第2回 「リモート・アクセス」

岩戸あつしの
今さら聞けないIT用語

 

分かっているようで、実はよく分からないものが多いITワードを岩戸あつしさんが分かりやすく解説してくれる。

第2回 「リモート・アクセス」

リモート・アクセスって何?


「リモート」も「アクセス」も1つ1つの単語としては意味が分かりやすいので、ことさらIT用語辞典などでこの言葉について調べる人は少ないように思えます。多くの人は何となく離れたところにあるPCを遠隔操作するくらいに思っていて、実際にリモート・アクセスをしたことのある人は少ないのではないでしょうか。 リモート・アクセスは、自分のP C からLANやインターネットを通じて離れた場所にあるPCを操作するもので、主に離れた場所にあるPCのデスクトップ画面をそのまま自分のPCに取り入れ、あたかも自分のPCのように操作できるものです。実際やってみるととても便利で、自宅から会社のPCを操作したり、出張時にノートPCから会社のPCを操作して必要なファイルを閲覧したり、ソフトによっては自分のPCにファイルをダウンロードできます。

リモート・デスクトップ

リモート・アクセスのソフトで最も有名なのが、マイクロソフト・リモート・デスクトップです。このソフトは、ウィンドウズに最初から付属しているので別途購入する必要がありません。設定も簡単で、アクセスされる側のPCでリモート・アクセスの許可を与えることによって、LAN内(例えば社内)にあるどのPCからもアクセスできるようになります。

インターネットを使ったアクセスも可能ですが、この場合は、セキュリティーにかなり気を付ける必要があります。具体的にはパスワードを複雑なものにする必要があり、ルーターでリモート・デスクトップ用のポートをオープンする必要があるなど、ITの専門家に設定してもらう必要があります。

実際にリモート・デスクトップが多く使われている事例としては、社内のサーバーを自分のワーク・ステーションで操作するというものでしょうか。

インターネットによるリモート・アクセス

代表的なソフトとして、チーム・ビューアー(Team Viewer)、ログ・ミー・イン(Log Me In)というものがあります。 この2つのソフトの特長としては、ウィンドウズ付属のリモート・デスクトップとは異なり、社内・社外を問わず、またファイア・ウォールなどのセキュリティーがどうであれ、インターネットさえあれば、同じ設定で世界中のPCにアクセスできることです。設定が簡単なだけにパスワードの複雑化などは必須で、銀行のパスワードと同じくらい気を付けて管理する必要があります。

2つのソフトとも、基本的なものは無料で簡単にダウンロードして使用することができます。

2種類のアクセス方法

チーム・ビューアーを例にとると、コントロールの方法が2種類あり、1つは、いったんソフトをインストールしたら、ログイン名(Eメール・アドレス)と固定のパスワードを入れるだけで、いつでもどこでも相手のPCに入ることができるというもの。もう1つの方法は、アクセスされる側のPCに、1回1回ランダムなパスワードが発行され、それをアクセスしようとしている人に都度伝える方法とがあります。 前者の場合はパスワードが固定されるため、1度セットしたら相手の許可を得ずとも何度でも入ることができます。つまりそのログイン・ネームとパスワードを知っている人であれば誰でも黙って侵入することが可能で(PCのスイッチでさえオンにできます)、多くの人にパスワードを教えた場合誰がそのPCに入っているのか分からなくなり、問題が起こった場合の責任の所在が不明になる危険性があります。

したがってこの場合はどちらかというと、出張した時などに自分のノートPCから自分の会社や家にあるPCにアクセスするためだけに使用するというくらいに限定するべき方法です。


後者の場合は、サポート業者がユーザーのPCにアクセスする時に多く使われるように、1回1回パスワードが変更されるので、セキュリティーは高くなりますが、アクセスする側が、いちいちアクセスされる側にパスワードを電話やメールで聞く必要があります。

便利と危険は隣り合わせ

このリモート・コントロール・ソフトはとても便利ですが、(何度も言うようですが)ログイン名とパスワードだけで簡単に相手のコンピュータに侵入できることから、とても気を付けないといけないソフトであり、しばらく使用しない場合は、ソフトをいったんアンインストールしておいた方が安全と考えます。

シン・クライアント (Thin Client)

シン・クライアントの意味は、クライアント側のPCに必要最小限の機能だけ持たせておき、アクセス側のPCやサーバーの機能をもらっていろいろな仕事をするというものです。最近クラウドなどでこの言葉がよく使われますが、リモート・アクセスはシン・クライアントに適していると言えます。

 

 


 

 

岩戸あつし <著者プロフィル>
大学院卒業後、貿易会社を経て、コンピュータ・エンジニアとして活躍。日経CG などへの執筆、PCショーの講師を勤める。1992年、オーストラリアに移住。1994年シドニーにジャパン・コンピュータ・ネットを設立、主にシドニー在住の日本人、日本企業にコンピュータ・サービスを開始する。現在同代表取締役社長。

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