第8回 「サーバー」

 

第8回 「サーバー」

分かっているようで、実はよく分からないものが多いITワードを岩戸あつしさんが分かりやすく解説してくれる。

オフィスで働いていると「サーバーがダウンした」という言葉を聞く機会も少なくないと思います。サーバー(サーバと表記することもあります)がダウンしたために仕事ができない、メディケアやHCFといった大手保険業の店舗でもサーバーがダウンしているため手続きができないといったような話をよく聞きます。

サーバーは言葉通りに解釈するとサーブするもの、つまり供給元ということで、それに対して依頼、受給する人をクライアントと呼びます。クライアントが使うコンピュータ端末もクライアント、もしくはクライアントPCと呼ばれます。

サーバーとクライアントPCは通常LANと呼ばれる社内用ネットワークで結ばれていますが、最近はクラウドのようにインターネットを通じてサーバーとクライアントPCが直接結ばれることが多くなってきました。

サーバーの大きさ

我々が身近に見るサーバー機(ハードウエア)は、大きな事務所では、空調の利いたサーバー・ルームの中にあり、小さな事務所では部屋の隅にポツンと離れて置かれているタワー型PCが思い出されます。しかしサーバー機はそれだけではありません。

スーパー・コンピュータと呼ばれる最も大型で高速なサーバーの中には1台で1部屋を占領するくらいの大きさのものもあります。

ただ、それ以外のサーバーは年々サイズが標準化してきており、19インチ・ラック・マウントと呼ばれる、幅19インチ(約48センチ)、奥行き54センチの大きさで囲まれた4本の金属柱で構成されたラック(棚)にはめ込まれるような形で作られています。

銀行や大手検索会社などが利用するデータ・センターには、体育館のような建物の中に、このようなラックに入ったサーバーが何百、何千と並べられているところもあります。

サーバーの種類

標準的なサーバー、クライアント・システムでは、サーバーの中に皆で使うデータ・ファイルが保存されており、各クライアントPCからサーバーにアクセスすることでそのファイルをオープンすることになります。

このデータ・ファイルを保存しておくサーバーを特にファイル・サーバーと呼びますが、これはたくさんあるサーバー・システムの中の1つの種類に過ぎません。では、実際のサーバーの種類にはどんなものがあるのでしょうか?サーバーを機能的に分類すると主に以下のようになります。

 

ファイル・サーバー:ファイルを共有する
プリント・サーバー:プリンタを共有する
ドメイン・サーバー:ドメイン管理用
ウェブ・サーバー:ウェブ発信元
メール・サーバー:メール送受信の管理
データベース・サーバー:データベースを供給
クラウド・サーバー:クラウドを提供
ターミナル・サーバー:アプリケーションソフトを一元供給(つまりクライアント側がアプケーション・ソフトを必要としないシステム)

サーバー機1台に上のような、いくつものサーバー機能が組み込まれていることもあれば、1つの機能で何台ものサーバー機が必要なこともあります。

サーバーのソフトウエア

我々の身近にあるサーバー・ソフトは、マイクロソフト社のウィンドウズ・サーバーで、最新バージョンはウィンドウズ・サーバー2012になります。我々が通常使っているウィンドウズ7や8とは異なり、サーバー専用ソフトになります。

ほかのサーバー・ソフトで有名なのがユニックスやリナックスで、これらは基本的に無料で提供されており、歴史も長く評判も高いのですが、ウィンドウズ・サーバーに比べ高度な専門知識を要求されるという問題があります。

そのために最近はどちらかというとお金はないが知識はある、大学や研究所といったところで主によく使われています。

アップル社のマッキントッシュやiMacは有名ですが、ウィンドウズのように専用のサーバー機がなかったことから企業用、事務用としては敬遠されてきました。ただ最近のクラウドの発達で、クラウド・サーバーを利用することによって、社内のサーバー機とマック・クライアントととの整合性を気にしなくてもよくなったため見直しを計っている企業があるようです。

 

岩戸あつし <著者プロフィル>
大学院卒業後、貿易会社を経て、コンピュータ・エンジニアとして活躍。日経CG などへの執筆、PCショーの講師を勤める。1992年、オーストラリアに移住。1994年シドニーにジャパン・コンピュータ・ネットを設立、主にシドニー在住の日本人、日本企業にコンピュータ・サービスを開始する。現在同代表取締役社長。

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