今さら聞けないITワード─SNS: ソーシャル・ネットワーク

 

第4回 「SNS: ソーシャル・ネットワーク」

分かっているようで、実はよく分からないものが多いITワードを岩戸あつしさんが分かりやすく解説してくれる。

 

SNS: ソーシャル・ネットワークとは?

英語ではSocial Networking Service、略してSNSと呼ばれます。日本ではソーシャル・ネットワーキング・サービスを日本流に略して「ソーシャル・ネットワーク」と呼ばれることが多いようです。今やSNSを代表すると言っても過言ではない「フェイスブック」を創設したマーク・ザッカーバーグ自叙伝の映画の日本語タイトルが『ソーシャル・ネットワーク』だったことを覚えていますでしょうか(ちなみに英語のタイトルは、The Accidental Billionairesでした)。このシンプルな言葉は今に始まったものではなく、インターネットのない時代は「お付き合いの輪」というくらいの一般的な意味で、各種クラブ、教会などのボランティア活動などで広く使われていました。

 

インターネットの登場

インターネットが登場すると、テレビのような一方通行の情報発信ではなく、お互いが意見や感想を送ったり、送られたりする双方向通信が可能になりました。比較的早く登場したのが、「2ちゃんねる」に代表されるような掲示板で、皆で1つの掲示板の上にメッセージを書き込み、質問に対する回答をもらったり、意見を闘わせたりすることができるようになりました。

マイクロソフト・メッセンジャーに代表されるようなチャットも比較的早くから発達し、音声やビデオを使った会話もできたのですが、最初のころは、特定の相手とだけ通信するというよりもハム無線のように匿名(anonymous)で、不特定多数の人たちと交信して友達作りをするというのが主流であり、電話のように特定の相手だけと通信したいと思っていても、いきなり知らない人がネットに割り込んで来て不快な思いをするようなこともあり、プライバシーを守りたいと思った時にはいろいろと問題がありました。そのためほとんどの場合、実名を使わず匿名で参加するという方法が取られました。

 


フェイスブックをはじめとしたSNSでは、個人の利用だけではなく、企業がさまざまな情報を発信するツールとして利用するなど、その活用法は大きな広がりを見せている。画像は日豪プレスのフェイスブック・ページ

プライバシー、セキュリティーを強化

スカイプが登場した時は衝撃的でした。それまでマイクロソフト・メッセンジャーなどで感じていたセキュリティーの問題や、通信速度の変化によって音声が途切れたりする問題はほぼすべて解決されました。そして世界中で、音声や映像で通信できるスカイプは電話代わりに利用されるようになり、その後、電話会議などでの利用に発展しました。

そして、プライバシー、セキュリティーを強化した「フェイスブック」「マイスペース」、日本では「ミクシー」や「グリー」「モバゲー」が登場しました。このころから、これらネットワーク・ソフトのカテゴリー名称としてS N S 、日本ではソーシャル・ネットワークと呼ばれるようになったと思います。特に「フェイスブック」は、基本的に実名でその人の個人情報が世界中にネットワーキングされるということから、インターネットの欠点である情報漏えいがないように、世界最高レベルの暗号通信機能を採用しました。また個人情報をどんな人にどこまで見せてよいかというルールを簡単にしたことで利用者が増え、大きな成功に繋がりました。ちなみに「フェイスブック」は、最近のエジプトやリビア革命でも革命側の通信手段として利用され、そのセキュリティーの高さが証明されました。

以上のようにインターネット時代におけるSNS、ソーシャル・ネットワークというカテゴリー名称は、名称が先にあって商品が出てきたのではなく、いろんな商品が世の中に出てきて、それをまとめるためにカテゴリーを作って当てはめたわけですから、定義があいまいなところがあります。例えば「ツイッター」は、140文字以内のツイートで投稿するミニ・ブログのようなものでソーシャル・ネットワークにはあたらないと言う人もいます。しかし、多くの人は広義のソーシャル・ネットワークの1つだと思っています。またソーシャル・ネットワークを商売に活用する人も増えており、中にはいわゆるネットワーク・ビジネスに活用する動きもありますが、商売が絡むことによっていろいろな問題が出てくることが予想され、それをどう解決していくかが今後の課題だと思います。

 

 

岩戸あつし <著者プロフィル>
大学院卒業後、貿易会社を経て、コンピュータ・エンジニアとして活躍。日経CG などへの執筆、PCショーの講師を勤める。1992年、オーストラリアに移住。1994年シドニーにジャパン・コンピュータ・ネットを設立、主にシドニー在住の日本人、日本企業にコンピュータ・サービスを開始する。現在同代表取締役社長。

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