教えて、校長先生!

QLD日本語補習授業校の窓辺から

「教えて、校長先生!」

第2回 日本の教科書と文科省サポートの通信教育

前回は、永住者を念頭において母国語としての日本語教育の大切さと意図的な学習の大切さについてお話しました。それでは、具体的にはどうしたらよいのでしょうか。

親子の日本語での会話が不可欠なことは言うまでもありません。しかし、それだけでは不十分です。将来、日本人として仕事で日本語を使うようなレベルに達するためには生活言語だけではなく学習言語の習得が不可欠です。

学習言語習得のための方法や教材には複数あるでしょうが、在留の皆様には皆様のための「宝の教材」があることをお忘れになっていないでしょうか。それは、日本政府が在留邦人にも無償給与している文部科学省検定済教科書です。補習校に通っていないので使っていないとか、受け取りに行っていないということはありませんか。日本の教科書は、学習指導要領に基づいてさまざまな角度から念入りに検討されて作られた世界に誇る教材だと思います。学習指導要領に基づく教育を施すということは、全国どこにいても同じ質量の教育を提供し、日本人にふさわしい人格陶冶(とうや)の基礎を築くということです。国語、算数、理科、社会、生活、音楽などの教科書を学べば、学習言語の習得ができますし、日本人としてのアイデンティティーの形成にも役に立ちます。この宝物を大いに活用してもらいたいと思います。

また、文部科学省の外郭団体である海外子女教育振興財団では、海外に住む子どもたちのために通信教育を行っています。小学校1年生から中学校3年生までの国語と算数(数学)について、教科書準拠の学習テキスト「ニューレインボー」を中心に学習し、添削問題を解答して送る仕組みになっています。漢字のドリルや漢字配当表、教科書の朗読CD、問題集などが付いてきます。この小中コースには文科省からの補助金が出ていますので、費用は3カ月9,450円ですみます。インターネットを用いた理社コースや幼児コース、高校生小論文コースもあります。このような通信教育を教科書学習と併用してはいかがでしょうか。


丸山吉信
■プロフィル

日本で大学院修了後、小学校、中学校、高等学校で合計30年間に渡り、帰国子女教育、国際教育に従事。2012年3月文部科学省派遣教員として来豪。現在、在外教育施設クイーンズランド補習授業校ブリスベン校およびゴールドコースト校校長。

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