ひな鳥の季節

第59回
ひな鳥の季節

今年は例年よりも少し早く、「Baby bird season」のお話をしたいと思います。まだまだ肌寒い季節が続いていますが、既にたくさんのひな鳥たちが保護されカランビン・ワイルドライフ病院に連れて来られています。

ひな鳥が保護される理由は主に2つ。空を飛べるようになる前に巣から落ちて路上で発見された場合、あるいは巣を作っていた木が伐採されてしまった場合です。帰る巣がなくなってしまったらひなは人工飼育されますが、巣がまだある場合はできるだけ親鳥の元へ返す努力をします。

保護されたひなは、けがをしていないことが確認された後、保育器で体を温め、補液し、病院のボランティア・スタッフによって数時間置きに餌が与えられます。餌を食べて元気になったら、親鳥の元へ返すことを試みます。

ひなを返す時、鳥の巣が残っているならそこにひなを返すのが一番良いのですが、巣ごと落ちてしまった場合や、巣が木の上のとても高い位置にあって届かない場合に最もよく用いられる方法が、「ベイビー・バケット」です。

  1. バケツの底に穴を開けて、雨が降っても水が溜まらないようにする。
  2. 底に土や木の葉を敷き、バケツの高さよりも長めの木の枝を立て掛けて、親鳥とひなが出入りしやすいようにする。
  3. ひなが見つかった場所にできるだけ近い木を選び、バケツを頭の高さほどの枝に取り付ける。
  4. 親鳥がひなの元へ返って来るまで遠くから見守る。

この時、あまり頻繁にひなに近づいたり触ったりすると、親鳥は警戒して戻って来るのが遅くなってしまいます。もし日没が近づいても親鳥が戻って来ない場合、ひなが飢えて衰弱してしまうことが懸念されるため、保護士さんの元へ送られ、人工飼育が行われます。
 夜行性の鳥のひなの場合は、夕方ごろに木に戻し、夜中に親鳥が餌をやりに来るのを根気よく待たなければなりません。

もしひなを見つけてどうしたら良いか分からない時は、カランビン・ワイルドライフ病院(Tel: (07)5534-0813)かワイルドケア・オーストラリア(Tel: (07)5527-2444)に電話を掛け、アドバイスに従ってください。

また、ベイビー・バケットについての詳しい情報は病院のウェブサイト(Web: www.currumbinsanctuary.com.au/hospital)をご覧ください。


床次史江(とこなみ ふみえ)
クイーンズランド大学獣医学部卒業。カランビン・ワイルドライフ病院で年間7,000以上の野生動物の診察、治療に携わっている他、アニマル・ウェルフェア・リーグで小動物獣医として勤務。

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