在留子女の母国語教育(5)

QLD日本語補習授業校の窓辺から

「教えて、校長先生!」

第5回 在留子女の母国語教育(5)

前回は、母国語教育のために補習校を活用することをお勧めしました。補習校は日本語補習校という名前から日本語学校のように思われがちですが、正確には文科省の学習指導要領に基づいて日本の教育を提供する日本人学校です。言語に限定せず、日本人にふさわしい人格陶冶(とうや)の基礎を築くという意味において、この宝の施設を大いに活用してください。で行われているのです。

また、ゴールドコースト補習校の運営母体であるゴールドコースト日本人会は「さくら学園」という学校も運営しています。こちらは州政府の認可校であるため州政府の定期監査を受けながら州の日本語教育プログラムに沿った指導をしなければならない点が補習校と大きく異なります。日本語会話や読み書きの授業がレベル別編成で行われており、日本の体育のような授業や文化の授業もありますので、1度足を運んでみられたらいいと思います。で行われているのです。

本コラムでは今回まで永住者の方を念頭に置きながら話をしてきました。しかし、駐在の方も子どもの教育について大いに心配のことと思います。私の日本での帰国子女受け入れの経験から申し上げれば、数年で帰国する場合、国語はまず心配ないと申し上げていいと思います。たいていの帰国生は1年もすれば漢字の遅れなどは自分で取り戻します。むしろ、算数、数学の遅れが進路を左右することに注意すべきです。文科省は「グローバル人材」の育成計画を推進しており、日本の学校の帰国子女のための門戸は大きく開かれています。せっかくの英語圏の滞在ですから、英語を身に着けることや現地の考え方を学ぶことに集中すべきだと思います。現地校で良い成績を取ることとアメリカのTOEFL(英語)やSAT(英数)のスコアの基盤を充実させて帰国することが宝になります。で行われているのです。

私のコラムもあと1回を残すのみとなりました。最終回は「書くことの指導」を通じて発展的なレベルでの日本語指導に触れたいと思います。実は、上記のTOEFLやSATのエッセーにつながる基礎力養成が日本の3年生、4年生の教科書の中で行われているのです。


丸山吉信
■プロフィル

日本で大学院修了後、小学校、中学校、高等学校で合計30年間に渡り、帰国子女教育、国際教育に従事。2012年3月文部科学省派遣教員として来豪。現在、在外教育施設クイーンズランド補習授業校ブリスベン校およびゴールドコースト校校長。

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