今さら聞けないITワード「ウィンドウズ10」

 

第15回 「ウィンドウズ10」

分かっているようで、実はよく分からないものが多いITワードを岩戸あつしさんが分かりやすく解説してくれる。

10月1日にウィンドウズの新しいバージョン10(テン)の発表がありました。同時に開発者向けプレビュー版がマイクロソフトのウェブサイトからダウンロード可能になりました。今回は新しいバージョンの方向を一般の人に広報する意味合いが強く、大雑把な方向性を示しただけでまだまだこれから開発が進み、実際の販売は来年の半ばごろとか後半だとかいろいろ言われていますが、今までのバージョンアップの歴史から考えると最初に発表した予定日から半年くらい遅れる傾向がありました。今回の発表でまずみんなが不思議に思うのが、なぜウィンドウズ8.1の後が9ではなくて10なのかということでしょう。

なぜ10なのか

最新バージョンがウィンドウズ8.1なのに、なぜ9を跳びこして10なのだろうということですが、ウィンドウズの製品名は最近でこそ、7、8、8.1とういう数字の流れがありますが、7の前はVISTA、その前はXP、さらにその前は2000年を表す2000というように、これは技術的なバージョン名というより新製品を売るために営業目的で付けられた製品名なのです。そして純粋に技術的な内部バージョンは、数字と小数点だけで構成されていて目立たないところに書いてあり、製品名とは別の数字になっています。(唯一ウィンドウズ7の時に内部バージョンも7にしようとしたのですが、結局それも果たせず6.1になってしまいました)

アップル社やグーグル、サムソン社に取られてしまったシェアを取り戻すため、このバージョン10で起死回生を目指すという意気込みを見せたところですが、ただのハッタリで終わらないことを祈ります。また一説には、ウィンドウズ9にすると過去のバージョンであるウィンドウズ95や98と間違って認識されるアプリケーションがあるために9という数字を使わなかったということも言われています。

メニューはどうなるのか?


マイクロソフト広報ビデオ「Windows 10 Technical Preview」より

バージョン8が不評だった一番の理由に、スクリーンの左下にあったスタート・メニューをなくしたということがあります。10では以下の写真のようにデスクトップ画面でスタート・メニューを復活させました。従来のスタート・メニューでは文字列が主でしたが、10の場合は写真のようにスタート・メニューからスカイプなどのタイル・メニューを出すことができます。タイル・メニューはドラッグ&ドロップで簡単に作成でき、タイルの大きさや縦横のバランスは右クリックで変更できます。デスクトップやノート型に10をインストールすると、写真のようなデスクトップ・メニューが最初に表れるようにデフォルトが設定されており、タブレットやスマートフォンの場合は、最初に8.1と同じようなタイル・メニューが現れます。

異なるプラットフォームに対応

今回のバージョン10は、同じソフトでデスクトップ、ノート型、タブレット、スマートフォンといった異なるプラットフォームに対応しています。ただメニューのところで説明しましたように、それぞれのプラットフォームに合せたデフォルト・メニューがあり、デスクトップやノート型PCでは、スタート・メニューが組み込まれたデスクトップ画面が最初に現れ、タブレットやスマートフォンではサイズに合ったタイル・メニューが現れます。もちろん自分なりのメニューをカスタマイズすることも簡単にできるということです。

プレビュー版のインストール

発表されたウィンドウズ10の機能はまだわずかで、マイクロソフト社によるとこれからどんどん現在のプレビュー版に対して更新、追加をしていくそうです。従っていろいろ新しい機能を試してみたい方はサイト「http://preview.windows.com」にアクセスしてプレビュー版のインストールをしてください。ただし開発途上のソフトなのでまだほとんど機能がなく、製品版に比べると、エラーやバグが多く出る可能性があります。またインストールするPCに元々入っていたOSやオフィスなどのソフトはすべて消えてしまいますので、メインのPCではなく、テスト用のPCを用意されるのをお薦めします。現在のところ日本語版がなく、英語や中国語などの中から言語を選ぶことになります。

結局どうなのか?

わたしがプレビュー版をインストールしてテストした感触ですが、確かにメニューは8.1の時より使いやすくなったと言えますが、その前のウィンドウズ7に戻ったという感じも否めません。ウィンドウズ8によってスタートメニューをなくしたところ不評を買ったので、8.1でスタートメニューを復活させ、10でさらにスタートメニューを使いやすく改良したという感じです。これから推測することは、マイクロソフトはウィンドウズ8によって、タブレットに切り過ぎた舵を戻し、マウス、キーボードのユーザーに歩み寄った感じです。今回の10を見る限り、9という数字を跳ばして10という商品名を付け大胆な改革を目指していると宣言している割には、行ったり来たりの八方美人という感じが否めません。まあ発表したばかりですから、今後の展開を見守りましょう。

 

岩戸あつし <著者プロフィル>
大学院卒業後、貿易会社を経て、コンピュータ・エンジニアとして活躍。日経CG などへの執筆、PCショーの講師を勤める。1992年、オーストラリアに移住。1994年シドニーにジャパン・コンピュータ・ネットを設立、主にシドニー在住の日本人、日本企業にコンピュータ・サービスを開始する。現在同代表取締役社長。

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