ひな鳥シーズン

オージー・ワイルドライフ 診療日記

第48回 ひな鳥シーズン

毎年この時期は「ひな鳥シーズン」のお話をしてきました。今年も例年通り、毎日のようにひな鳥たちがカランビン・ワイルドライフ病院に連れて来られます。

まだ空を飛べるほどには成長していないのに、巣から落ちて木の上に戻れなくなっている鳥のひなや、事故で親鳥を亡くしてしまったひなたちが路上で発見され、保護されます。ひなは無傷な場合がほとんどですが、何時間も親鳥のそばを離れてお腹を空かせていたり、寒さの中で体が冷え切っていたりします。

保護されたひなは、けがをしていないことが確認された後、保育器で体を温め、補液をし、病院のボランティア・スタッフによって数時間置きに餌が与えられます。餌を食べて元気になったら、親鳥の元へ返すことを試みます。

ひなを返す時、鳥の巣が残っているならそこにひなを返すのが一番良いのですが、巣ごと落ちてしまった場合や、巣が木の上のとても高い位置にあって届かない場合に最もよく用いられる方法が「ベビー・バケット」です。

■ベビー・バケットの作り方

1. バケツの底に穴を開けて、雨が降っても水が溜まらないようにする。

2. 底に土や木の葉を敷き、バケツの高さよりも長めの木の枝を立て掛けて、親鳥とひなが出入りしやすいようにする。

3. ひなが見つかった場所にできるだけ近い木を選び、バケツを頭の高さ程の枝に取り付ける。

4. 親鳥がひなの元へ返って来るまで、遠くから見守る。
 この時、あまり頻繁にひなに近づいたり触ったりすると、親鳥は警戒して戻って来るのが遅くなってしまいます。もし日没が近づいても親鳥が戻って来ない場合、ひなが飢えて衰弱してしまうことが懸念されるため、保護士さんの元へ送られ、人工飼育が行われます。夜行性の鳥のひなの場合は、夕方ごろに木に戻し、夜中に親鳥が餌をやりに来るのを根気よく待たなければなりません。

もしひなを見つけてどうしたらいいか分からない時は、「Currumbin Wildlife Hospital」(Tel: 07-5534-0813)か「Wildcare Australia」(Tel: 07-5527-2444)に電話をし、アドバイスに従ってください。また、ベビー・バケットについての詳しい情報は病院のウェブサイト(Web: www.savingyourwildlife.org.au)をご覧ください。


■床次史江(とこなみ ふみえ)
クイーンズランド大学獣医学部卒業。カランビン・ワイルドライフ病院で年間7,000以上の野生動物の診察、治療に携わっているほか、アニマル・ウェルフェア・リーグで小動物獣医として勤務。

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