第5回 「ウィンドウズ8」

 

第5回 「ウィンドウズ8」

分かっているようで、実はよく分からないものが多いITワードを岩戸あつしさんが分かりやすく解説してくれる。

 

ウィンドウズ8になった訳

 10月16日、ウィンドウズ8の世界同時発売が開始されました。ウィンドウズという言葉は、知らない人はおそらく世界中にいないだろうというくらい有名です。そんな中、ウィンドウズ8はその名の通り、現行のウィンドウズ7に続く8番目に出た新しいバージョンというように、多くの人が理解していると思います。ところがマイクロソフトの内部バージョン(本で言えば改訂版にあたる)は、ウィンドウズ7がVer. 6. 1、ウィンドウズ8がVer.6.2になります(ちなみにVer.6.0はVISTAです)。何やらややこしいですね。

 
ウィンドウズの歴史

右の表をご覧ください。27年間のウィンドウズの歴史を整理してみました。ウィンドウズ7や8は正確に言うとバージョンではなく「製品名」ということになります。「製品名」というのは商品を売るために付けられる名前で、「内部バージョン」は互換性やシステム・アーキテクチャーの違いから振られる技術的な識別番号です。最初の1.0から3.1くらいまでは、製品名と内部バージョンが同じでしたが、年号である95や2000、ME(ミレニアム)を製品名にしたために製品名と内部バージョンが異なるようになりました。そしてXPやVISTAというファッショナブルな名前を付けたかと思った後、7というシンプルな製品名に戻りました。実は7の開発当初は7という開発コード名で、内部バージョンも7を目指していたそうです。ところが完成してみると技術的にはVISTAの6.0から1つバージョンを上げ7.0にするほどのメジャー・チェンジではなくマイナー・チェンジだったということで、内部バージョンを6.1としたそうです。そしてそれに懲りず、今回の製品名8も内部バージョンとしては6.2ながら製品名である7の後継機ということで製品名を8にしたということです。

 


ウィンドウズ8を使ってみた

今回の8へのバージョン・アップは、アップル社のiPadや、スマート・フォンを強く意識したもので、これからのウィンドウズの動向を示しています。実際に8を使ってみたのですが、スタート・ボタンがなくなり、スタート画面にはタッチ・パネルを意識したタイル・メニューがデスク・トップ一面に張り付いています。7とは全く異なったメニューなので操作に慣れるのに時間がかかると思います。また、従来のディスプレイではタッチ・パネル機能が使えないため、アップ・グレードしても今までと同じようにマウスとキーボードの操作になります。8のタッチ・パネル機能を使うにはそれに対応した機械やディスプレイを買う必要があります。当面ビジネスとして使用するためには7の方が慣れているせいもあって使いやすく、7から8に切り替える人は少ないように思えます。

 
■ウィンドウズの歴史(サーバーを除く)

発売年 製品名 内部バージョン 系列 特徴/備考
1985 1 1 DOS系 MS-DOSの延長して、DOS上で動くアプリケーションとして考えらえた。ほとんど注目されなかった
1987 2.0-2.11 2.0-2.11 DOS系 ウィンドウの重ね合わせが可能になったが市場ではMS-DOS、DOS/Vが主流
1990 3.0-3.1 3.0-3.1 DOS系 3.1バージョンからそれまで主流であったDOS/Vに変わり、ウィンドウズが主流のOSになる
1993-
1995
NT3.1-3.51 NT3.1-3.51 NT系 現在のバージョン8の基になった最初のバージョンでNT系と呼ばれる。もともと一般用ではなく企業用として生まれた。このNT系はサーバーを前提としており、サーバー用とクライアント用の2つの異なった種類が作られることになる
1995 95 4 9x系 MS-DOSからのアーキテクチャーを継承した一般消費者向けバージョンで、95からMEまでを特に9x系と呼ぶ。インターネット普及に伴い爆発的に売れた
1996 NT4.0 NT4.0 NT系 それまで専門家向けであったメニューを95と同じメニューに統一した
1998 98-98SE 4.1 9x系 95を改良し、よりインターネットに対応するようにした。このころからアップル社などライバル会社を引き離し、ウィンドウズの独走態勢になる
2000 ME 4.9 9x系 メモリの拡張ができないという問題があり、9x系と呼ばれたバージョンはこのMEバージョンで終了、NT系に受け継がれることになる
2000 2000 NT5.0 NT系 95-MEに至るDOS→9x系統のアーキテクチャー終了に伴い、それまで企業用であったNT系統が2000バージョンから一般消費者の主流になる
2001 XP NT5.1 NT系 64ビット・バージョンが初めて登場。人気があり、そのため5年の長期にわたりバージョンが更新されなかった
2006 VISTA NT6.0 NT系 XPの欠点であったセキュリティーを強化した
2009 7 NT6.1 NT系 VISTAの欠点であったアクセス・スピードを速くした
2012 8 NT6.2 NT系 タッチ・パネルに対応

 

岩戸あつし <著者プロフィル>
大学院卒業後、貿易会社を経て、コンピュータ・エンジニアとして活躍。日経CG などへの執筆、PCショーの講師を勤める。1992年、オーストラリアに移住。1994年シドニーにジャパン・コンピュータ・ネットを設立、主にシドニー在住の日本人、日本企業にコンピュータ・サービスを開始する。現在同代表取締役社長。

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