、待ち時間は短く、手術も迅速に手配してもらえる。もしもの時の負担額を抑えるには、個人で医療保険に入っておくと安心だ。

歯科は日本と比較すると高額のため、歯の保険に入る人が多いほか、眼鏡やコンタクト・レンズを無料で作れる保険プランもある。

 
*オーストラリア市民権または永住権保持者が加入できる保険。

8. 生涯学習の根付くオーストラリアで学ぶ

オーストラリアには、フルタイムやパートタイムで通学する所から、週に1度のカジュアルなお稽古まで、さまざまな形態の学校やコースがある。

● 語学学校:学期にかかわらずいつでも入学でき、好きな時期に修了できる学校が多い。空港までの出迎えやホームステイの斡旋などを行っていることもある。

● 専門学校:公立の職業訓練校、TAFE(テイフ)や私立専門学校を卒業すると、永住権申請につながる進路も多い。入学にはIELTS(アイエルツ)という英語力試験で、申請に必要な点数をクリアする必要がある。サーティフィケート(修了証書)が取得できる短期コースから、数年のディプロマ(卒業証書)取得コースまでさまざま。

● 大学:入学基準に必要なIELTS点数を持っていれば入学試験はなく入学は容易だが、日本の大学より単位を取るのが厳しいため、かなり勉強しなくては卒業できない。3年で学位が取得できる大学が多い。永住権申請につながる進路も多い。

● お稽古事:ネイルやマッサージなどの技術や資格を取得できるものや、楽器やダンス、スポーツ、料理教室といった趣味の領域まで多種多様。TAFEの校舎を夜間に利用した社会人向けの短期講座などもお薦めだ。

9. 自動車免許の規則は州ごとに違うので注意

広大なオーストラリアでは日本よりも車が必要となる場面が多い。この国では国際免許、または日本の免許の翻訳文書(NAATIの資格保持者が作成したもの)があれば運転することができる。日本の免許の翻訳を依頼するには、NAATIのウェブサイトに掲載されている翻訳者リストを利用しよう。また、VIC州、SA州、TAS州で日本の免許を使って運転するために必要な自動車運転免許証抜粋証明は、在メルボルン日本国総領事館で申請から4日後に発行してくれる(有料)。NSW州では他州と異なり、コミュニティー・リレーションズ・コミッションズ(CRC)発行の翻訳証明書が必要。

 

■NAATIウェブサイト Web: www.naati.com.au
■在シドニー日本国総領事館 Web: www.sydney.au.emb-japan.go.jp
■ The Community Relations Commission for a Multicultural NSW Web: www.crc.nsw.gov.au
■在メルボルン日本国総領事館 Web: www.melbourne.au.emb-japan.go.jp

州により、永住権/テンポラリー・ビザ保持者の国内運転免許習得義務に関する法律は異なる。例えば、QLD州やNSW州の場合、永住権保持者は州に入った日から3カ月以上経つと、オーストラリアの運転免許を持たなくてはいけないが、VIC州では6カ月まで外国の運転免許が有効だ。日本の免許は基本的に全州で、25歳以上であれば現地試験免除で書き換えが可能だが、州によっては筆記試験と実地試験に合格することが要される場合もあるので、各州の法律を参照してほしい。

日本でまだ運転免許を取ったことがない人は、この機会にこちらで免許を取ってしまうのもお薦めだ。日本のように高額な教習所の費用もかからず、免許取得からオーストラリアで3カ月以上経っていれば、帰国後に日本の免許に書き換えることもできる(外免切替)。

ただし、こちらで最初に取得できる日本の仮免に似た「ラーナーズ・ライセンス」から次の「P2ライセンス」が取得できるまで最低で12カ月、「P2」から「普通免許(オープン・ライセンス)」を取得するにはさらに12カ月が必要で、24歳以下の場合は「P1ライセンス」取得が必要などさらに年月がかかるため、数年間はじっくりとオーストラリアに滞在する予定がなければ取得は難しい。

10. パスポートに代わる身分証明書が便利

パブやクラブ、酒屋に行く時に年齢確認をされることがあるが、パスポートを常に持って歩いていると、盗まれたり紛失してしまったりするケースが多いという。

そこで便利なのが、身分証明書となるIDカード。NSW州やWA州では「PhotoCard」、それ以外の州では「Keypass」と呼ばれ、パブでの年齢確認やものによっては銀行口座の開設などにも役に立つ。NSW州ではロード&マリタイム・サービス、WA州では交通局ドライバー&ビークル・サービス・センター、そのほかの州では郵便局で申請可能だ。

■NSWフォト・カード Web: www.rms.nsw.gov.au/licensing/photocard.html
■キーパス Web: www.keypass.com.au

11. 車を買うには?

車を購入するには、ディーラーから新車や中古車を購入する、中古の個人売買を利用する、オークションを利用するなどの方法がある。個人売買で地元オーストラリア人に一番利用されているウェブサイトは「Carsales.com.au」。また、土曜日に発行される地元の新聞の週末版や、あらゆる個人売買が行われている「GumTree.com.au」というクラシファイド・サイトやeBay、トレーディング・ポストのウェブサイトなども便利。

 

■個人売買の代表的なウェブサイト
Web: carsales.com.au
Web: gumtree.com.au
Web: ebay.com.au
Web: tradingpost.com.au
■日豪プレスの日本語クラシファイド
Web: life.nichigopress.jp

ディーラーでの購入はすべて手続きを代行してくれるが、個人売買の場合は購入後に州交通局に自動車の登録が必要。オーストラリアでは車検がないが、半年または1年ごとに登録更新費用を払って更新していく。車の登録の際、対人賠償保険(CTP、Compulsory Third PartyInsurance、NSW州では通称“グリーン・スリップ”)に強制的に加入させられるが、各保険会社のウェブサイトから自分で好みの保険会社に変更することが可能。日本のJAFのような機関であるロード・サービスのNRMA(NSW州)、RACV(VIC州)、RACQ(QLD州)のほか、保険会社のAAMI、アリアンツ、QBE、チューリッヒ、NRMA(NSW州、QLD州、ACT、TAS州)などが提供している。

機関よっては、CTPとほかの保険を併せて加入すると割引になるというサービスなどもある。強制保険ではカバーされない範囲も広いため、万一に備えて任意保険にも加入しておこう。

 

■NSW州交通局ウェブサイト Web: rta.nsw.gov.au
■VIC州交通局ウェブサイト Web: vicroads.vic.gov.au

車検もなく、日本のようにガソリン・スタンドでオイル・チェックなどを無料でしてくれるわけではないので、日ごろから自分で車のメンテナンスに気を配ることも大切だ。日本語を話せるメカニックもいるので、気軽に相談してみよう。

 

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