今さら聞けないITワード「OSとは?」

 

第7回 「OS」

分かっているようで、実はよく分からないものが多いITワードを岩戸あつしさんが分かりやすく解説してくれる。

OSとは何か?

よくOS(オーエス)という言葉を聞くと思いますが、これは英語のオペレーティングシステム(Operation System)の省略形です。日本語でもOSもしくはOとSの間にスラッシュを入れてO/Sとそのまま書くことが普通です。日本語訳もあり「基本システム」と呼ばれていますが、OSという言葉の方が通常よく使われています。さて、OSとは何かということですが、ウィキペディアなどで調べても専門用語のオンパレードで、なんのことかさっぱり分からない方がほとんどだと推測します。

OSの例

そこで、「OSとは?」という大上段な構えからではなく、OSにはどんなものがあるかというところから説明しましょう。一番有名なのが、マイクロソフト社のウィンドウズ、古くはMS-DOS(エムエス・ドス)、アップル社のMac OS(マック・オーエス)、スマートフォン用のグーグル社アンドロイドなどが有名なところです。またリナックスとか、ユニックスとかという言葉も聞いたことがあるかもしれません。最近は自動車の制御用のOSも出てきています。さてこれらが共通して持つ特徴がOSなのですが想像できますでしょうか?

OSの第1の役割

まず言えることは、OSはソフトウェアに属するということです。そして第一義的な役割として、ハードウェアを管理する役割があります。ロボットに例えますと、機械部品はハードウェアです。そしてそのロボットの手足などを動かすためには制御用のソフトが必要です。これがOSにあたります。ただ、そのロボットも発達してくると、基本的な動きに加えて、建設用ロボット、看護用ロボット、すしを握るロボットというようにそれぞれの仕事に特化したロボットが登場します。この特化された部分はパソコンで例えるとワード、エクセル、アウトルックなどのアプリケーション・ソフト(以下、アプリと省略)ということになります。

もし、ウィンドウズがなかったら

OSの第2の役割を説明する前に、もしパソコンにウィンドウズがなかったらどんなことになるかということを想像してみましょう。OSであるウィンドウズにはパソコンの基本制御という大きな役割があり、実際にはウィンドウズがなければ画面には何も写らず、キーボードもマウスも動かないのですが、仮にそのような基本機能をワードやエクセルなどのアプリ側で備えていると仮定します。実はそのようなパソコンが昔はありました。例えばワープロ専用機がそうです。これは、文章を作成する専用機で、例えばスプレッドシートやメールなどというほかの機能がなく、文章作成というただ1つのアプリだけが搭載されていました。

もし今のウィンドウズ8やウィンドウズ7などがなく、ワードやエクセル、アウトルック、インターネット・エクスプロ—ラなどを直接パソコンにインストールしたら(実際にはできませんが)どんなことになるでしょうか。例えばウェブで面白い写真を見つけてそれをコピーしてワードに貼りつけようと思ってもできません。アウトルックでエクセル・ファイルを添付することができません。ワードでセットアップしたプリンタはワードだけでしか使えず、エクセルやアウトルックにもそれぞれ同じプリンタをアプリケーションごとにセットアップする必要があります。これでおよそOSの第2の役割が見えてきたのではと思います。

OSの第2の役割

結論的にいうと、ワード、エクセルなどのアプリの共通機能を1つの場所にまとめるのもOSの大事な役割です。逆に言うとアプリはOSの機能に上乗せする形で作成され、OSにないアプリ機能に特化されたプログラムのみ作成すればよいことになります。例えば、エクセルのソフトには、マウスを動かしたり、プリンタに印刷したり、文字やイメージを切り貼りする機能は必要なく、それらはすべてウィンドウズ側が持っています。第2の役割をまとめますと、アプリで重複した、つまり共通したプログラムを1つにまとめてプログラムの効率を高め、それとともに各アプリが共通プログラムを利用することによって、アプリ間で相互にやり取りできる機能を提供します。

ウィンドウズの歴史からOSの役割をみる

アプリに特化されていた機能が、ウィンドウズのバージョン・アップによって、OSの機能に年々組み入れられていっています。初期のウィンドウズは、それまでのMSDOSでは1つの画面だけしか見えなかったものを複数のウィンドウで見ることを可能にしました(これがウィンドウズの名前の由来になっています)。1990年のウィンドウズ3.0では、グラフィックス(GUI)がOSに組み込まれ、それまでの黒地で白文字の画面から、現在あるようなカラフルで、フォントを自由に拡大縮小できる画面に変わりました(それまでのフォントは半角、全角指定のみでした)。

またウィンドウズNTの登場によって、ワードやエクセルなど同時に仕事ができるマルチタスク機能が組み込まれました。1995年のウィンドウズ95では、インターネットがOSに組み込まれました。そして最近のウィンドウズ8では、タッチパネル機能がOSに組み込まれています。

このように、それまではあるアプリにだけ特化されていた機能をほかのアプリでも使えるようにウィンドウズのバージョン・アップ時に組み込んでいったので、ウィンドウズはバージョンアップごとに膨らんできてハードディスクやRAMに必要な容量もそれに合わせて年々大きくなってきています。

新しいウィンドウズが出た時に、夜中に行列ができ、それをテレビの取材陣がインタビューしているシーンを見ますが、その受け答えを聞いていると、このOSの役割がわからないまま並んでいる人もいるようですね。

 

岩戸あつし <著者プロフィル>
大学院卒業後、貿易会社を経て、コンピュータ・エンジニアとして活躍。日経CG などへの執筆、PCショーの講師を勤める。1992年、オーストラリアに移住。1994年シドニーにジャパン・コンピュータ・ネットを設立、主にシドニー在住の日本人、日本企業にコンピュータ・サービスを開始する。現在同代表取締役社長。

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